緊急時にのみ要請するべき救急車。先日も、男児が悪戯電話をして嘘の通報をしたために、謝罪文を書いて謝った記事をご紹介しました。

人によって、その「緊急度合」は確かにそれぞれです。それでも、直ちに命に関わるような事態に陥ってる人を、まず優先しなければならないのが救急隊員の仕事。通報があれば、すぐに駆け付けられるように準備しておかなければなりません。

ところが、世の中には緊急時でもないのに救急車を利用しようとする人が少なくないようです。もっと呆れるのは、患者の下に一刻も早く駆けつけなければならない大切な救急車を盗む人がいること。しかもその盗んだ理由が驚きなのです。

「最終バスを見逃したから」

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このほど、米シンシナティのディーコネス病院からの診察が終わり、家路に帰ろうとしたリサ・カー(43歳)被告は、最終バスを見逃してしまったことに気付きました。ふと、救急車がエンジンをかけたままで停止しているのを見たカー被告は、救急車に乗り込みそのまま走らせたのです。

救急隊員は、患者をちょうど病院まで送り届けたところでした。そしてエンジンをかけたまま、患者を病院内へ搬送している間に、カー被告は救急車を盗むという何とも大胆な行動に出たのです。

患者を預けて戻ってくれば、そこにあったはずの救急車が影も形もなくなっている…。救急隊員は警察へ通報。そしてGPS機能のおかげで追跡することができました。

当然、カー被告は窃盗罪で逮捕。皮肉にも救急車を利用しておきながら、カー被告はちゃんと制限速度を守って家路に着いていた様子。それにしても、バスの代わりに救急車を使おうと思いつくのが驚きです。

ところが、驚くべき理由で救急車を盗む人はカー被告だけではありません。2014年にも米ミシガン州オークランド郡で、あり得ない理由で救急車を盗んだ男がいました。

「ストリップバーに行きたかったから」

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夜中近くに「救急車がない」という病院からの通報で警察が駆け付けてみると、どうやらこちらもちょうど患者を搬送し終わったところだったようで、病院の入り口に止めていた救急車はロックがされていませんでした。救急隊員の携帯電話を車内に残したまま、車が誰かに持ち去られてしまったのです。

警察のGPS追跡で、犯人の現在地を突き止めた警察官。逮捕された男に、救急車を盗んだ理由を尋ねたところ「ストリップバーに行ってポールダンスが見たかったんです」と答えたそう。

「いい加減なことを言うんじゃない!」

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あり得ないような男の答えに警官が「いい加減なことを言うな」と言っても、ただただ男は「いや、本当です。ストリップバーの近くは、どの交通機関も発達していないために救急車を盗みました」と言い張ったそうです。

尋問に協力的であったとはいえ、男は窃盗罪でもちろん逮捕。どちらにしてもポールダンスを見ることはできなかったのです。その後の調べで、このホームレスの男性は精神疾患を抱えていることが判明したそう。

「酔っ払って帰る手段がないから」

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こちらもまたまたアメリカですが、泥酔状態にあった男がカンザス州で「帰る手段がない」と酔っぱらったまま救急車を盗むというマヌケな事件が過去に起こっています。飲酒運転がいいわけがないというのは、もう酔っ払い過ぎるとわからないのでしょうか。

ノロノロと走っていたところを警察に発見され、カーチェイスまでした挙句、窃盗と飲酒運転で逮捕となりました。事故でも起こしていれば自分の盗んだ救急車で治療なんていうことになりシャレにもなりません。未然に防ぐことができて警察側もホッとしたことでしょう。

そして、筆者の住むイギリスにも「あり得ない」理由で救急車を呼んだ人が。

しかし、中には深刻な問題を背後に抱えている場合も…

ある方のツイッターへ投稿された写真には、「救急車呼んで」の声は無視してほしいとの依頼文が。日本でも、高齢者がタクシー代わりに救急車を呼びつけるという話はよくありますが、こちらの場合、背後にはもっと複雑な事情が隠れていたようです。

認知症の家族を抱えている方にとっては、認知症患者が救急車を呼ぶ行為に対して、それが「あり得ない」理由であっても、その裏には切実な問題があるのだということを認識させられます。もし、認知症患者が救急車を呼んでしまっても「なぜ呼んだのかわからない」というのが「理由」であれば、忙しい救急隊員も怒るに怒れないといった状況でしょう。

この一言にも考えさせられますね。

救急車を呼ぶ人の諸事情はあるものの…

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「救急車の中には、高額な医療機器や大切な薬などが収納されています」と憤る救急隊員。そう、救急車はまさに人の命を救うためのものなのです。救急車の数が足りないとどこの地域でも言われています。ということは、いたずらやこうした窃盗によって、ますます緊急時の出動に時間がかかってしまうということにもなりかねません。

日本では、アメリカのように「そこまで⁉」という事件は今まであまり聞かれませんが、ただ再度、救急車の意味を考える必要があるのではないでしょうか。ただでさえ激務に疲労困憊している救急隊員の手を少しでも煩わせることのないように、こうした犯罪は減って行ってほしいですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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