記事提供:R25

佐藤千秋(さとう・ちあき)宇都宮市を中心に栃木県内に18店舗、中国に1店舗を展開する「サトーカメラ」代表取締役社長。駒澤大学経営学部卒業後、サトーカメラに入社。雀宮店店長、管理部長などを経て、2006年から現職。

“栃木最強のカメラ屋”と称されるサトーカメラ。大手家電チェーンの出店が相次ぐ栃木県において、17年連続でカメラ売上高トップを走っている。

一人ひとりの客にとことん向き合う、効率無視の接客が信条。表面的な接客スキルではなく、いわばスタッフ個々の“人間力”を武器に売り上げを伸ばしてきた。

平均年齢27歳という若い組織を鍛え上げたのは、代表取締役社長の佐藤千秋氏だ。その哲学は、若いビジネスマンに成長のヒントを与えてくれるだろう。

・コミュニケーション能力を鍛えるには「“空気を読む”という妄想を捨てる」

「今の若い人は気が利くし、飲み込みも早い。本当に優秀ですよ。空気も読むしね。でも、それだけでいいのかな、という気もする。あまりにも世の中の空気や常識に包まれていると、つまらない人間になっちゃいますよ。

そもそも僕、空気を読むとかって大嫌いなんですよ。勝手に空気なんか読むな、そんなのお前の妄想だぞと思ってしまう」

こう語る佐藤氏。自社の若い社員についても「真面目で優秀な子が多い」と評する。しかし、それゆえ成長の機会を逸していると感じることがあるようだ。

特に、若手ビジネスマンの多くが不得手とする職場でのコミュニケーション。空気を読むばかりでは、スキルアップは望めないという。

「たとえば上司の機嫌が悪いとき、空気を読んで話しかけなかったら業務に支障が出ますよね。“話しかけるなオーラ”が出てる?それこそ妄想。あなたが勝手に感知しているだけです。

たとえそうだとしても、機嫌の悪い人にうまく話しかけるって、対人スキルを鍛える絶好のチャンスだと思いますけどね。嫌な気分になるかもしれないけど、その繰り返しで、上手な話しかけ方とか、ちょうどいい間合いのとり方を覚えていく。

ミスが許されない取引先のほうがよっぽど怖いんだから、まずは身内で訓練でしょ。もしそれで嫌われるようなら、料簡(りょうけん)が狭いやつだと心の中で見下してやりましょう」

・失敗しても悩まない!「酒飲んで忘れちゃえばいい」

もうひとつ、大きく成長するには「生意気さ」が必要だと佐藤氏はいう。

「若いうちから謙虚でいることはないと僕は思う。礼儀は大事だけど、変に謙虚じゃいけない。むしろ自分の力を過信して、暴走気味に突っ走っていいと思いますよ。所詮は若造なんだから。

僕は20代半ばで会社を任された時、いきなり当時の年商と同じ5000万円の借金をして店舗を5倍に拡大した。当時は『もっと儲けたい!』っていう一心でね。

動機は不純で構わないと思う。よく言われることだけど、挑戦と失敗なくして成長はできませんよ。かっこつけて一歩引いていたら、あっという間に年だけ食っちゃうよ」

佐藤氏自身、挑戦しては失敗の連続。現在のような接客方針を打ち出した時も、同業ライバルには失笑を買い、従業員にすらなかなか理解されなかった。それでも、自ら社員一人ひとりを説き伏せ、数年かけて浸透させていったという。

「これだと信じたら、中途半端に降りることはしません。成功するか、ボッコボコにノックアウトされてピクリとも動けなくなるまで絶対にやめない。

大丈夫、本当に深刻なのは命に関わる失敗だけで、仕事の挫折はなんとかなるから。うまくいかない理由を分析したり、反省したりすることは大事です。

でも、失敗したからっていちいち落ち込まなくていいよ。辛かったら、酒飲んで忘れちゃえばいいんです(笑)。そうしないと、次の挑戦ができなくなるでしょ。それも含めて訓練ですよね。

ふてぶてしくて洗練されてないけど、目はギラギラしてる…。そういう人ほど、ガツンと伸びるんです。20代30代は人生の中で最も成長できる時期なんだから、いい子ちゃんしすぎて機会を逸するのはもったいないですよ」

サトーカメラの従業員は、同社の一員としてあるべき基本姿勢をまとめた「クレド」を携帯。接客にまつわる信条などが書かれている。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス