記事提供:長谷川豊 公式ブログ

リオオリンピックが大変なメダルラッシュということでマスメディア各局は大喜びです。

テレビは軒並み高視聴率。ネットニュースのアクセス数も好推移し、関係者たちはホクホクなのだとか。

そんな中、体操の内村選手への下記インタビューに対して、大きなバッシングが起こっています。

内村2連覇 垣間見えた頂点を争った2人の友情 ベルニャエフ「無駄な質問だ」(デイリースポーツ)

大人気の内村航平選手は体操個人で6種目合計92.365点。44年ぶり史上4人目の連覇を達成し、2位は0.099点差でオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)だったのですけれど、そもそも「世界大会」という視点で見れば、内村選手はなんと8連覇(←驚)!

海外のメディアから、

「あなたは審判に好かれているんじゃないですか?」

という質問が飛んだので、さぁ大変(笑)。

当の内村選手は淡々と、

「まったくそんなことは思ってない。みなさん公平にジャッジをしてもらっている」

と答えたのですが、2位となったベルニャエフ選手が、

「審判も個人のフィーリングは持っているだろうが、スコアに対してはフェアで神聖なもの。航平さんはキャリアの中でいつも高い得点をとっている。それは無駄な質問だ」

「航平さんを一生懸命追っているが簡単じゃない。この伝説の人間と一緒に競い合えていることが嬉しい。世界で1番クールな人間だよ」

と称賛したと思えば、3位の銅メダルとなったウィットロック選手まで

「大変素晴らしい。彼は皆のお手本です。今日の最後の鉄棒は言葉がない。クレイジーとしかいえない」

と声をそろえ、会見場の内村選手はさすがにちょっと気恥ずかしそうにはにかんでいました。

で、日本の…特にネット上ではこの海外メディアの発した質問に対して、

「失礼だろ!」

「どこの記者だよ!」

「安定のマスゴミ!」

とかなり怒りモードの声が続出しています。

う~ん…。

これに関しては…。

世界のメディアの質問姿勢を考えると…当然と言うか「普通の質問」かなぁ…というのが私の正直な感想です。

はっきり言って、採点競技において「世界大会8連覇」ってものすごい結果です。

ここまでの実績になると…この質問は世界的には…アリだと思います。と、言うか…日本のマスコミの質問が、あまりにもぬるま湯過ぎるのだと思います。

メディアは別に取材対象者と「なれ合い」の関係ではありません。聞いていてイヤな気分になる質問も時としてはしなければいけないのが記者の皆さんの仕事です。

それをしないのは霞が関や永田町にいる記者クラブの「番記者」だけです。普通、あんなにぬるい質問しません。

皆さんも記憶に新しいでしょ?舛添さんの時に都政記者クラブの皆さんのしていた「ぬるすぎる質問」の数々。あれの方が世界のマスメディアではありえない質問です。

私もニューヨーク駐在中に他国のメディアの質問の鋭さを目の当たりにしましたが、世界のメディアはかなりのところまで質問してきます。

当事者たちはそれに対して「反論するチャンスを与えられている」と考えているので、イヤな顔もせずに答えていきます。

よく考えてください。

皆さんは「マスゴミが!」と口汚く罵りますが、どこの国の記者の質問かは分かりませんが、彼の質問によって、

・内村選手は反論の機会を得て
・2位、3位の選手がどれだけ内村航平という選手をリスペクトしていて
・彼らの受け答えから、彼ら3人の競技以外の側面・人間関係まで垣間見えた

気はしませんか?

それらを引き出したのが、かの質問です。われわれメディアの役割って、そもそもそういうものです。

別に、視聴者の方々に好かれようとも思っていません。悪口言ってるのもいいのですけれど、本来の「主役」は間違いなく競技している選手です。その選手たちの「色んな素顔」を引き出すのがメディアの役割です。

ネット上の皆さんは、あの質問をかなりイヤな気分で聞いたようですが、私は同業者として「あ~良い質問だな~」と思いながら見ていました。

と、同時に同じような、紋切り型の回答しか得られないぬる~い…回答まで透けて見えるような適当な質問しかできない、日本のメディアのインタビュアーに対して、

「なんだよ、その質問は!」

といつもテレビに文句言ってたりします(笑)。

自分が好かれたいんなら、メディアなんてやめればいいのにね。私のコラムも同じなんですけれど、いつも汚い言葉で失礼な話ばかりを書いていますが、そもそも好感度を上げようと思ってるならコラムなんて書かないってね(笑)。まぁいいや。

オリンピックって、世界最高峰の舞台です。その舞台で、選手が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれています。

もしよければ、皆さんも少しだけ意識して、その選手たちをメディアがどれだけ魅力的に映し出しているか、引き出せているか?そんな視点も持ってみてみてください。結構面白いですよ。

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