記事提供:photrip

南インドの町を歩いていると、食堂やホテル、家の玄関先に華やかな絵が描かれていることに気づきます。

インドの町並みに彩をそえるその絵は、kolam(コーラム)。毎朝女性が必ず描くコーラムには、一体どのような思いが込められているのでしょうか。

・ヒンドゥー信者の女性たちの毎朝の習慣

南インドの“ペイントアート”ともいえるコーラム。細やかに描きこまれた吉祥紋様は、見る者の心を華やがせる、単なる装飾ではありません。

絵師の作品なのかと思ってしまうほどのクオリティですが、実はヒンドゥー信者の女性による宗教上のならわしなのです。

人や動物、ヒンドゥーの女神であるラクシュミ(Lakshmi)を祀るため、また魔除けとして、日の出前に水で地面を洗ってから、女性たちはコーラムを描き始めます。

・家庭に幸福が訪れることを願って描きます

もともと古くから南インドのヒンドゥー地域で描かれてきたコーラム。芸術的な紋様は、祖母から母へ、母から娘へと代々継がれてゆくもので、家系によって異なります。

そんなコーラムは、ヒンドゥー信者の女性の花嫁修業のひとつ。家庭の幸せを運ぶ、美しいコーラムを描けるようになることは、一人前の女性の証なのです。

・時と共に絵が消えることが女性たちの望み

現代ではチョークを使って描かれることも多くなりましたが、もともと、小鳥や虫が食べられるよう米の粉、あるいは石灰石が用いられました。

そのため雨水で流れたり、風が吹けば粉が舞ってしまうことも。

また通行者がその地面を踏むことでも模様は消えてしまいますが、それはコーラムにとって“縁起がいい”こと。

訪問客を神とする、ヒンドゥーの教えから、コーラムが消えることは神の訪れと解釈されるのです。

一日もすれば消えてしまうコーラム。それでも今朝もいつも通り、ヒンドゥーの女性たちはコーラムを描いていることでしょう。

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