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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
仕事や会議、試験勉強の合間など、眠気覚ましにコーヒーを飲むとすっきりシャキッとする人は多いですよね。それはカフェインの覚醒作用によるものだと考えられてきました。しかしその一方で、コーヒーの作用をまったく感じないという人もいます。

また、最近の研究では、睡眠時間が短い状態が続いている人の場合は、覚醒どころかまったく真逆の作用を及ぼす可能性まで指摘されているといいます。コーヒーでシャキッとする人としない人の間にはどんな違いがあるのでしょうか。最新の研究では、なんと「コーヒーの覚醒作用は最初の2日まで」だといいます。

コーヒーが眠気覚ましになる人とならない人、その違いは?

そんな驚きの報告をあげたのは、アメリカ・メリーランド州のウォルター・リード米陸軍研究所の研究チーム。

睡眠時間を1日5時間に抑え、慢性的な睡眠不足状態にした被験者48人にカフェイン200mgか偽薬のどちらかを1日2回与え、5日間観察。被験者には起きている時間に認知力のいる作業を行ってもらい、注意度や気分の状態を評価するという実験を行いました。(※1)

その結果、カフェインを摂取していたグループは作業状態や気分の状態が最初の2日間は向上したものの、残りの3日間は改善が見られなかったとのこと。つまりカフェインを摂取しても後半3日間はシャキッとせず、覚醒効果がなかったのです。

詳細までは述べられていませんが、考えられるのは「寝不足の状態ではカフェインの効き目は薄れる」ということです。また、カフェインには依存性があるため、毎日摂取しているうちにカフェインの覚醒作用が薄まってくることも考えられます。

つまりコーヒー(1杯のインスタントコーヒーには約68mgのカフェインが含まれます)で眠気を覚まそうとしても、慢性的な寝不足状態で普段から何杯もコーヒーを飲んでいる人にはあまり効果がないようです。

カフェインのデメリットで逆に疲労感や眠気が増すことも

また、カフェインを正しく摂取しないと覚醒効果が得られないだけでなく、他にもデメリットが起こりうることが指摘されています。

・疲労感が増える
コーヒーの利尿作用によってトイレが近くなって集中力が低下することや、体内の水分量が低下することで血流が悪くなることが原因と考えられます。

・カフェインによって逆に眠気に襲われることもある
そもそもカフェインが眠気覚ましに効果的だといわれるのは、体内でアデノシンという物質の働きをブロックするから。アデノシンとは、神経が興奮すると体内で分泌される物質で、アデノシン受容体に結合することで眠気を誘発したり、血管を広げたり、心拍数を減らしたりする作用が起こります。

カフェインはアデノシンよりも先にアデノシン受容体に結合し、アデノシンの働きを阻害するため、眠気を誘発したり血管を広げたりする働きがブロックされるのです。

しかし働き場所を失ったアデノシンは消えてなくなるのではなく、体内に蓄積していくため、カフェインが切れたタイミングで一気に受容体と結合し、より強烈な眠気や疲労感を誘発することがあるのだそう。カフェイン摂取の“落とし穴”ともいえるこの現象は、あまり知られていないので要注意ですね。

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コーヒーで眠気をとってシャキッとするには条件がある!

コーヒーによる眠気覚ましが効果的に作用するのは、

1.普段からきちんと睡眠がとれている
2.普段からコーヒーを飲む量は、1日1~2杯程度

この2つが条件です。この条件に当てはまる人がリフレッシュを兼ねてコーヒーを飲むと、眠気がとれる、シャキッとする、といった体感を得られるようです。

コーヒー好きだからといって飲み過ぎたり、カフェインに眠気覚まし作用があると思ってむやみに摂取したりすると、逆効果になることも。一方、コーヒーでシャキッとしないというあなたは慢性的な寝不足や、カフェイン中毒の可能性があります。

ここぞ!という時にコーヒーの眠気覚まし作用を効果的に使えるようにしておきたいですね。

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