永遠の売上右肩上がりを期待されるのは正直辛い

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勤め先の食品スーパーで、私が配属された店は、とても絶好調で年々売上を伸ばしてきました。その好調の大きな要因は、従業員の前年を上回る頑張りと、さらなる工夫だと思います。そして当然のように・・・

会社からは毎年、前年を上回る売上を要求されました。

会社がそれを要求するのは、ライバル会社との熾烈な販売競争に打ち勝ち、社員への待遇の改善(少しでも給料をあげる)を図り、雇用を維持するためです。

そこで私たちは会社の期待にこたえるべく年々店の売上を伸ばしてきたのですが、従業員のさらなる頑張りと、さらなる工夫という成長要素が頭打ちになり出してきました。


「永遠の成長なんてありえない」

とは良く聞く言葉ですが、私たちの店の成長も停滞期に入ってきたのかと思うようになりました。

会社の中では、絶好調で売上を伸ばしている時は誰も何も言ってこないのですが、売上が低迷しだすと「どうして?」と聞かれるのです。

そんな時に、「永遠の成長なんてありえない」などと言える訳でもなく、かと言ってこれ以上の頑張りと工夫ってなんだろう?と考えさせられた出来事があります。

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近隣にライバル店が出店し、お客様が大きく流れて行きました。うちの店も安売りですが、そこも負けず劣らず安売りでお客様の奪い合いが激化していました。

売上が下がり、本部の上司から「どうなっているんだ?」と聞かれ・・・

売上低迷の理由をライバル店の影響ということで説明しました。しかし、それまで年々右肩上がりで売上を伸ばしていた当店です。そろそろ頭打ちかと思っていた時の話です。

そこにライバル店の出店が重なり、ついに前年よりも売上を大きく落としてしまいました。しかし、半年、一年が経っても売上が改善されずに、いつまでも「ライバル店の影響です」とは言えなくなってきました。

もっと別の理由で売上が低迷しているんじゃないかと思われるようになり、ついに本部からテコ入れが入りました。

これが結構大変で「ここを変えて」「そこを変えて」ととにかく変えることを要求されます。

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大人数でのテコ入れなので様々な人の意見が反映されるのですが中には、「それは違うだろ?」と思うような売り場変えもされるのです。しかし、受け入れるしか仕方のない空気がありました。

売上が右肩上がりの時は誰も何も言ってこないのですが、落ち目になるとありとあらゆることを要求され・・・

日常業務ができないほどあれをしたらいい、これをしたらいいと言われます。

沢山の意見が反映されるということは良さそうに見えて逆に以前の売り場の方が良かったと思われるところも出てきました。同僚も私と同じ心境をもっているようで・・・

中年女性の一言に思わず納得

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「よってたかって駄目にする」この同僚女性の言葉に、「あーーそうだな。その通りだな」と妙に納得させられました。

なんとも悩ましい問題です。ちなみにこの大人数でのテコ入れは一時的なものです。売り場を魅力的なものにするため、大掛かりに変えて、「後はよろしく」と立ち去られます。

そして、このテコ入れによって多少の売上の回復の兆しが見えてきたのですが、本部の人が求めているほどの効果はありませんでした。あいかわらず売上は低迷していたのです。

なので、落ち目の状態から抜け出せない当店は言われたい放題です。

「何か対策は打っているのですか?」

「何が原因なのですか?」

と本部の上司が聞いてきました。なんとも悩ましい質問ですが私はこう答えました。

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「本部の方に様々な意見を頂戴して、全員の力で魅力的な売り場に変えたので、これからお客様が戻ってくると思います」

よってたかって意見を出され、とても大変な気持ちになる・・・なんとも悩ましいものですが、黙って従う姿勢そのものが対策として認められるようです。

常に結果を求められる従業員の立場から考えること

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「どうして会社は毎年毎年、前年以上の結果を求めてくるのだろう?」「永遠の成長なんてありえないのに?」会社勤めをする人から良く聞く不満の一つです。

何年もずっと、さらなる努力とさらなる工夫を続けてきて、これ以上どうしたらいいのか?と思う段階で成長が停滞する事が多いように思われます。

しかし、それでも組織の中で生きる以上は「じゃあどうするの?」「何か対策はないの?」と求められます。

そんな時は現場に直接いる自分たちの目線では「もうやるだけのことはやってきた。だからそろそろ限界になってきただけだ」と思いがちです。

そんな時に他部署からのテコ入れで様々な意見を言われることは「余計なことを言わないでくれ」と思うことでしょう。

しかし、それは期待されている証拠でもあるのです。期待されていなければ無視され、最悪は店の存続にも影響してきます。

たとえ、その意見が駄目だったとしても経験値はプラスされるでしょう。

その経験値が次回の成長の種になるのです。頂いた意見が裏目に出ることはありますが、とりあえず従ってみて駄目なら元に戻すということで何がいけなかったかを考えることができます。

なぜなら、何かを変えなければそのままでしょう。やってみなければ何も始まりません。

組織の中で生きる以上は常に更なる結果とさらなる工夫を求められ、それが出来なくなってきたときに、周囲からあれこれ言われ、そんな時に・・・

「現場を知らないくせに、そんなことしたって何の意味もないのに」と腹を立てがちですが、意味がないように見えて、それは長年やっている自分の視線を変える意味で実は意味があることだと知りました。

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ロバート・熊 このユーザーの他の記事を見る

spotlight公式プラチナライター。食品スーパーの店員ならではの記事を楽しんでいただければと思います。

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