罰金刑

雨の日に盲導犬(エルモ)を連れたオラ・ダーシャンさん(盲目の女性)に対して、タクシーの乗車拒否をして、運転手が法律を犯したとして、エルサレム下級裁判所は、2016年8月11日(木)に罰金刑の判決を下しました。

出典 http://www.ynetnews.com

オラ・ダーシャンさんと盲導犬のエルモ

盲導犬の乗車拒否は法律違反

盲導犬を乗車させると新しい車内にダメージを受けるとして乗車拒否したことは、明らかに法律違反に値するとして、タクシー運転手に10,000シェケル(約26万円)の罰金とダーシャンさんが費やした裁判費用を負担するように命令を下しました。罰金が安くなったのは、運転手が既にダーシャンさんに謝罪していることが考慮されました。

予め盲導犬を連れて乗車することをタクシー会社に伝えていた

その出来事は、2012年冬に起きました。その日、ダーシャンさんは、2歳の息子を小児科に連れて行かなければなりませんでした。外は冷たい雨が降っており、ダーシャンさんは電話でタクシーを呼びました。その際に、彼女が盲目であること、盲導犬を連れていることをはっきりと伝えていました。

「新車なので犬は乗せられない」と拒否

ダーシャンさんは、2歳の息子とエルモを連れて外に出てタクシーが到着するのを待ちました。その時、ダーシャンさんの母親と友人も付き添っていました。

タクシーが到着したので先にエルモを友人が乗せようとした時、運転手が「車が新しいので犬は乗せられない、すみません。」と謝ってきたのです。友人が‘盲導犬の乗車拒否は違法である‘と運転手を説得したのですが、運転手は聞く耳を持ちませんでした。

盲導犬は盲目者の目

「私は彼(運転手)に対して非常に腹が立ちました。新車だから犬が乗ると汚れると言って、この冷たい雨の中、幼児を抱えた盲目の女性の乗車拒否して走り去るなんてことは考えられません。」とダーシャンさん。

「私は彼にちゃんと学んでもらおうと決意して裁判を起こしました。盲導犬は盲目の人にとって目なのです。それをいかなる理由があろうとも拒否することは許されることではありません。」

平等の権利を侵してはならない

ダーシャンさんが裁判を起こしてから2年も時間がかかりましたが、ダーシャンさんの言い分が認められ、乗車拒否した運転手に対しては、”障害者に対する差別をした”と言う理由で罰金刑という判決が下されました。

裁判官は判決を下すときに「盲目者に対して盲導犬を連れていることでサービスの提供を拒否することは、あってはならないことです。市民にサービスを提供している事業主たちはすべての人たちに対して平等にそのサービスを提供する義務があり、今回のような差別があってはならないのです。」としている。

日本でも同じケースで行政処分

日本でも石川県の金沢市で、今年(2016)3月3日に、男性が盲導犬を連れて乗ろうとした際、60代の男性運転手が「車内が汚れる」と乗車拒否して、問題となりました。これは道路運送法の運送引き受け義務違反に当たるとして、タクシー会社に対して行政処分の命令を下したニュースは、記憶に新しいところです。

日本での事業主たちの盲導犬への理解の薄さ

日本盲導犬協会が盲導犬ユーザー220人を対象に調査したところ、店や施設で入場を断られた際に盲導犬に対して説明をし理解を求めたにも関わらず、受け入れがされなかった事例が過去11年間で257件あったということです。ですがこの件数は報告されたほんの一部であり、実際に断られたケースはこの数倍に及ぶと考えられています。

日本では約1,000頭の盲導犬が活躍しているそうです。その4分の1にも満たない数の調査だったので、実際の数字は想像を絶することになるだろうということでした。

『障害者差別解消法』の施行

2016年4月には、障害者差別解消法が施行され、その中においても盲導犬同伴での入場・入店を拒否することは不当な差別にあたるとしています。

出典 https://www.moudouken.net

「盲導犬と一緒に行動する1人の市民を拒否しない社会」をめざして

最後に

日本は米国などに比べ、障害者に対する配慮がまだまだであると筆者は前々から感じていました。例えば、今回のような盲導犬に対する差別に限らず、レストランなどの公共施設での障害者用のトイレがある施設が少ないこと。入り口が車いす対応になっていない場所が多いことなど、明らかに米国での障害者への配慮に比べるとかなり劣っています。

筆者の幼馴染は、障害者の息子を抱えています。息子さんは車いすでの移動です。車いすでの移動は日本は本当に不便だとこぼしています。

事業者だけでなく、一般人にしても、障害者に対する配慮が日本人は薄すぎです。例えば、スーパーや郵便局の駐車場は、ただでさえ日本は障害者用駐車スペースが少ないのにその貴重な駐車スペースに健常者が平気で駐車している光景を頻繁に見かけます。

また、事業者が車いす専用駐車スペースを作っていたとしても、車いすをおろすスペースが確保されていない場合もあったり、そのスペース(障害者用駐車スペースの隣の車線部分)に平気で健常者が駐車したりしていて、せっかくスペースが確保されていても、心無い人たちによって塞がれているのをよく見かけます。

残念ながら、日本は‘譲らない精神‘を持った人がとても多い国であると筆者は感じております。自分の身に置き換えて考えてみれば、それがどういうことか理解できるのではないでしょうか?

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
日本生まれですが、米国に30年間住んでいた米国籍のライターです。2014年に家族で日本に移住してきました。どうぞよろしくお願いします。

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