記事提供:ダ・ヴィンチニュース

どんなに気の合う相手でも男と女の間には理解しがたいことがある。マニアックな男性の収集癖に呆れたり、ダラダラと長い女性のおしゃべりにうんざりしたり、そんな経験をしたことがある人は多いのではないだろうか。

なかなか分かり合えない男と女の謎を解き明かしてくれるのは、バラエティー番組でコメンテーターとして活躍する生物学者・池田清彦氏だ。

オトコとオンナの生物学』(池田清彦/PHP研究所)は様々な生物の生態や自らのエピソードを交えて生物学的なオスとメス、人間の男と女の性質について親しみやすい言葉で解説してくれる。

本書によるとオスと男は似ているが、メスと女はかなり違うのだという。

男の収集癖、女のおしゃべりの理由は脳梁の大きさ

男女の考え方の違いは脳の差が関係しているという。論理を司る左脳と感情を司る右脳の橋渡しをしている「脳梁」という部分は女性の方が男性より大きくて密だ。

そのため女性は情報が左右の脳を行き来しやすく脳全体で物を考え、男性の脳は一部だけが活性化しやすく、物事を突き詰めて考える性質を持っているのだという。

そのため男性はひとつのものに興味が向かうとマニアックな収集に突っ走る。論理的な考え方をしている時は感情があまり入り込まないため、男性は理屈っぽく鈍感になるのだという。

逆に女性の脳は論理と感情を織り交ぜて物事を考えるので察しはいいが、思考が散らばってしまいダラダラと要領の得ない話をするのだという。

相反する戦略を持ったオスとメス

哺乳類はオスとメスの両方がいないと子孫が残せない。しかし、互いに目的は同じでもその戦略は背反している。

メスは産むことができる子供の数が限られているので、優秀な遺伝子を求めてオスを選り好みする。反対にオスは膨大な精子を持っているから、多くの遺伝子を残そうとたくさんのメスと交配しようとする。

ヒトもまたこの戦略の背反から逃れられない。それゆえに男は自分がいかに優れているか、子供に優しいかをアピールしながらも隠れて浮気をし、女は用心深く男の本気度を試し、高価なプレゼントを要求するのだという。

本心を見破られないためヒトが言葉を使って嘘をつくのもこの背反に起因しているのではないかと著者は述べている。

この他にも、なぜ男性の体が大きいのか、なぜ女性の方が長生きなのかといった素朴な疑問や、ヒトはなぜイジメをするのか、戦争をするのかなど社会のさまざまな問題についても人類の進化の歴史をもとに解説する。

また著者は、テクノロジーの進歩や倫理観の変化によって未来には男女の差が希薄になるのではないかと予想している。

家族や恋人だけでなく、望むと望まざるとに拘わらず現代の社会で生活する私たち人間は職場や学校などで異性と関わることは避けられない。

分かり合えないことを嘆くより、本書を読んで男と女の性質を知れば、円滑な関係を築く秘訣や、上手く利用して賢く立ち回るヒントが見つかるかもしれない。

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