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2016年8月21日(日本時間22日)に行われたリオオリンピック閉会式。その中で行われた2020年の東京大会プレゼンテーション「フラッグハンドオーバーセレモニー」は世界中が絶賛、大きな反響がありました。

この「トーキョーショー」のクリエーティブ スーパーバイザー兼音楽監督は椎名林檎さん。三宅純さんアレンジの斬新で独創的なアレンジの国歌「君が代」が会場に流れると、フィールドにはゆっくりと大きな日の丸、そして「ありがとう」の人文字が現れると言う秀逸な演出で始まったこのショーは、スタートと同時に観た者を虜にし、グイグイと引き込んで行きました。

クリエイティブスーパーバイザーを務めたのは電通の菅野薫さん。パフォーマンス部分の総合演出と演舞振付は、Perfumeのライブ演出・振付などで活躍するMIKIKOさん。AR演出はRhizomatiksさん、そして音楽が中田ヤスタカさん。これはPerfumeのライブの布陣と同じ!

そして、アスリート達と日本初の人気キャラクター達が共演したクールなPVは、クリイティブディレクターの佐々木宏さん。SoftBank「予想GUYシリーズ」「犬のお父さんシリーズ」など、佐々木さんの作品は誰でも見たことがあるハズ!

ネットでも「なんだか無性に泣けてしまった」「君が代に震える!」「求められてるクールジャパンが全部はいってる」など歓喜の声が上がりました。サバンナの高橋さんもTwitterで絶賛。

映像で前回の東京オリンピックをオマージュ

実はこのPV映像が、1964年に行われた東京オリンピック時の故・亀倉雄策さんの「ポスターへのオマージュだ」話題になっています。エンブレム問題の時にも話題となった、前回の東京オリンピック・エンブレムを使った第1号ポスター。

PV全編を通じて、東京の街と大きな日の丸が背景に浮かぶ中、アスリート達が躍動する姿に胸が震えた人も多かったのでしゃないでしょうか。

そして若手アスリートシーンのラスト、何も知らなくても最高にカッコイイこのカットですが、前回の東京オリンピックポスターと並べて見て下さい。

ネットでも「感動で鳥肌がたった!」「凄すぎる」という声が。これらのオマージュを見て、エンブレム問題に揺れていた頃の、椎名さんのこのコメントを思い出した人もいました。

この頃はまだ、椎名さんは今回のオリンピック引き継ぎセレモニーの外部専門家アドバイザーとして関わる前でしたが、度々2020年の東京オリンピックに関して発言するなど強い関心を示していました。

実は以前から五輪に関心が強かった椎名さん

2014年11月8日にNHK総合で放送された「SONGS 椎名林檎~どうなる?東京五輪~」では、写真家・蜷川実花さんと演出家・野田秀樹さんとの対談でこんな発言をしています。

「外から見ている日本のカルチャーとのギャップを、ここへ来て相殺してゼロ地点というのを示したい」

出典NHK総合「SONGS 椎名林檎~どうなる?東京五輪~」2014年11月8日放送

また同じく2014年「音楽ナタリー」のインタビューでは、かなり突っ込んだ発言も。

「2020年の東京オリンピックが決まったとき、浮かれ気分もありながら、皆さん『だいじょぶなのか東京』と、不安を覚えたでしょう? 開会式の演出の内容がおっかなくて仕方ないでしょう?」

出典 http://natalie.mu

こんなふうになったら困るなという、私たち国民全員共通のイメージってあるでしょ? 「あちゃー」ってなったらヤだなって。

出典 http://natalie.mu

せっかく他国から多くの人が日本に来てくださるわけですから。だって、昔から脈々と続く素晴らしいスポーツの祭典が東京で開催されるんですよ。もし自分の近いところに関係者がいるのであれば、言いたいことはありますよ。子供を持つ親として、私なんかにも動けることがあればしたいと思ってます。

J-POPと呼ばれるものを作っていい立場にあるその視点から、絶対に回避せねばならない方向性はどういうものか、毎日考えてます。

出典 http://natalie.mu

2年前から世界から注目されるオリンピック開催地に東京が選ばれたことを喜びつつも、日本の文化を伝える上で「絶対に回避したい方向性」を模索していた椎名林檎さん。

そんな彼女だからこそ、今回の閉会式は日本の伝統とリアルが美しく融合した、2020年への期待を抱かせる素晴らしいものとなったのでしょう。

今回使用された椎名さんの曲が話題に

ネットでは、今回の「トーキョーショー」パフォーマンス部分・東京五輪のエンブレムが現れるシーンのクライマックスで使用された椎名林檎さんの曲「望遠鏡の外の景色」が話題になっています。これは、野田秀樹さんの舞台「エッグ」の為に、以前、椎名さんが作曲したもので、今回はそれを村田陽一さんがアレンジ。

「エッグ」は2012年に初演、2015年にオリジナルメンバーで再演され、再演時にはパリの国立シャイヨー劇場でも公演が行われました。そのストーリーが、エッグという架空のスポーツを通じ、スポーツやJPOPの熱狂が戦争の熱狂と重なりあってゆく様子を描いた複雑な作品。オリンピック出場を夢見るアスリートや女性シンガーソングライター達が、最後に向かった先は…筆者は初演を観ましたが、かなり衝撃的で痛烈な社会批判性を持った作品でした。

このオリンピック批判とも取れる作品の劇中曲を使用した事で「攻めすぎじゃない?」「確信犯?」「まさかの五輪本番で五輪批判?」「いや、逆に野田さんに喧嘩売ってるの?」などという声も上がりました。

しかし「エッグ」公式サイトに2014年12月にアップされたインタビューでは「劇とか関係なく、NODA・MAPのすべての作品の最後にこの曲を使いたい」と語るほどこの曲を気に入っていた野田さん。椎名さんも「セルフ・カバーした方を使っていただけば」と答えている事から、今回も完全に独立した1曲として使用されていると思われます。

出典 https://www.amazon.co.jp

今回使用された『望遠鏡の外の景色』が収録されているセルフカバーアルバム『逆輸入 ~港湾局~』。この曲の舞台バージョンは、深津絵里さんが劇中の役ICHIGO ICHIE名義で発売したアルバム『毒苺』に収録されています。

オリンピック関係のアルバムへの参加も

また、SARAVAHの発足50周年を記念したコンピレーションアルバム「サラヴァの50年」に、日本からはカヒミカリィさんと参加。椎名さんはフレンチ・ポップス史に残る名曲「白い恋人たち(13 jours en France)」をリメイクしています。

もともとは1968年にフランスはグルノーブルで開催された冬季オリンピックの記録映画のために書き下ろされたもので、お聴き覚えがあるに違いありません。椎名はリメイクにあたり、「13 jours au Japon ~2O2O日本の夏~」と銘打って、原曲へのオマージュとともに、2020年の東京五輪への思いも込めています。

出典 https://www.facebook.com

どれもみな、以前から今までずっと続いてきた椎名さんの「東京五輪」への思いの強さを感じられます。

出典 https://www.amazon.co.jp

余談ですが、東京事変として活動していた2010年に発売されたアルバム『スポーツ』は、メンバーの横顔がデザインされた金メダルがジャケット写真でした。*

「オリンピックは人生に揺さぶりをかける衝撃の出来事」

NHKEテレで中継された「リオオリンピック 閉会式」では、閉会式終了後に椎名林檎さんのインタビューを放送。そこで椎名さんは、東京五輪への思いをこう語りました。

「4年に1回でなかなか頻度も多くないですし、それを目の当たりにできるってすごくそれぞれの人生に揺さぶりをかけてくる衝撃の出来事ですよね」

出典NHKEテレ「リオオリンピック 閉会式・椎名林檎インタビュー」2016年8月22日放送

「今打ち込んでいること、繰り返し鍛錬していることっていうのは、どうしたらどのような形で実を結ぶのかというイメージができるのは、夢があることだと思うんです。

世界がどうなっても変わらない価値っていうのを持ち続ける子供たちが、ずっとバトンを渡していってくれるように。環境は整えないといけない。それは自分の、大人の義務だと思っております。

(五輪開催は子供にとって)すごく健全な、心身にとって非常に健やかな、しかし大きな働きがありますよね。楽しみです」

出典NHKEテレ「リオオリンピック 閉会式・椎名林檎インタビュー」2016年8月22日放送

リオ五輪閉幕式に行われ、世界中に「今の日本の魅力」を存分に印象づけた8分間のノーカット映像はこちら「NHKリオ 2020へ期待高まる!トーキョーショー」で観る事ができます。

ネットなどでは「東京オリンピック開会式もこのメンバーで!」と熱望されていますが、今回のメンバーはあくまで引き継ぎ式「フラッグハンドオーバーセレモニー」の為に集められたメンバー。東京オリンピックのの開会式・閉会式のメンバーはまだ発表されていません。

それでも「フラッグハンドオーバーセレモニー」を観た多くの人たちが「東京が楽しみになった」「早く観たい!」と期待に胸を膨らませています。2010年の東京オリンピック、アスリートたちの活躍だけでなく、こういったパフォーマンスも大いに楽しみですね。

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