ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

家庭で犬や猫を飼育する人が増えていますが、医療の進歩や飼育環境が向上したことにより、25年前と比較して犬と猫の平均寿命が過去最高になったことが報じられました。

人間も動物も長寿であるためには、健康管理はとても大切なこと。つまり、かかりつけの病院選びも、寿命に関わってくると言えます。

今回は、手先の器用さを武器にしたハイクオリティな手術を求めて、全国から患者さんが来ることで有名なあの動物病院にお邪魔してきました。

東京・中野にある野村獣医科Vセンター

「飼育したことがない動物は診察しない」というポリシーの元、年中無休で動物と向き合う獣医師の野村潤一郎先生。

前回のインタビューでは、犬や猫と暮らす上で夏に気をつけるべきことをお話しいただきました。

とても綺麗な院内でのインタビューを終えると、野村先生から「せっかくなんで、院内をご案内しますよ」とありがたいお言葉が!

野村先生自身が「動物のための最強の砦」と自負する、野村獣医科Vセンターの驚くべき設備をご紹介します。

ドラマの撮影場所にもなった建物

デザイナーズマンションのようにオシャレな外観…歩くだけでも緊張します…。

この建物の他に、合計で8棟の建物があるのですが、外装、内装に至るまで全て野村先生がデザインしているとのこと。

ちなみに、こちらの建物は小栗旬さん主演の「獣医ドリトル」というドラマの撮影にも使われたことがあります。

待合室では、アロワナのシローくんがお出迎え!

待合室に置かれている大きな水槽には、アロワナのシローくんがいます。

ここで患者さんと、飼い主さんを毎日出迎えているのです。

オープンな診察スペースと最先端の医療機器

シローくんの前には、いきなり診察台と受付が!その奥には、手術室とおぼしきガラス張りの部屋も。

野村先生は、「どの飼い主さんも、診察から手術までの全てを見ることができるように」との思いから、このようにオープンな診察スペースとガラス張りの手術室にしています。つまり、“よその”動物たちの診察風景や手術の様子も垣間見ることができるということ。一切の手抜きやミスも許されない環境とも言えます。

さらに手術室の医療機器は、人間の手術にも使用される最先端のものが使われているそうです。

もちろん衛生面についても徹底されており、診察が終わるごとに床までしっかり拭いていらっしゃった姿が印象的でした。

「そうだ!自分で作っちゃおう!」

野村先生は7歳から犬を飼っており、かつて獣医師になる前の自分が「こんなシステムや施設があったらいいな」と感じたことを、自らの動物病院に反映させているとのこと。

「治療や手術の過程まで全部見たいな…そうだ!自分で作っちゃおう!」そんな思いで作ったのが、現在の野村獣医科Vセンターなのです。

さて、ここまでは医療的な施設を紹介しましたが、実は野村先生の趣味も随所に見られるのがこの動物病院の特徴。

編集部も驚いたのは、病院エントランスに駐車されていたスーパーカーの存在でした。


ーーところで先生、エントランスに駐車されていた車が、大変立派だったのですが…。

野村:気になりますか?では、ご案内しましょう!

ランボルギーニ・カウンタック

この車は、ランボルギーニ社製のカウンタックという車で、現在は生産されていません。ドアの開き方も独特でした。

野村:この車は、乗るのにも作法があるから誰でも扱えるわけじゃないんだ。ちょっとエンジンかけるね。

ヴォォォォォォォォン!!!

ーーものすごいエンジン音に圧倒されるばかり…。街中でスーパーカーに遭遇したことがあるという方もいらっしゃるかと思いますが、その比ではありません。

カウンタックポーズを取る野村先生。車と白衣が同化していました。

水陸両用車「アンフィレンジャー」

こちらは水陸両用車のアンフィレンジャー。

普通自動車運転免許はもちろんのこと、船舶免許も必要な乗り物です。実は、東日本大震災が起きた時、野村先生は被災地の動物たちのレスキューに、このアンフィレンジャーで参加していたそう。

車の後ろには「水陸両用車」の表記と、スクリューが見えます。

運転席のインパネには、船舶用の機器も。

元々、このアンフィレンジャーは「災害時に動物たちを救うために導入した」とのことで、野村先生の志の高さを感じました。

運転席から決めポーズをする野村先生。

野村:次は研究施設を案内しますよ!

珍しい動物がいっぱいの「特別動物研究温室」

巨大な水槽がいくつも設置されている「特別動物研究温室」は、一般の人は入れません。今回、特別に写真を撮らせていただきました。

中には、ワシントン条約で輸入できない貴重な動物も!(野村先生は、ちゃんと環境省の許可を取ってます)

とても珍しい肺のある魚

「ハイギョ」と言われる肺のある魚。エラが退化しているのだそう。

ワシントン条約で輸入できないハミルトンガメのタマ太郎くん

白の斑点が可愛いタマ太郎くんも、この施設で暮らしています。

野村先生曰く「飼育するには環境省への申請が必要」とのこと。

ヘビもいます!

野村先生と一緒に写っているのは、セイブシシハナヘビのペコちゃん。

本来は毒を持っている蛇なのですが、カエルを与えないことで毒の保有は防げるとのこと。ちなみに野村先生はペコちゃんにカエルをあげていないので、ペコちゃんは毒を持っていません。

ところで、この研究施設に入った時から、編集部にはある疑問がありました。それは、施設に入ってすぐの壁に、およそ動物研究には無関係と思われる物体があったからです。

ーー先生、その壁に立てかけてある物体はなんですか?

謎の武器もあった…

出典Spotlight編集部

野村:これ?これは、ニューギニアの部族が実際に使っている実戦用の槍と盾だよ。

ーーなんでそんなものがあるんですか…。

野村:こうやって使うんですよ。盾の上の部分は、人間の頭を表しているんです。他にも武器があるから持ってきますね。

ーーいつ使うんですか…そして他にも武器って、ここ動物病院ですよね?

野村:これは漁に使う弓。矢の先端に返しがついてるでしょ?これで獲物を逃さないんですよ。

ーーあの、弓の取っ手についているフサフサした物体はなんですか?

野村:これ?人毛ですよ。

ーーヒッ…。

「すべては動物とその家族のために」

ーー普段は見せていただけないところも見せていただき、ありがとうございました。本当に素晴らしい建物だと思うんですが、なぜここまでこだわって作ったんですか?

野村:すべては、動物とその家族のためです。この建物は、耐震、耐火、耐洪水仕様であらゆる災害に備えた造りにしています。

なぜなら、有事の際に動物とその家族を守りたいと思っているから。動物と一緒に避難ができる場所がなければ、路頭に迷ってしまうでしょ?だから避難先としても機能するように作ったんです。

実際に東日本大震災の時も、「動物と一緒に避難できます、どうぞおいでください」と呼びかけました。

単なる派手な建物ではなく、ちゃんと志があるんですよ。

ーー先生が本当に動物のことを思って、獣医師として活動されているのがよくわかりますね。実際に駐車スペースもゆとりを持って作られており、カスタマーファーストが徹底されている印象を受けました。

野村先生が寝食を惜しんで動物医療に奮闘するその先には、病気で苦しむ動物たちが少なくなる未来が待っているのではないでしょうか。

<取材・文/横田由起  撮影/長谷英史>

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