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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
8月11日(木)放送の『奇跡体験!アンビリバボー』にて、2009年7月16日に発生した北海道・トムラウシ山遭難事故が特集されていました。
夏場の登山客を襲ったこの遭難事故の恐ろしいところは、夏場にも関わらず犠牲者のほとんどが「低体温症」による「凍死」で亡くなった事実でしょう。

そこで今回は夏でも起こりうる「低体温症」の恐ろしさ、対策について、医師に解説をしていただきました。

「低体温症」の原因と症状

低体温とは、身体の深い部分の体温(深部体温といいます)が35℃以下になって、身体のあちこちの機能に深刻な影響を及ぼすものをいいます。

冬山で遭難したり、海で漂流したり、あるいは冬場の自然災害などによって低い温度にさらされることによって起こる「偶発性低体温症」と、何らかの病気の合併症として起こる「二次性低体温症」に分類されます。
冬場でなくとも、夏山の雨風、標高差によって起きる気温差で低体温症を発症するケースがあります。

低体温症によって起こる症状は、その深部体温によって大まかに次のように分類されます。

35℃
震えが強く、呼吸量や呼吸数が増える。無関心な状態となる

30℃

呼びかけに反応せず、心室性の不整脈が現れる。筋肉が硬直し、震えが減ってくる。呼吸が減ってくる。

25℃

痛みに反応せず、心室細動などを起こす可能性が出てくる。

20℃

脳波がなくなり心室細動がおこる。無呼吸となる。

15℃

心停止となる。

重症の低体温症に至ると、致死性の不整脈が出たり、呼吸が止まったりして死に至る場合があります。

夏山でも気をつけたい登山中の「低体温症」対策

十分な睡眠休息

体力がない状態、疲労した状態ではうまく体温調節機能が働きにくかったり、判断力に問題が生じることもありますので、しっかり休養をとってベストな状態で出かけるようにしましょう。

防水・防寒対策

水にぬれた状態は著しく身体から熱を奪いますから、防水対策は非常に重要です。また、保温性の高い、環境に適した衣類を身に着けることも非常に大切なことです。

カロリー摂取量

熱をきちんと産生するため、アウトドアでは普段より多めのカロリーを摂取するようにし、もしもの場合に備えて携行食も必ず準備するようにしましょう。

「低体温症」は夏・山中以外でもあり得る!

冬場や登山中でなくとも、濡れた衣服から気化した熱による体温の低下、泥酔状態による屋外での睡眠など、夏場、街中でも低体温症になる可能性は十分にあります。

他にも海やプールなど水中においては、空気中より体温が25倍も速く低下するといわれています。

まず、低体温症が疑われる場合には、水中の場合は早く水から引き揚げること、患者に乾いた温かい衣類を着替えさせることが救命につながります。

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医師からのアドバイス

低体温症は、意外と身近で、冬場の登山や海難事故でなくとも時々病院に運ばれてくることのあるものです。

酔っぱらって外で寝てしまった、お年寄りが暖房をきちんと使用せずに寒いところ生活していたといった場合に発症するケースがありますので、十分注意しましょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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