知られざるママの実態や本音を紹介するコーナー「ママのホント。」

「お母さん、なんでいつもダラダラしてるの?」

子供の頃、お母さんのことがイヤだった時期がある。自分は昼寝をしてダラダラして過ごしているのに、わたしが帰ってきたら「勉強しろ」だとか「家のこと手伝って」と言ってくる。

わたしは高校受験で無事に、いや無難に地元の進学校に合格し、大好きなバレーボールを続けながら毎日忙しくしていた。勉強だってそこそこついていっていたし、バレー部でもスタメン起用が当たり前。毎日を一生懸命に生きているわたしから見たら、お母さんは怠けているようにみえた。

「お母さん、なんでいつもダラダラしてるの?」

確か高校3年の夏、バレーの地区予選が終わったころに無性にイライラしてお母さんに絡んだのを覚えている。

「ダラダラしてないし」

わたしの言葉に対して、お母さんはそれ以上何も言わなかった。

お母さんはわたしが中学校に入ったときから近所のコンビニでパートをしていたけど、勤務時間はほんの数時間だけ。“主婦ってヒマなんだな~”なんて思っていた。お父さんはわたしが起きる前に出勤して、わたしが夜に勉強しているときに帰ってくる。当時は、お母さんの自由な時間をお父さんに分けてあげて、お父さんを休ませてあげたいと本気で考えていた。

突然の妊娠、出産。母の大変さを思い知った

大学を卒業して、社会人として金融業界で働きはじめたわたし。英語も堪能になったし、海外に出張もした。そんな生活を送る自分に満足していた。しかし、お母さんのように堕落した生活を送らずに、バリバリと働いて一生過ごそうと思っていた矢先…

社会人3年目で、当時付き合っていた彼との間に子供ができた。避妊をしていなかったから、できてもおかしくはない状況だったけど、まさか本当に妊娠するとは思っていなくて混乱した。

「あんた、もう、自分ひとりの身じゃないんだよ。大事にしないと」

おめでとうじゃなくて、また指図か…。お母さんにはウンザリした。だけどフタを開けてみたら、妊娠は想像以上にキツくて仕事を続けることはできなかった。出産後の育児は寝るヒマもない。

「片付けくらい、ちゃんとしてよ」

家事さえままならなくて、夫に注意された日は、泣きたくなった。母親がどれだけ大変なのか思い知った。そして、今までお母さんに辛く当たってしまった自分を後悔した。

母の優しさに触れ…ソファで眠りに落ちた日

子供はとっても可愛いのだけれど、どうしても2人きりだと息が詰まることがあって息抜きをしたくなった。でも、保育園に空きがなくて、働けない。そんなとき、お母さんが言った。

「わたしが見ていてあげるから、パートでも出ればいい。しんどいけど、息抜きになるよ」

年齢もあって、パートを辞めようと思っていたとお母さんが話を切りだしてくれたのだ。保育園が空くまでは、娘の面倒を見てくれることになって、ありがたいことにわたしは働きに出ることになった。

久々の社会は大変。しんどくて、帰ってきてからの家事が本当につらかった。でもわたしのことをお構いなしに娘は泣く。抱っこしてと甘えてくる。気付いたらわたしは、リビングのソファで夕方にウトウト眠ってしまっていた。

母親として生きることは、こんなに大変だったんだ

今、もしも学生時代の自分に戻れるのなら、

「お母さん。ごめんね」

と謝りたい。お母さんの苦労や大変さを、当時のわたしは理解できていなかった。わかっていないくせに、目に見えた部分だけを勝手に解釈してしまってた。お母さんはダラダラなんかしていなかった。家事をこなし、お父さんやわたしを送り出したあとパートに出て、帰ったら夕食の準備、風呂の用意、後片付け…お母さんが休めるほんの一瞬が、あの昼寝だったのかと自分が母親になって気付いた。

娘が学生になって、当時のわたしのようになったらどうしようか…と悩む。きっとその時、その瞬間は、お母さんと同じように“娘が納得する答え”を話すことは出来ないんだろうなと思った。それでも、いつかきっと“母の大変さ”をわかってくれる日が来るはずだと思って、毎日前向きで一生懸命に、たまにウトウトしたっていいじゃないかと肩のチカラを抜いて、暮らしていこうと思っている。

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Spotlight編集部 コンテンツハートKIE このユーザーの他の記事を見る

代表を務めるのは元船舶料理士、フリーライターとして活動し6年目になるKIE。仕事、育児、家庭、家事…”なにも諦めない生き方”の実現を目指し、やる気に溢れたママさん達とライター集団を結成。心にそっと寄り添う、日常に彩りを添える記事の執筆を目指し活動しています。

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