出典MAG2 NEWS

記事提供:まぐまぐニュース!

100円ショップと言えば、消耗品や食品などを買うところというイメージですよね。ところが最近一部の女性たちから絶大な支持を集め、右肩上がりの成長を続ける「Seria(以下、セリア)」はひと味違います。

無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者・青山烈士さんが、圧倒的な品揃えと、DIY好き女子という明確なターゲットに絞って勝負に出たセリアの戦略を読み解きます。

在庫管理の合理化

右肩上がりで成長を続ける100円ショップを分析します。

セリア(100円ショップ)

◆戦略分析

■戦場・競合

・戦場(顧客視点での自社の事業領域):100円ショップ
・競合(お客様の選択肢):ダイソー、キャンドゥーなどの100円ショップ、雑貨屋
・状況:100円ショップは年々増加傾向にあるようです。

■強み

1.手作り素材が充実している
 ・女性向けのDIY商品が充実

2.おしゃれな品揃え
 ・「お客様支持率」の高い商品を品揃え
 ・毎月、500点の新しい商品を入荷

3.安い
 ・おしゃれな雑貨が100円で買える

⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス

★独自の流通システム

・POS情報から、独自の分析手法により商品ごとの「お客様支持率」を算出し、店舗ごとに最適な品揃えを実現しています。最適な品揃えにより、必要以上の過剰発注による無駄を抑えることが可能となり、コスト削減を実現しています。

・独自の分析データをメーカーとの共同開発に活かし、明確なターゲットに向けてタイムリーな新商品開発を実現しています。

→上記のような「独自の流通システム」があるからこそ強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

・DIY女子
・手作り好きな女性

◆戦術分析

■売り物

・アイテム数は約1万8,000点。うち6,000点が1年で入れ替わる(毎月約500点を入れ替える

・全国約100~200社の協業メーカーとの共同開発品を多数そろえる
・手作り素材が充実
雑貨に特化(食品の取り扱いは、ごくわずか)

■売り値

・100円均一です

■売り方

・手作りレシピ
Seriaの商品を使った手作りレシピを紹介。→アクセサリー、インテリア、編み物、バッグ、文具、お菓子、ラッピング、服飾など

手作りコンテスト
Seriaの商品を使った手作りのオリジナル作品を広く募集し、優秀な作品には特典を贈呈しています。→特典はオリジナルの「オルゴール付ジュエリーボックス」や「ブックマーカー&レザーブックカバー」など

・科学工作チャレンジ
学研kidsnetとのコラボで、 Seriaの商品を使った手作り工作(夏休みの自由研究)

・書籍「SeriaではじめるDIY」を出版
Seriaの商品を使ったおしゃれなDIYのアイデアを紹介

■売り場

・ショッピングモールを中心に出店
・自然素材を活かした内装、グリーン、ブラウン、ホワイトを基調にした明るい店内
店内の約4分の1を占める手作りコーナー

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

まとめ(戦略ショートストーリー)

DIY女子(手作り好きな女性)をターゲットに「独自の流通システム」に支えられた「手作り素材が充実している」、「おしゃれな品揃え」という強みで差別化しています。

店内の約4分の1を手作りコーナーにして、手作り素材を充実させ、手作りレシピや手作りコンテストなど、手作りを徹底的に訴求することで顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

「在庫管理の合理化」

「毎月、500点の新しい商品を投入」という言葉にすると聞き流されてしまうかもしれませんが、実はすごい数字です。単純計算で週に100アイテムを投入することになります。

当たり前ですが、100アイテムを店に並べるためには、スペースが必要となります。そして、そのスペースを空けるためには、元々あった商品を動かす必要があるわけです。

普通に考えると、新しい商品のために、もともとあった商品をバックヤードに動かして、空いたスペースに新商品を置くということもできそうです。

しかし、一時的にはできるかもしれませんが、毎週、同じことをしていたらバックヤードが在庫の山になってしまいます。

実は、これはよくあることだったりします。

私もかつて100円ショップに関わっていたことがありまして、店舗側の発注ミスや本部側の予測ミスによって、売れない商品の在庫でバックヤードが埋まっているという状況はよく見ましたし、

複数の店舗から集められた売れない商品の在庫の山を見て愕然としたことを覚えています。

コンビニでは売れないものは、メーカーに返品を行いますので、在庫の山というのは、起こりにくいと思いますが、

100円ショップの場合、返品をしないという約束のもと、仕入れ値を下げたりしていますので、商品が売れなかった場合の損失は自社で被らなければならないことになります。

売れない商品(在庫)はお金を生まないわけですから仕入れに使ったお金が無駄になる(お金の流れが止まる)ので、資金繰りの悪化にもつながります。だからこそ、セリアは「在庫管理の合理化」に力を入れているわけです。

独自の流通システムに支えられた「在庫管理の合理化」によって、必要以上の過剰発注による無駄を抑え、いわゆる不良在庫を発生させないことを仕組み化しています。

逆に言うと「在庫管理の合理化」なくしては月に500アイテムのリリースは非常に困難と言えます。なぜなら、在庫管理がおろそかだと、先ほどご説明したように、売れない商品の在庫の山ができてしまうためです。

「確実に売れる品揃え」とは、まさに言うは易く行うは難しですが、これにチャレンジしているセリアの今後がとても楽しみです。

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