記事提供:conobie

日本で長く歌い続けられている童謡「ぞうさん」。自分が子どもの頃は両親と、今は親として子どもと一緒に歌っているという方、たくさんいるのではないでしょうか。

そんな童話「ぞうさん」には隠された本当の意味があることを、みなさん知っていましたか?

懐かしい、童謡「ぞうさん」

皆さん、童謡「ぞうさん」の詩をご存じですか?

ぞうさん ぞうさん

おはなが ながいのね

そうよ

かあさんも ながいのよ


そしてこのように詩は続きます。

ぞうさん ぞうさん

だあれが すきなの

あのね

かあさんが すきなのよ


(出典:童話屋「くまさん」)

童謡「ぞうさん」は、1948年に詩人、まど・みちおさんによって書かれ、1953年作曲家・團伊玖磨(だんいくま)さんが曲をつけ生まれました。長い間親しみを持って多くの方に歌い続けられ、現在でも保育園や幼稚園では必ず歌われる童謡のひとつです。

「お母さんのことを好きと言っているはなが長いぞうさん」のうた。なんだかほっこりするかわいらしい曲だと印象を持って歌っている方が多いと思いますが、実は作者まど・みちおさんはある想いを持って、この詩を書いていたのです。

「ぞうさん」の本当の意味

1988年に出版された「まど・みちお―詩と童謡」の中で、まどさんは童謡ぞうさんに対してこのような想いがあると語っています。

「この地球上の動物はみんな鼻は長くないのです。そういう状況の中で『おまえは鼻が長いね』と言われたとしたら、それは『お前は不具だね』と言われたように受け取るのが普通だと思います。

しかるにこのゾウは、いかにも嬉しそうに『そうよ、母さんも長いのよ』と答えます。

長いねと言ってくれたのが嬉しくてたまらないかのように、褒められたかのように、自分も長いだけでなく自分の一番大好きなこの世で一番尊敬しているお母さんも長いのよと、誇らしげに答えます。

このゾウがこのように答えることができたのはなぜかといえば、それはこの象がかねがねゾウとして生かされていることを素晴らしいことだと思い幸せに思い有難がっているからです。誇りに思っているからです。(中略)

ゾウに限りません。けものでも虫でも魚でも鳥でも、いいえ草でも木でも数かぎりない生き物がみんな夫々の個性を持たされて生かされていることは、何物にもかえられない素晴らしいことです。

もちろんその中の一員として、人間が人間として生かされているのは本当に素晴らしいことです。」

出典 http://kamogawa-gijyuku.jp

つまり、まどさんがおっしゃっているのはこんな状況です。

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あるところに、一頭の子ぞうがいました。その子ぞうは、他の動物たちみんなが持っていない長いはなを持っていました。そんな小ぞうに他の動物たちは、からかいながらこんなことを言います。

「ぞうさん、お前のはなって長いよなぁ!」しかし、子ぞうは嬉しそうにこう答えたのです。

「そうだよ。僕のはなは長いよ!そして僕の母さんも長い。そんなお母さんのことが僕は大好きなんだ!!」

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周りからどう思われるかではなく、自分がどう思っているかを大切にしているぞうさん。自分のありのままを受け入れ誇りに思っているぞうさんのように生きていきたいと思わせてくれます。

「ぞうさん」が教えてくれたこと

私は保育士という仕事柄、本当に多くの子どもたちに出会ってきました。

いつもにこにこ笑顔な子、泣き虫な子、怒りんぼな子。部屋の中でお絵かきするのが好きな子、外で走りまわるのが好きな子。ありがとうを素直に言える子、大好きという気持ちを体いっぱいで表現してくれる子。

子どもたちは、本当にそれぞれたくさんの「らしさ」を持っています。

子どもたちが、その「らしさ」や「個性」を大切に生きていけるかどうかは、まず周りにいる大人が自分たちの「らしさ」や「個性」を大切にすること、そして子どもたちのそれも心から認め、愛してあげることから始まると思います。

それぞれが違うから、お互いに惹かれあったり、愛おしいと感じあうという当たり前のことに再度目を向けていきたいですよね。そして、子どもにはこのような言葉を送り続けたいと思っています。

「そのままのあなたがとってもすてき。あなたはあなたのままでいてね。」

詩人まど・みちおさんが伝えたいこと

誰もが聞いたことあるこれらの童謡も、まどさんが書いたものです。

・やぎさんゆうびん

・おにぎりころりん

・いちねんせいになったら

・ふしぎなポケット

ぞうさんもそうですが、特徴的なのは「すべてのものが、そのものの“ありのまま”が愛溢れる表現で書き表されている」ということ。

童謡集「くまさん」のあとがきには、こんなことが書かれていました。


“まどさんはくりかえしうたいます。「この世界(宇宙)にあるべきすべてのものは[あるがまま]に存在し、[自分が自分であることの喜び]に満ち溢れている」…と。まどさんから見れば、ぞうさんもくまさんも、キリンもアリも、また、つけもののおもしや、空も木も、みんな「自分に生まれてきたこと」を喜んでいるのです。”

(出典:童謡社「くまさん」)

皆さんは今、「自分に生まれてきたこと」を喜んでいますか?

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