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中国で9月から「禁韓令」が施行か―。連日、こんな話題で持ちきりとなっている韓国。実際、中国国内で韓流締め出しの動きがあるのは事実のようです。

メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』ではこれを「韓国が米国と同意した自国へのTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)配備に対する中国による恫喝の一環」とし韓国の窮状を紹介するとともに、習近平政権の苦しい立場についても言及しています。

【中韓】中国「禁韓令」で韓流ブームはついに消滅

中国、THAAD配備の韓国に報復か「韓流」見直しを

今年の7月8日に米国と韓国が合意したTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)の韓国への配備について、中国が韓国に対して非難とさまざまな嫌がらせを繰り返していることは、これまでのメルマガでもお伝えしてきました。

中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)において、韓国人副総裁が就任4カ月後に突然休職・辞任を余儀なくされ、韓国がそのポストを失ったことも、中国からの圧力だったと言われていますが、

今度は人民日報系の環球時報が8月10日に「THAADの配備決定を受けて、韓流が中国市場に溢れている現状を見直す機会にすべきだ」という社説を掲載しました。

もともとTHAAD配備決定後から、韓流芸能人の中国でのファンミーティングや公演などの中止が相次ぎ、中国側の嫌がらせではないかという噂が出ていました。

香港紙のリンゴ日報も、8月1日に中韓の芸能関係者の話として「中国当局が韓国の芸能人をテレビ出演させないように指示した」という記事を掲載、韓国の芸能事務所の株価が大きく落ち込む事態になっていました。

THAAD報復 中国「韓流禁止」?韓国の芸能事務所 株価下落など影響

韓国の芸能事務所は「中国での活動に変わりはない」などと打ち消しに必死になる一方で、中国メディアの自主規制ではないかという声もあったわけですが、中国のネット上では、9月1日から「禁韓令(韓流禁止令)」が施行されるとも噂され、締め出しの対象となる韓流ドラマ53作品、韓流タレント42人のリストまで出回っていました。

「韓流禁止令」が来月から本格スタート?「締め出しリスト」にドラマ53作品、人気韓流タレント42人―中国

ジリ貧の韓流、頼みは中国大陸だけなのだが…

中国メディアの単なる自主規制か、政府の指示なのかが判然としていませんでしたが、環球時報が「韓流見直し」を社説で書いたということは、政府の意向であることがはっきりしたわけであり、この社説は韓国に対する明らかな恫喝でもあるわけです。

中国での「禁韓令」については台湾でも話題になっており、台湾の中国時報は、中国でブレークした歌手の姿がバラエティ番組から完全にカットされていることを紹介しています。

「韓流締め出し」の影響か?中国でブレークした男性歌手、テレビ番組から完全消滅―台湾メディア

韓国では連日この話題で持ちきりのようで、「3万人規模のコンサート出演がキャンセルになった」「撮り終えた中韓合作ドラマの韓流スター出演分の全削除は避けられない」といった悲鳴に似た報道が相次いでいます。

<THAAD後遺症>中国、韓流もブレーキかかるか…「延期、中止、降板」(1)

かつて台湾でもTHAADの配備が検討されたときに中国が恫喝してきたことがありましたが、今回の韓国への対応とほぼ同じ手口で、台湾でも「韓国の台湾化」だという読みも多いのです。

あとはいつ「韓国は中国の絶対不可分の一部」という主張が飛び出すだろうかとも語られています。

それはともかく、一時は日本をはじめ、台湾や各国で流行した韓流ですが、現在ではすっかり下火であり、頼みは中国大陸だけという状況です。

しかしそれも今回のことで風前の灯火です。重厚長大産業からハイテク産業まで落ち込みの激しい韓国経済は、さらなる危機に追い込まれそうです。

韓国経済は5割近い輸出依存度で外需頼みであることはよく知られていますが、韓流もまさしくその典型であり、海外での展開が生命線となっています。

現在の韓流は、もともと「第二の国辱」といわれるアジア通貨危機でIMFの管理下にあった韓国で、金大中大統領が国策として文化産業の発展を推進したことに始まります。

日本で『冬のソナタ』が放送されて人気を博し、それが台湾や香港などに伝播していったのが2004~2005年ごろです。

韓流がブームになった理由として、破格の放映権料だったため、各国のテレビ局が飛びつき、何度も繰り返し放送されるうちに火がついたという理由がよく見られます。

中国への忠誠度をテストする習近平の「苦しい立場」とは

ただし韓流の歴史ドラマはあまりに史実を無視して自国史を美化した嘘の内容が多いため、現在では「外華内貧の象徴となっています。

私の近年の体験では、ヨーロッパの大空港にはたいてい韓国のパンフレットが氾濫し、ルーマニアの地方都市のホテルでは早朝6時から韓流ドラマが流されていました。

そこでホテルのマネージャーに確認すると「誰も見ていないよ」と言われました。マンネリズムのため、飽きられてしまったそうです。

それでも韓国政府が大金をかけて韓流の宣伝を続けているのは、さまざまな「利権」が絡んでいるからとも言われています。

いずれにせよ、中国で「禁韓令」が9月から施行されれば、韓国芸能界が大きなダメージを受けることは間違いありません。

今年の1月には、韓国アイドルグループの一員である台湾人女性が、台湾の国旗である青天白日満地紅旗を振ったということで、中国での活動休止に追い込まれて、涙ながらに謝罪するという「事件」がありました。

しかしちょうど台湾総統選の時期であったため、台湾でその映像が繰り返し流されたことで台湾人のアイデンティティに火をつけ、台湾独立派の民進党が躍進、蔡英文総統の誕生に寄与しました。

台湾人少女に謝罪を強要。中国が致命的な墓穴を掘った台湾総統選

中国が各国に恫喝して踏ませる「南シナ海」と書かれた踏み絵

韓国芸能人については、オランダ・ハーグの仲裁裁判所で「中国に南シナ海の支配権なし」という判決が出て以降、各国で「南シナ海はどこの国に属すると思うか、立場をはっきりせよ」という踏み絵を踏まされている状態だと報じられています。

韓経:心境複雑な韓流スター…各国ファン「南シナ海関連の立場明らかにせよ」

こうした芸能人に対する中国からの圧力は、台湾や香港でも高まっています。とくに習近平政権からはそれが顕著で、習近平の言論統制の一環として、「中国への忠誠度をテストするようなことが多々起きています。

逆に言えば習近平の苦しい立場を表しています。中国製の映画や芸能は世界的に人気も影響力もほとんどなく、ソフトパワーに欠けているため、中国以外の芸能人を広告塔あるいは人質として使わざるをえないのです。

韓国へのTHAAD配備は明らかに習近平政権の失策です。その他、南シナ海問題に関するオランダの仲裁裁判所の判決、さらに海外では中国の投資プロジェクトが次々と失敗に終わっています

習近平政権で他国芸能人への「思想チェック」が強化されているということは、それだけ習の権力基盤が弱いということの表れでもあるのです。

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