知られざるママの実態や本音を紹介するコーナー「ママのホント。」

「妊娠なんて、すぐすぐしないと思ってた」

そう語ってくれたのが、30代の女性Tさん。19歳のときに妊娠してしまい、迷わず中絶をしたといいます。現在、結婚して子作りに励むも授からず、不妊治療の真っただ中。「今は赤ちゃん欲しいのに」と後悔の日々を送っているそうです。今だからわかる”命の重み”について学んだというTさんの体験談をご紹介します。いつか娘に聞かせたい、母の苦悩がここにはありました。

なにも考えずに“命を捨てた”19歳のある日

赤ちゃんなんてそうそう出来ないと思っていました。高校を出て、地元の銀行に就職。実家暮らしがイヤですぐに一人暮らしをはじめました。寂しさから、彼氏を作っては別れ…の繰り返し。職場の上司と不倫関係を持ったのも、間もなくでした」

寂しいというTさんの気持ちが、心に隙間を作ったのでしょう。30代半ばのバリバリ仕事のできる上司に心惹かれ、忘年会で意気投合。そこから、肉体関係に至ったのだそうです。上司には奥さんがいましたがお子さんはおらず、Tさんを優先的に扱ってくれました。

「結婚して8年経つけど子供出来ないし、避妊しなくたって妊娠なんてしないよ」

そう言って上司は避妊をしてくれなかったといいます。だったら、なぜ自分が避妊のためにピルを飲んでおかなかったのか?と今になって思うものの、当時19歳だったTさんは“ピルはどこでどうやって手に入れるのか”もわからなかったのだそう。

そして、Tさんは思いがけず命を授かることになるのです。

「生理が来ないし、なんか気持ちが悪かったんです。怖くなってドラッグストアで妊娠検査薬を買い使ったら、線がハッキリ一本。そう、妊娠の陽性反応です。上司にメールしたらすぐ電話がかかってきました。悩む間もなく“お金は払うから、中絶してくれ”と。」

Tさん自身も中絶することしか頭になかったようで、中絶手術を施してくれる病院へ連絡をし、週末の指定された時間に産婦人科へと向かったそうです。上司は当日付き添ってくれるはずもなく、一人で心細かったと話しました。

「不安でした。怖かった。手術前に同意書みたいなものに署名するんですけど、相手の名前も本当は書かないといけなくて。わたしが上司の名前を書くわけにもいかなかったので、幼馴染みの友達の名前を書きました。手術台に自分で乗って、麻酔を打たれました。10まで数えてねって言われて、5くらいまで数えたらもう意識はありませんでした。」

気付いたら、下腹部が痛かったとTさんは顔をしかめながら話してくれました。麻酔が完全に切れるまで休憩所のようなところに寝かせられたと言います。同じように中絶手術をした人がTさん以外に4人いたそう。

19歳のある日、Tさんは生まれるはずの命を眠りにつかせたのです。

28歳で結婚、でも今度は妊娠できなくて…

その後上司とはうまくいかなくなり、転勤を期に別れを迎えたそうです。中絶ということがショックで、男性との交友関係は落ち着いたとTさんは話します。

「28歳になって、やっと落ち着ける相手を見つけました。結婚式をグアムで挙げて、大切だと思えるパートナーとの新生活を始めたんですが、今度は妊娠できなくて」

上司との間での妊娠には長い年月を要さなかったのですが、皮肉にも結婚して子供を授かりたいと思った今、妊娠することが出来ない。そして、ご主人に相談し、不妊の原因を調べることにしたそうです。

クラミジアという性病にかかっていることがわかりました。過去の異性との交遊の中で感染したんだと思います。主人にはまだうつっておらず、わたしだけ。何年も気付かずにクラミジアに感染し続けていたせいで、不妊の原因になっていると医師にいわれました」

ご主人には浮気を疑われたり、過去に乱れた異性交遊をしていたのかどうか疑われたり…不妊のせいでケンカになってしまったといいます。しかし、なんとかご主人の理解を得て、一緒に妊娠へ向けて治療を始めたそう。

「まず、性感染症を治すこと。それからホルモンバランスと生活習慣の見直しも図りました。排卵日を計算し、性行を行いました。それでもまだ妊娠することが出来ず、今は過去の自分を本当に悔やんでいます

今出来ることすべてをやっているにも関わらず、まだ命を授かることが出来ていないというTさん。妊娠へ向け、高度な不妊治療を始めるかどうか悩んでいるようです。

いつか子供に話したい

「いつか子供が産まれたら、命の大切さを話したいと思っています。そして、男の子でも女の子でも、簡単に命を作る行為をしてはいけないと伝えたい。19歳のわたしは、まだ子供で、ただ寂しさを紛らわせるために男性と関係を簡単に持ってしまっていました。」

命の尊さを、今になって学んだというTさん。失敗せずにそれを理解していれば…と、とても後悔していました。いつかお子さんが生まれたときには、自分の命はもちろん、いつか授かるかもしれない新しい命を大切にしてあげて欲しい…これがTさんの切なる願いです。

誰しも、間違いを犯したことがあるでしょう。しかし、それが時としてとりかえしのつかないことになってしまうことも。

「悔やんでも過去には戻れないので、これからを精一杯生きていく。そしていつか過去の行いが許されたとき、妊娠できるのかもしれないと思います」とTさんは力強く話してくれました。

いつかTさんの元へ、新たな命が託されますように。

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Spotlight編集部 コンテンツハートKIE このユーザーの他の記事を見る

代表を務めるのは元船舶料理士、フリーライターとして活動し6年目になるKIE。仕事、育児、家庭、家事…”なにも諦めない生き方”の実現を目指し、やる気に溢れたママさん達とライター集団を結成。心にそっと寄り添う、日常に彩りを添える記事の執筆を目指し活動しています。

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