知ってるようで知らない、だけど気になるあの仕事をSpotlight編集部が深掘り取材するコーナー「シゴトペディア」。今回は特別ゲストをお迎えしてお届けします。

「原田泰造」と聞くと皆さんはどんなイメージが頭に浮かんできますか?

『しゃべくり007』や『ネプリーグ』など、やはりバラエティで活躍するお笑い芸人としての姿を想像する人が多いかと思いますが、ここ数年印象深いのが、俳優としての原田さんです。

NHK大河ドラマ『龍馬伝』『花燃ゆ』をはじめ、話題の作品に多数出演。コミカルなキャラクターから悪役まで、その確かな演技力から俳優としての地位を確立。今でも出演オファーは後を絶ちません。

そして7月からスタートした、松嶋菜々子さん主演のドラマ『営業部長 吉良奈津子』でも、仕事や育児に奮闘する松嶋さんを支える夫・小山浩太郎役を好演しています。

以前、脚本家の大石静さんが「なんでお笑いをやっているのかわからないほどの名優」とまで評した原田さんの演技力。なぜ俳優としてここまでの評価を得られるようになったのかを探るため、本人に仕事観を伺ってきました。

本当に演じることが大好き

原田:演じる仕事をもらえるのは嬉しいですよね。やっていて楽しいです。僕は本当に演じるのが好きなので、撮影後に自分の演じたシーンをモニターで見る時もワクワクしますし、たまに「良かったな〜いまのところ」とかボソッと言ってしまうこともあって(笑)。一度、それを見ていた竹中直人さんから「自分で『良し』だなんて、俺はいまだに思ったことがないぞ」と言われまして。ちょっとナルシストなのかもしれませんね(笑)。

ネプチューンのコントも台本の内容を演じるようなイメージでやっているので、ドラマも似ているんですよ。特にスイッチを切り替えることなくできています

「この仕事がしたい」と発信し続ける

原田:仕事を頂く上で、発信し続けるというのは大事だと思います。「あの作品、すごくやってみたい」とよくマネージャーさんに言っています。根気よく言い続けていれば、回りまわってキャスティングする方に話が伝わって、じゃあお願いしてみようと声をかけてくださる可能性もあるわけですから。その時はダメでも、次の機会に思い出してもらえることだってあると思います。

自分としてはもっと色々な仕事をやりたいですし、もっとテレビに出たいです。ドラマの中でも、もっとセリフを言いたいです(笑)。

今でも素人時代の気持ちのまま

原田:僕はテレビっ子でしたから、ずっと芸能界に入りたくて。とにかくテレビに出たいと思って、素人時代にはジュノンボーイに応募したり、ねるとんに出たこともあります。だから、いまだにとんねるずさんにお仕事でお会いしたりすると、嬉しくて興奮しますね。昨日も番組で(ビート)たけしさんと一緒だったんですけど、ただただ嬉しかったです。

今回のドラマでも、ちょっとでも気を抜くと「あ、目の前に松嶋菜々子がいる!」と素人目線の気持ちになってしまって。だから「僕は旦那役だ、僕は旦那役だ」とひたすら念じて、何とか理性を保ってます(笑)。本当にオーラが素晴らしいんですよ。

“夢を書いたすごろく”を作っていたあの頃

原田:下積み時代はフクザワという芸人の家に遊びに行っては、2人で夢を書いたすごろくを作っていました。「いいともに出演」「ドラマに出演」「冠番組を持つ」とか書いていた記憶があります。もう当時のすごろくのゴールは何だったのか忘れてしまいましたが、それをやっているときは本当に楽しかったです。

今の目標としては、とにかく作品にいっぱい出られたらいいな、それがずっと続けばいいなと思っています。

仕事に必要なのは「忘れる能力」

熱っぽく語る原田さんに、仕事をしていく上で一番必要な能力は何だと思うか聞いてみたところ、番組で何度も共演した“あの先輩”からの教えを語ってくれました。

原田:これはその通りだなと思ったのですが、内村(光良)さんがおっしゃっていた「忘れる能力」はすごく重要だと思います。例えば、僕は撮り終わった後にもセリフをブツブツ言ってしまうことがあるのですが、それはきっと自分で納得いってなくて引きずっている証拠なのかなと。

逆に良かったことでも、もし次にダメだった場合「前はできたのに」と引きずってしまうので、今は良いことも悪いことも忘れるようにしています。

自分に期待をまったくしない

原田:あとは、こんなことを言うと希望も何もなくなってしまうかもしれないですが、自分に期待をまったくしないようにもしています。仕事って修行みたいなものなので、場数を踏んでそのたびに打ちのめされないと成長できないんですよね。

僕も若い時は「自分は何でもできる」と思っていましたが、それが変わったのは、壁にぶち当たって「俺って何もできないんだな」と何度も思わされたからです。もし自分が成功し続けてきたら、とんでもなく嫌な人間になってたと思います(笑)。

最後に新ドラマ『営業部長 吉良奈津子』の見どころを聞いたところ、「奈津子(松嶋菜々子)さんが色々な問題に直面して奮闘するのですが、ただただそれを困らせる夫の自分がいます。そこを見て欲しいですね(笑)」と語ってくれた原田さん。

バラエティで見るあの男気あふれるキャラのまま、どんな質問にもはっきりとした口調で答えてくれ、特に「仕事が大好き」と語った時の笑顔は非常に印象的でした。

原田さん自身、ここまで俳優として評価されている理由を「よくわからない」と語っていましたが、どんな時でも自然体でいることが、多くの人を惹きつける魅力になっているのでは、と感じています。

<取材・文/Spotlight編集部 写真:長谷英史>

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