“ミレニアル世代“によるNEO TOKYO MAGAZINE「SILLY」が、社会に埋もれた20代の声を代弁するコーナー「アノニマスリポート」

今回は、コミュニケーションツールのメインとして20代が使用するSNSについて、取材した。

人と人とのコミュニケーション手段は、歴史とともに移り変わってきた。手紙、電話、Eメール。しかしここ数年の変化のスピードは凄まじい。Facebook、Twitter、InstagramSkypeやSlackにLINE……。さらに現在は、メッセージが消えることが特徴のSnapchatや、表情の変化を楽しむSNOWといったアプリが人気を博している。

疎い人には眩暈がしそうな種類の多さだが、しかしそれらを簡単に、あっという間に使いこなしてしまうのが20歳そこそこの世代のリアリティーである。その姿は、まさに「コミュニケーションの達人」と呼ぶにふさわしいほどだ。

都内の大学に通う、りかこさん(21歳)&まゆさん(20歳)(ともに仮名)にお話を伺った。達人たちはいったいどのように多用化するSNSを使い分けているのだろうか。

出典SILLY編集部

Facebookは使うが、社会人とは繋がりたくない

ーーふたりはFacebookは使う?

りかこ「普通に使いますよ。やっていないのは、クラスで1~2人じゃないですか」

早速意外な答えが返ってきた。”Facebookはオジサンとオバサンの日記”と揶揄されていたのは、一部マスコミの煽りだったのだろうか。実際のところを突っ込んで聞くと、それでも彼女たちなりにネガティブに感じるポイントがあるのが見えてきた。

りかこ「ただ、就活とかで社会人の人と繋がるのはすごく面倒くさいですね」
まゆ「分かる! 私、中学のときから使ってるから写真が多くて。今さら公開範囲とか設定するのも面倒だから嫌。友だちだけに見せたいのに」

たしかに、それは20代でなくともよくある事象だ。内輪で盛り上がっていたFacebookが、上司や取引先からの”友だち”申請によって一気に窮屈になる感覚は、身に覚えのある人も多いだろう。

りかこ「会社の人は、Facebook見て素行チェックしてるっていう噂もあるよね。就活時期になったら今までの写真全部消してた友だちもいました」

まゆ「私はインターン中に”Facebookで告知しろ”って言われたんですけど、それを普通の友だちに見られるのが嫌でしたね。ずっと学生のノリだったのに、急に仕事モードになるみたいなのって恥ずかしいじゃないですか」

仲のいい友人間の交流だけではない「社会」とのつながりに窮屈さや面倒臭さは感じながらも、とりあえず若者たちもまだFacebookから離れてはいないようだ。学生から社会人になり、交友関係が広がっていく”萌芽期”という最初の壁に当たっているだけにも見える。

メールはほとんど使ったことがない?

ひと世代前のコミュニケーションツールの王道といえばメール、特に携帯メールだろう。しかし現在その座は完全にチャットサービスに奪われた。

りかこ「友だちに連絡するときは、LINEを使うことが一番多いですね。むしろ、Facebookメッセンジャーじゃない人は、全員LINEです。家族、サークル、バイトも全部。バイトを休む連絡を、LINEでする職場もありました」

まゆ「LINEはパソコンでも使いますよ。授業中とか勉強中とか、パソコンを使っているときは、常にLINEを開いてます」

今ではすっかり主役の座を奪われたメールについて聞いてみた。

りかこ「メールは”CC”とかいうやつにいっぱい入れなきゃいけないのが面倒くさい。CCの意味もよく分からないし。」

まゆ「そういうのがよく分からないままLINEに行っちゃった感じだよね。就活で初めてエントリーするまで、ほとんどメールは使ったことない」

その後も、彼女たちの口から出てくるのは「メールは意味不明なものが来る迷惑なもの」、「ログインにしか使わない」といった、ネガティブな発言ばかり。もちろん彼女たちも、社会に出ればメールでビジネス文書をやりとりしたりするようになるはず。しかし少なくとも今のところ、スパムだらけのEメールの世界は彼女たちにとって「価値のないもの」のようだ。

出典SILLY編集部

文字を入れる必要のない時はスナチャを使う

ここ最近、日本でも人気のSnapchat(スナップチャット・通称スナチャ)。主なコンテンツとして動画や写真をダイレクトに送りあう”チャットツール”的な使い方や(テキストチャットも可能)、それらのコンテンツを”マイストーリー”と呼ばれる場所に投稿するなどの機能がある。最大の特徴は、どのコンテンツも24時間で消えてしまうこと。

その”消える”点が気軽なコミュニケーションを生むためか、欧米では爆発的な人気を博しており、広告的・商業的にもSNSビジネス界に旋風を巻き起こしている。しかし彼女たちに話を聞くと、どうやらその日本の若者の間での”スナチャ人気の秘訣”は別の点にありそうである。

りかこ「文字を入れる必要がないときはスナチャを使いますね。たとえば、友だちとご飯食べてるのを自撮りしてマイストーリーに上げておいたり。LINEでいちいち『ここに来てるよ』とか送られても困るじゃないですか」

まゆ「今度ここ行こうよ、みたいな直接的な連絡はLINE。”今○○してるよ~”くらいの感じをだれかに伝えたいときとか、暇アピールするときとかはスナチャかな。あと、髪切ったときとか」

マイストーリーに投稿されている自撮り動画や画像の多くは、”フィルター”と呼ばれる加工を施されており、彼女たちはここを自己の表現の場としているようだ。

盛りたいときはSNOW、シェアはSnapchat

直近の数々の人気アプリランキングで1位を獲得している話題のSNOWの話も絡めて聞いてみた。SNOWもまた、動画や写真を加工できるコミュニケーションアプリである。

りかこ「SNOWは”盛りたい”ときですね、かわいく見せたいとき。スナチャは全然かわいいフィルタがないんですよね」

まゆ「ないよねぇ。写真のデキが全然違う。だから、SNOWで撮って、スナチャで送るのがデフォルトです。逆にSNOWで共有してる人はほとんどいないかも」

りかこ「あと、SNOWは複数人でも簡単にフィルタできるのもいい。スナチャは人数が多いと認識できないフィルターがあるんです。ひとりで顔変えても寂しいしね」

まゆ「写真撮っても、SNSに上げないで(=アップロードしないで)保存しとくだけのことも多いですよ。今まで普通のカメラで撮っていたのが、SNOWで撮るようになっただけって感じですね」

SNOWとSnapchatの違いは、「かわいいか、そうでないか」。コミュニケーションの手段や便利さのような、機能的な部分は問題ではない。

出典SILLY編集部

Twitterには”面白いこと言え”という圧力が漂う!?

ここでTwitterについても触れてみた。Instagramに押されがちというイメージもあるが、実際のところどうなのだろうか。

りかこ「Twitter使いますよ。アカウントも4つくらい持ってて、小中高校の友だち、大学の友達、あと趣味の友だちで使い分けてますね」

まゆ「私は、3人くらいの友だちと非公開でつながっているんですが、1時間に1回、昔の思い出、恋愛話とか変な写真が自動的に流れるBotを作って遊んでいます。たまに見ると盛り上がるんですよ」

つながりの属性によって複数のアカウントを使い分け、さらにBotまでとは。たしかにBotを作るのは難しいことではないが、彼女たちは、今あるツールを積極的に活用して楽しむことにはまったく躊躇はなく、むしろ貪欲のようだ。

まゆ「炎上したら嫌だから公開アカウントは作らない。冗談で書いたのが、2ちゃんねるでガチで受け止められたら終わりだし」

りかこ「あと、Twitterは文字入れなきゃいけない義務感が面倒ですね。面白いこと言わなきゃいけない”圧”もすごいし。やるだけでプレッシャーみたいな」

まゆ「でも、地震が起きたらすぐTwitter見るよね。これは絶対。ニュースより何より、一番速いもん」

“面白いこと言え圧”に”炎上”……ネット社会の暗黙の掟を彼女らなりに察知し危険な領域を避けながら、上手に使いこなしている実態がわかった。

社会人お馴染みのあのサービス、大学生はこう使う

最後に、他によく利用するアプリを聞いてみると、オンラインストレージサービスであるDropboxを彼女たちなりの興味深い利用方法で使っていることが発覚した。

まゆ「Dropboxを、授業で使ったテキストとか資料を共有するのに使ってます。授業を休んだ友だちにピッとURLを送る、みたいな」

りかこ「あと、この間同窓会やったんですけど、そのとき撮った写真は全部Dropboxに入れて、好きな写真だけダウンロードしていくっていう感じで使ったり」

Dropboxはビジネスユースばかりと思い込んでいたので少し意外だった。大学の授業の資料共有に同窓会の写真共有。難易度が高そうなサービスも実用的に使いこなしている。

息をするように自然な造作として、SNSを使いこなす女子大生の生の声。20歳そこそこのSNSの利用実態を垣間見ることができた。ひとつのツールに依存せず、それぞれの長所を見極めて選択して上手に組み合わせる。あたかもメイクや洋服を選ぶようにその時々の気分に応じてコミュニケーションを楽しむ。それが今、リアルなSNSの使われ方なのだ。

コーディネート : 澤野啓次郎(リベルタ)
執筆・撮影 : 渡邊徹則

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