記事提供:日刊SPA!

今、「医療不信」が話題だ。各週刊誌で取り上げられ、賛否を巻き起こしている。だが、一般の患者はどのように医者や医療に不信感を抱いていくのか?実例を元に検証する。

◆神経痛発症もヤブ医者に無意味な薬を処方される

~持田直弘さん(仮名)/80歳/自営業~

皮膚に帯状の水ぶくれができる帯状疱疹にかかった持田直弘さん。帯状疱疹の影響による神経痛で苦しむも、医師の誤った処置によって、無駄な時間とお金を浪費するはめになったという。

「近所の開業医で処方された鎮痛薬を飲んで横になっていても痛みは治まらず、ある日の深夜に釘を刺されるような激痛を感じ、妻に救急車を呼んでもらいました」

担ぎ込まれた病院で6種類の薬を処方された。飲んだ初日から激痛は治まったが、後日、一覧を見た知り合いの薬剤師に予想外のことを伝えられたという。

「ロキソニンは、私が開業医から処方されていた薬と同種。しかも胃の粘膜を荒らして胃潰瘍になる副作用があり、その防止に胃腸薬2種類が加えられていたのです」

持田さんの主張はこうだ。ロキソニンと胃腸薬も含めた3種類は最初から不必要で、そもそも現在、帯状疱疹後神経痛に対する国際的な標準治療は「リリカ」で、持田さんが処方されたロキソニンやカロナールは無意味というのだ。

加えて薬剤師からは別の問題も指摘された。

「リリカはふらつきやめまいの副作用が出やすく、睡眠薬のマイスリーが加わると、さらにその危険が増すとのことでした」

持田さんの年齢でのふらつき、めまいは転倒・骨折の危険がある。医師は眠らせて痛みを感じる時間を減らそうとしたと思われる。薬剤師の提案を受けて持田さんは医師と相談。薬はリリカの1種類のみに減らされ、痛みも2週間程度でまったく感じなくなった。

「自分も『お薬手帳』について病院に正確には話していないという落ち度もありました。たまたま相談できる薬剤師がいたから、副作用を抑えられたのだと思います」

仮に前もって「お薬手帳」を提示しておけば、ここまで悲惨な目には遭わなかったかもしれない。

<持田さんが処方された薬>

・リリカ…神経痛に効果がある鎮痛薬。海外では10年以上前から発売
・ロキソニン…非ステロイド系抗炎症薬という分類に入る鎮痛薬
・カロナール…鎮痛に加え、風邪のときの解熱効果などから幼児にもよく使われる
・ネキシウム…胃酸の分泌を抑えて、胃潰瘍や逆流性食道炎などを治療する薬
・ムコスタ…胃の粘膜を保護して、胃潰瘍や胃炎を治療する薬
・マイスリー…日本で最も売れている睡眠導入薬。作用時間は短いと言われている

<桑満おさむ先生(五本木クリニック院長)の診断>

・治療に1%でも疑問があれば医師に聞くべし

確かに鎮痛剤は「リリカ」か「トラムセット」が今は一般的です。この患者さんも、わからないことはどんどん医師に聞いて、ほんの1%でも疑問があれば早めに「お薬手帳」を持って別の病院に行くべきですね。

【桑満おさむ氏】

五本木クリニック院長。'86年、横浜市立大学医学部卒業。同大学病院勤務を経て現職。地域に密着した診療の傍ら、ニセ医学に関するブログを執筆。

―過熱する[医療不信]が危ない!―

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