リオ五輪カヌー・スラローム男子カナディアンシングルで、羽根田卓也選手が97.44点で銅メダルを獲得、日本初のみならずアジア人初の五輪メダル獲得となりました。

2016年6月29日放送のテレビ朝日系「マツコ&有吉の怒り新党」では、羽根田選手の友人からの「オリンピックでメダルに近い選手なのに、どのメディアも羽根田を取り上げない」という怒りの投稿から『この五輪代表選手を知らないなんて恥よ…!カヌー期待のメダル候補選手を調べてみました』で紹介され、そのイケメンぶりにマツコ・デラックスからも「なんで今まで知らなかったんだろう」「ハネタク!かわいい!」と大絶賛されていた羽根田選手。

この競技で日本人がメダルを取るなんて、5年前までは誰も信じていなかったと思う。アジア人で初のメダルは誇りに思う

出典 http://www.jiji.com

「最後の漕者の時点で(羽根田は)3位で、その漕者の漕ぎをみているとき、本当に心臓がドキドキしているのが自分でもわかった。彼(の得点)が僕より下で、僕が銅メダルを獲得すると決まった瞬間、今までの努力だとか張り詰めたものが一気に胸の奥からこみ上げてきて、思わず涙が出てしまいました」

出典 http://www.sankei.com

メダルが決定した瞬間、愛艇に乗ったまま声を上げて泣いてしまった羽根田選手の元に、各国の選手たちがこぎ寄って肩をたたいて祝福するシーンは『これぞ五輪!」という感動的なシーンでした。リオ五輪でアジア人初のメダルを獲得した羽根田選手とはどんな選手なのでしょうか?

父の影響で器械体操からカヌー競技に

スポーツ一家で育った羽根田選手は、7〜9歳までは器械体操をしていました。けれどカヌー選手であった父と、兄の影響で小学3年生から、カヌーを始めます(3歳年上の兄の翔太郎さんもカヌー選手でジュニアの日本チャンピオン)。練習場所は、出身地である愛知県豊田市の自宅から約十数キロの矢作川や巴川。初めは嫌々だったが練習でしたが、次第にカヌーに惹かれてゆきます。

高校卒業後は単身スロバキアへ

高校では珍しいカヌー部のある杜若高等学校へ進学。国内では敵なしの羽根田選手でしたが、三年の時にチェコで開かれた大会で、欧州の選手に惨敗してしまいます。このままでは世界では戦えない、そう考えた羽根田選手はその日のうちににすぐ父に手紙を書きました。

「世界で戦うために欧州へ留学させてほしい。必ずメダルを首にかけてみせます」

杜若高等学校を卒業すると、すぐにカヌー強豪国であるスロバキアに単身で渡り、クラブハウスに所属して練習を積み、カヌーの名門コメニウス体育大学へ入学。英語も片言しか話せない中、必死になってスロバキア語を勉強しました。

ミハル・マルティカン選手との出会い

そんな羽根田選手の無謀にも思えるチャレンジを聞きつけて、ある選手が一緒に練習をしてくれる様になりました。それがアトランタ五輪、北京五輪での金メダルなど5つの五輪メダルを持つカヌー界のトップスター、ミハル・マルティカン選手です。羽根田選手は、日本にはない人工コースを使ってミハル選手と共に練習を積みました。そんな中、誰よりも朝早くから練習をし、誰よりも遅くまで練習するミハル選手のストイックな姿に、羽根田選手は大きな影響を受けました。

そして出会いから10年。リオ五輪へと向かう羽根田選手を、ミハル選手はこう言って送り出してくれました。

「タクヤ、今、歴史をつくれ」

クバン・ミランコーチとの二人三脚

もともとチームメイトだったスロバキア人のクバン・ミランさんの指導力を信頼した羽根田選手が、クバンさんに直々にコーチになってくれるようお願いしたのが6年前。そのため、コーチ経験はなかったクバンさんと、まさに二人三脚で歩いてきました。

2016年8月3日にNHK総合で放送された「サラメシ」の特番「監督メシ・リオ五輪スペシャル」では、「監督メシ」に2人一緒に出演。クバンさんの母国のブリンゾヴェー・ハルシュキ(じゃがいもと小麦粉を団子状にしてゆでたものにブリンザという羊のチーズを混ぜ、カリカリに焼いたベーコンをトッピングした郷土料理)をマンツーマンで食べるシーンが放送されました。

「ランチはなるべく2人一緒に食べるのがメダルの秘訣」

日本選手権7連覇中!日本のカヌー競技の第一人者

国内では敵なしと言われている羽根田選手ですが、世界での活躍も素晴らしいものがあります。

18歳でワールドカップでスラローム男子カナディアンで日本人初となる決勝進出。21歳で北京五輪に出場。2010年にはオセアニアオープンで3位・プレ世界選手権で1位・世界選手権で予選3位など、世界戦でも表彰台圏内の成績を出していく。2012年のロンドン五輪では 日本人初の7位入賞。

出典 http://www.koseijp.co.jp

カヌースラロームってどんな競技?

カヌースラロームは、全長250mのコース(川・もしくは人工のコース)で急流の中に設置された25個のゲートを通過し、タイムを競います。ゲートに接触したり不通過だったりするとペナルティが課され、ゴールタイムに来ていの秒数が加算されます。オリンピックでは人工の急流を使用され、激しい流れの中カヌーをコントロールしなければならないバランス力と筋力を必要とされる激しい競技です。

2010年の東京五輪では東京都江戸川区にある葛西臨海公園の隣に、新たにカヌーの人工コースが建設される予定です。羽根田選手は東京五輪に向けて「もちろん、次は金メダルを取るつもりでこれからやっていくつもりです」とコメント。

日本ではまだカヌースラロームはメジャーな競技ではありません。羽根田選手がメダルを獲得した今回の試合も、地上波での放送はありませんでした。しかし、2016年8月10日TBS系「白熱ライブ ビビット」に羽根田選手が生出演した際、テリー伊藤氏は「フェンシングの太田(雄貴)さんの時もそうだったけど、1人のメダリストが出ることによって、その競技を日本中が好きになるから」とコメント。羽根田選手のメダル獲得によって、今後はカヌースラロームに注目が集まる事が期待されるのではないでしょうか。

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