ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

暑い夏こそ食べたくなるアイスといえば、赤城乳業の「ガリガリ君」。今年の夏は、定番の「ソーダ」に加えて、「スイカ」や「梨」といった季節を感じさせるフレーバーも店頭に並んでいるので、どの味を手に取ろうか、つい迷ってしまう人も多いのでは。

ガリガリ君の変わったフレーバー、覚えてる?

ところで、2012年から2014年にかけて、ガリガリ君に一風変わったフレーバーが登場したのを覚えている方も多いのではないでしょうか。そう、それは、「コーンポタージュ味(2012年発売)」「クレアおばさんのシチュー味(2013年発売)」「ナポリタン味(2014年発売)」の3種類。当時、インターネット上でも大きな話題を呼びました。

どうして、変わった味のガリガリ君を作ったんだろう?

アイスなのにコーンポタージュ味や、シチュー味とは、正直なところギョッとしてしまうのも事実。いかにして、このような味が世に送り出されることになったのか、発売の経緯が気になるところです。また、実際に発売されることになった味以外にも、もしかしたら日の目を見ることがなかった「ボツ味」もあったのかもしれません。

そこで今回は、そういったガリガリ君開発の裏話を、「コーンポタージュ味」の生みの親でもある、赤城乳業株式会社 マーケティング部の岡本秀幸さんに伺ってみました。

ボツになった味は料理ですらなかった

ーーガリガリ君にはさまざまな変わったフレーバーが生み出されていますが、その陰で、「ボツになった味」もあると思います。具体的にはどんな味がありましたか?

じつは2000年ぐらいに、塩味』を出そうとしていました。また、ナポリタン味の次はダシ味』を発売する企画もありました」

ーー「塩」と「ダシ」ですか!?ナポリタンとは別ベクトルでわけがわかりません。

「そう見えるかもしれませんね。ただ、『ダシ味』のほうは、西と東といった地域によって汁物の味が違うことから、各地方の『ダシ味』を売り出そうと考えていたんですよ」

夏に冷たいみそ汁を飲む感覚で食べられるようなアイスをイメージしていたそうです。まるでカップ麺の開発秘話のようにダシ味のコンセプトを語る岡本さん。うっかり忘れそうになりますが、これはガリガリ君の話です。ちなみに一方の「塩味」は、当時、塩ラーメンが流行っていたことから企画されたそうです。

ーーでは、「塩味」「ダシ味」はもう商品化しないんですか? 

「お客様の声があれば検討はしていきたいところなんですが、ナポリタン味がうまくいかなかった影響が大きいので…(笑)」

ーーそうなんですか!? ナポリタン味も大きな話題になっていましたが…。

「じつはナポリタン味は、3億円の赤字になりまして…。その影響もあって、挑戦的なフレーバーを出すにしても、ちょっとしばらくはできないな、という感じです」

こころなしか先ほどより顔を曇らせて話す岡本さん。あのナポリタン味がそんな大きな赤字になっていたとは…。そもそもナポリタン味を発売する時点で誰か止める人がいなかったんでしょうか?ということで発売された変わり種フレーバーの開発秘話についても聞いてみました。

「コーンポタージュ味」の生みの親に聞いた「変わったフレーバー」誕生秘話

ーそもそもなぜ、変わった味のガリガリ君を作ることになったのですか?

「近年、ガリガリ君はたくさんのお客様に愛されるようになってきたので『チャレンジ』ができない状態でした。新しい味を発売して、人気が出て、売り切れてしまって、商品の安定供給ができなくなることを懸念していたんです。ですから、ある程度売れる数量が予想できる定番の味を中心に展開していました。

そんなとき、お客様から『ガリガリ君には、遊び心とか、面白い商品を期待しているんですよ』というご意見をいただいたんです。そこで、お客様の期待に応えるために、変わった味にチャレンジしてみようということになりました」

ーーガリガリ君の変わった味は、お客様の声から生み出されたのですね。ただ、そうは言っても、「コンポタ」「ナポリタン」といった味はチャレンジしすぎのような気も…。新フレーバーは社内でどのようにして決めていくのでしょうか?

「ガリガリ君の新商品は、2ヶ月に1回発売しています。通常は、4〜5つのチームに分かれて、発売の半年前くらいから、新商品の企画を決めていきます。試供品も作って実際に食べてみて、経営会議で決定されたものが商品化が決定します」

となると「コーンポタージュ味」「ナポリタン味」もれっきとした経営会議をくぐり抜けてきたわけです。どうして経営陣はこんな突飛な味にOKを出したのか、さらに聞いてみました。

「コーンポタージュ味」「ナポリタン味」商品化の経緯を聞いてみた

ーー「コーンポタージュ味」が商品化した経緯を教えてください。

「お客様が『ガリガリ君に求めているもの』は何なんだろうと考えたとき、ガリガリ君は、夜に一人でご褒美のように食べるアイスではなく、複数人でワイワイ食べるアイスなんだ、という考えに行きつきました。

次に、『どんな場所でみんなで食べるんだろう』と深堀りしていったときに、『駄菓子屋』が思い浮かびました。そこで、駄菓子屋の調査をしたのですが、売れているお菓子は『コーンポタージュ味』が多いということがわかりました」

ガリガリ君リッチ コーンポタージュ

ーー確かに、「コーンポタージュ」という名前のスナック菓子は存在しますし、あの「うまい棒」にもコンポタ味は存在します。コンポタ味は、アイスとしては変わった味ですが、駄菓子としては定番の味といえますね。

「ほかにもコーンポタージュ味を作った理由はあります。テレビのお笑い芸人さんたちのゲームで、ジャンケンで負けたらジュースを買ってくるというものがあるんですが、夏場にも関わらず、アツアツのコーンポタージュを買ってきて、みんなで飲んで、『熱い。なんだこれ!でも、うまいな』と言い合うシーンがあったんです。

本来、冬に食べるような熱いものを、冷たくして夏に食べるのは面白みがありますし、コーンポタージュ味は嫌いな人がいない万人受けする味ということもあり、作ってみようという話になりました。」

味にもしっかりこだわり、厳選した材料を使用。そのかいあってかコーンポタージュ味は発売後3日で欠品に。「食べたかった」というお客様の多くの声に応えて、半年後には再販されました。

「ナポリタン味」の影響はやはりデカかった!?

ガリガリ君リッチ ナポリタン味

ーーでは、先ほど「うまくいかなかった」とお話していた、「ナポリタン味」はどうですか?

「ナポリタン味は、トマトだけではナポリタンらしくならないので、うまみ成分を入れたりとか、パスタの食感を出すために中にトマトゼリーを入れたりとか、そういった工夫はしていたのですが…、ちょっと方向性を間違えてしまったのかもしれません

コーンポタージュ味は変わり種ではあるものの「アイスとしておいしい」ものでした。しかし、ナポリタン味は、本物のスパゲッティナポリタンをアイスで忠実に再現しようとしてしまったのだとか。ピーマンの風味まで忠実に再現しすぎてしまった結果、リアルすぎてお客様には受け入れられなかったようです。

このような失敗はあったものの、「お客様の声で変わった味も検討していきたい」と締めくくった岡本さん。変わったフレーバーのガリガリ君を待ち望んでいる読者の方は、赤城乳業さんにリクエストを送ってみるといいかもしれません。そして、変わった味でなくても、手頃でおいしいのがガリガリ君のいいところ。定番商品を食べながら、今後の商品展開に期待しましょう!

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