8月7日に開幕した【2016年夏の全国高校野球】。今年は注目のエースも多く、オリンピックと高校野球を視聴する方も多いことでしょう。

今年は49校中9校が初出場となり、さまざまなドラマが繰り広げられています。
ここで、初出場校の中から感動の秘話をご紹介したいと思います。

北海vs松山聖陵

8月12日。2回戦で対戦した北海(南北海道)vs松山聖陵(愛媛)。初出場の松山聖陵エース・アドゥワ誠選手が、9回北海の攻撃で、187球目にサヨナラ打を浴びて3回選進出ならずでした。

北海は一回、二死満塁のチャンスを逃したが、二回に松山聖陵の先発アドゥワから四球と3安打を集め、1点を先制する。

北海のエース大西は五回まで散発3安打で無失点の好投。松山聖陵のアドゥワも毎回走者を出しながら、粘りの投球で1失点と踏ん張る。
松山聖陵は六回、3番河端が四球、4番稲葉の右中間適時三塁打で同点。なおも無死三塁と勝ち越しの好機だったが、大西が後続を断った。

北海は六回に二死満塁、七回は二死一、三塁と勝ち越し機にアドゥワに打ち取られた。
北海は九回、安打と犠打に相手のエラーもあり二死一、三塁の好機。ここで1番小野がアドゥワの135キロのストレートを中前に運び2-1でサヨナラ勝ちした。

出典 http://www.sanspo.com

アドゥワ選手は、「みんなに申し訳ない気持ちでいっぱいです」とうなだれました。

アドゥワ誠選手のプロフィール

生年月日:1998年10月2日
身長:196㎝
体重:86㎏
出身:熊本県
右投げ右打ち

小学校1年から熊本中央リトルで野球をはじめ、出水中では熊本シニアに所属
兄は「東京農大北海道オホーツク野球部」のアドゥワ大(まさる)選手がいます

9球団がスカウト視察に

アドゥワ誠投手はこの日、第1シードの川之江と対戦、春の決勝で敗れた相手だったが、春の大会後に習得したスライダーを駆使し、9回を3安打1失点に抑え、5-1でリベンジを果たした。ストレートは最速143キロを記録した。

練習試合では150キロも記録したこともあるようだが、まだ球速のムラがあり素材型といえる。しかしエースとしてしっかりと勝つことができ、勝ち上がっていくのではないかと思う。

この日は9球団のスカウトが視察に訪れ、東京ヤクルトの小川淳司SDは「体ができれば150キロは間違いなく出る。大きな可能性を秘めている投手」と評価した。今大会の活躍とその後の進路などにも注目したい。

出典 http://draft-kaigi.jp

196㎝という高身でリーチも長く、練習試合では最速150キロのストレートを記録。地方大会からスカウト陣に目をつけられていたようです。

8月12日の試合を視察したスカウトコメント

中日・中田スカウト部長|16/8/13
「いつもこういう投球。でも、素直に評価してあげるべきかもしれない。角度があるのはもちろん、フィールディングもいいし、チェンジアップもうまく放る。器用な面もある」

出典 http://draftrepo.blog47.fc2.com

阪神・山本宣史スカウト|16/8/13
「体幹、下半身を鍛えれば、伸びしろはある。他の人にはない、ボールの角度は天性のもの」
「ピンチになれば力のあるボールが投げられている。伸びしろを感じるよね。下半身と体幹がしっかりすれば力感のあるフォールで投げられると思うし、一番の魅力は角度。これは持って生まれたもんやから」

出典 http://draftrepo.blog47.fc2.com

ヤクルト・小川淳司SD|16/7/19
「体ができれば150キロは間違いなく出る。大きな可能性を秘めている投手」

出典 http://draftrepo.blog47.fc2.com

スラリとした体型で、体重を10kg増量したというアドゥワ選手。特に下半身を鍛え筋肉をつければ、伸びしろはあるし、150キロのスピードは出るだろうと期待されているようです。

ナイジェリア人の父、日本人の母を持つ。

母親は、元バレーボール選手でダイエーに所属していたようです。熊本に住む両親に、「甲子園に応援に来る、しっかりと投げたい」と勝利を誓っていました。

捕手・稲葉選手がエースを支える姿に感涙

球数のペースは早く、9イニングで187球も投げるエースのアドゥワ選手に、試合中15回もマウンドに声掛けに走る捕手・稲葉選手の姿が感動的でした。

試合の後、捕手の稲葉選手が号泣。甲子園球場の砂を救いながら、いつまでも涙が止まらない姿に、思わず涙腺が緩んだ方たちも多いことでしょう。

右肩負傷の影響で調整が遅れていたアドゥワ選手ですが、187球もの球数を完投し、試合途中で辛そうな表情も見受けられました。

捕手・稲葉選手の声がけがどんなに励みになったことでしょう。

小学校の頃からの親友と離れ離れに。互いにライバルになり「甲子園で会おう!」

アドゥワ選手は、幼稚園から中学校まで熊本市で過ごしました。小学生の時、地元の硬式野球チームで、後に熊本工の主将となる溝越圭太選手と仲良くなり、互いにライバルとなりました。

しかし、「甲子園で会おう」と誓ったあの日。アドゥワ選手は、熊本から四国・松山の高校へ進学。別々の高校に進むことになったのです。

互いに高校3年生になり、最後の夏を迎える直前、熊本地震が発生。アドゥワ選手は、心配でLINEを送りました。すると、溝越選手から返事が返ってきました。

「こんな揺れ初めて経験した。怖かった...」と。熊本工は休校し、練習もできない状態だったようです。

俺、ここにおってええのかな。

中学校まで熊本で過ごしたアドゥワ選手。熊本のために何かしたい。「俺、ここにおってええのかな」、と、熊本に住む母・純子さんに電話で漏らしました。いても立ってもいられなかったのでしょう。

「大丈夫やけん。心配せんでええ」、と母・純子さん。被災地となった熊本に、両親や親友を残し、どんなに帰りたかったことでしょう。しかし、夏の大会が直前に迫っていました。親友の溝越選手も中学時代のチームのグラウンドで自主練習に励み、「自分も負けてはいられない」、と甲子園への思いを強くしたのです。

惜しくも、2回戦でサヨナラ打を浴びて敗退という結果になりましたが、187球を完投した試合後、アドゥワ選手は、「熊本に少しは元気を与えれたかな」と涙を潤ませました。

この試合を自宅のテレビで観戦していた溝越選手。「たくましくなっていてうれしかった。自分ももっと頑張ろうと思える試合だった」、と話しています。

夏の高校野球はたった3年間しかチャンスがありません。甲子園に出場するために、幼い頃からひたすら練習を重ねてきた球児たち。高校野球は色んなドラマを生みますね。

アドゥワ選手もまた、生まれ育った熊本を離れ、ひたすら甲子園出場を夢見てきました。惜しくも2回戦で敗退しましたが、スカウト陣からは評価も高いようです。

彼は、高校3年生の最後の夏で甲子園初出場の夢を果たしました。
卒業後の活躍に期待したいですね。

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キャリアカウンセラーの道を目指し、資格取得後オンラインカウンセラーとしてデヴュー。WEBライターとして活動をはじめ7年になります。人に「読まれる・読ませる」ライターを目指しています☆

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