いよいよ本格的な夏休みシーズンへと突入した日本列島。あちこちから聞こえてくる子供たちの歓声に、その訪れを感じた人も多いだろう。いつの時代も、子供にとって夏休みは宝物だ。今年も各地で猛暑日が続く中、沢山の思い出が彼らの胸に刻まれていく。

ただ、その思い出を影ながら支えている大人たちも、かつてはみんな子供だった。現在仕事や家庭の中心となって社会を新たに担いつつある20~30代。そんな彼らには、ある共通となる“記憶のメロディ”がある。

1993年から10年近くに渡り放送されていたフジテレビの子供向け番組、「ポンキッキーズ」。番組内で繰り返し流れるその作品たちは、当時“P-kiesメロディ”と呼ばれていた。

あの時、あの曲。

#4 毎朝テレビの前で一緒に口ずさんだ『ポンキッキーズ』ソング 5選

当たり前のようだった毎日を、そして心待ちにしていた夏休みの眩い景色を、鮮やかに彩ってくれたあの時、あの曲。皆さんはいくつ覚えているだろうか?

1. 「Welcome to Ponkickies / スチャダラパー」

“おはようさん、みなさん準備はいいですか?”

出典スチャダラパー『Welcome to Ponkickies』

メインMCを担当していたスチャダラパー・BOSEのこの一言によって始まる『Welcome to Ponkickies』。番組のオープニングで必ず歌われていたこの曲、実はスチャダラパーの既存曲「GET UP AND DANCE」(1994)が元になっている。

当時のスチャダラパーといえば小沢健二とのコラボで、歴史的名曲「今夜はブギー・バック」を発表したまさにその時で、この曲も思いっきりかっこいいバックミュージックが柱になっているのだが、90年代の子供たちはその音楽センスを当たり前のように浴びて「元気!」「勇気!」と毎朝コール&レスポンスを行っていた。今思えば、なんと贅沢なことだったろうか。

2. 「歩いて帰ろう / 斉藤和義」

出典 http://www.kazuyoshi-saito.com

こちらより『歩いて帰ろう』が一部視聴できます)

“走る街を見下ろして のんびり雲が泳いでく”

出典斉藤和義『歩いて帰ろう』

もう1つ、オープニングテーマとして番組を代表する1曲だったのが男性シンガーソングライター・斉藤和義の『歩いて帰ろう』。当時の斉藤はデビュー1年目の新人アーティストだったが、この曲が番組で流れたことをきっかけに、その名前が一躍知られることとなった。

ちなみに斉藤は「歩いて帰ろう」を発表した3年後に「歌うたいのバラッド」(1997)、それからさらに14年後に「やさしくなりたい」(2011)と、非常に長いスパンでヒット作を生みだしている。

2012年には紅白初出場
も果たしたが、そのニュースを喜ぶファンの中には、彼の曲で育った人たちも沢山いたことだろう。彼のファンを公言している関ジャニ∞の錦戸亮や女優の成海璃子も、やはり90年代の子供たちの1人である。

3. 「夏の決心 / 大江千里」

出典 https://www.amazon.co.jp

こちらより『夏の決心』が一部視聴できます)

“夏休みはやっぱり短い やりたい事が 目の前にありすぎて”

出典大江千里『夏の決心』

ポンキッキーズといえば、この曲も忘れられない。夏休みを題材にした男性シンガーソングライター・大江千里による『夏の決心』は、その素直で胸を打つ歌詞はもちろん、番組が火をつけた「ラインダンス」の人気も重なり、子供たちの記憶に強烈に焼き付いた作品となった。

この曲がリリースされた1994年当時の公立小中学校は、まだ完全な週5日制ではなく、第2土曜日を除いて基本的に土曜授業があった。加えて大学進学率も著しく上昇を続けている最中で塾へ通う子も多く、この曲の出だしにもあるように、本当に当時の夏休みは“やっぱり短い”ものだったのかもしれない(おまけにこの年の夏休み、国内3箇所で最高気温が40℃を越えるなど、日本は記録的な猛暑となっている)。

4. 「さあ冒険だ / 和田アキ子」

出典 https://www.amazon.co.jp

こちらより『さあ冒険だ』が一部視聴できます)

“晴れた日は出かけよう どこか遠くへ”

出典和田アキ子『さあ冒険だ』

有名アーティストが多数参加した“P-kiesメロディ”の中でも、この曲の存在感はなおさら飛び抜けている。誰もが知っている日本の大物ディーバ・和田アキ子が歌う『さあ冒険だ』は、20世紀初頭の無声映画「月世界旅行」の中で番組の人気キャラクターたちが躍動するイメージ映像と共に放送されていた。

この曲は歌い手はもちろん、作家陣の顔ぶれも豪華だ。作詞は有名コピーライターの糸井重里と有名ミュージシャンの森高千里が、作曲は人気バンド・米米CLUBのカールスモーキー石井(石井竜也)が手がけており、このうち森高と石井は歌手として自分でもポンキッキーズの人気楽曲を歌っていた。

森高の「ロックン・オムレツ」(1994)も石井の「Child's days memory」(1994)も、共に番組の成長を大きく支えた作品として広く知られている。

5. 「パラシューター / Folder」

出典 https://www.amazon.co.jp

こちらより『パラシューター』が一部視聴できます)

“飛んでゆける 何処でも Faraway Faraway Faraway 君となら”

出典Folder『パラシューター』

最後にポンキッキーズの音楽といえば、彼らの誕生を抜きにして語れない。1997年から番組へ参加した全員が小中学生の7人組グループ・Folderは、そのシングルの多くがポンキッキーズで放送され、そのハイレベルなパフォーマンスで多くの同世代、そして大人たちを虜にしていった。

あれから約20年が経つ現在も、メンバーの多くが第一線で活躍している。男性ソロシンガーの三浦大知や女優の満島ひかりもかつてこのFolderとしてポンキッキーズに出演しており、当時同じように小中学生だった視聴者層にとっては、今もそのイメージと親近感が強く残っているだろう。

実際に三浦が初めてソロでミュージックステーションに出演した2016年5月、Googleでは「ポンキッキーズ」の検索数が通常の約2倍に跳ね上がっている

他にも「夢のヒヨコ」「シャナナナナナ」「ピ ピカソ」など数多くの名作を生んだポンキッキーズ。その楽曲たちは現在、「ポンキッキーズ・メロディ」(1995)や「ポンキッキーズ・メロディ2」(1998)というコンピレーション・アルバムでまとめて聴くことができる。

それぞれの放送当時に思いを馳せるのはもちろん、子供がいる人はあえて一緒に聴いてみるのもいいかもしれない。大人になった今、あの時の音は、どんな記憶となって蘇るだろうか。そしてあの時の歌詞は、今どんな風に胸に届くのだろうか。

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1983年生まれのフリーライター。アイドルと音楽と歴史が好きです。デビューから応援しているアイドルの再評価をきっかけに、新規 / ライトファンを意識したエンタメ記事を日々研究しています。

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