夏の夜って何となく怖い体験をしそうなイメージがありませんか?深夜まで外をふらついていることも多い季節ということも理由の一つかも知れませんが、お盆があったり、肝試しなどさまざまなイベントが多いというのも一因かも知れません。

筆者の育った地域だけではないかと思いますが、お盆過ぎには海に入ってはいけないという言い伝えが古くからあります。

「仏様に足を引っ張られる・・・」

子供の頃からそう言われており、お盆過ぎたら絶対に海では泳がない。誰もが自然に守っていました。筆者が子供の頃は実際にお盆過ぎ頃からは水温も下がり始め、クラゲが出やすいということもあり、危険を考えて入るのを禁じる為の言葉だったのは分かります。

しかし、実際に夏の夜の海辺には不思議でちょっと怖いことも起こるようです。

第1話 「釣れますか?」

夏の夜は釣りも楽しいものです。筆者は子供の頃、家族とよく夜釣りに行っていたことがあります。さすがに子供なので深夜ではありません。夕ご飯の後、車で行ける範囲の港に家族で行き、夕涼みしながら楽しんで帰るという感じです。

同じように釣りをしている人達や、犬の散歩やご夫婦で散歩している人も多く、夏の夜のちょっとした社交場という感じで楽しいものでした。

ところで、筆者の知人に釣りが大好きな人がおります。その人は仲間とのんびり釣ることもあったので、日中なら筆者や他の仲間も同行したことがあります。しかし、どちらかというと本格的にじっくり釣りたいという傾向の強い知人は、休日に1人で行くことが多かったようです。

ある時、静かに釣れる良い場所を見つけたと、週末の夜には必ず出掛けていた場所があります。はっきりした場所は聞いていませんが、普段あまり人が来ない、険しい岩場の本当にコアな釣り好きが集まるという話でした。

知人はその場所をいつもの釣りの流れで偶然見つけたらしく、非常に気に入ったそうです。周囲にも同じような単身者の釣り人ばかりで誰も話もせず、黙々と釣っている、そんな空気が気に入ったそうです。

どれくらい通っていたんでしょうか?毎回その場所に来るのはほぼ同じ人物のようだと知人は話していました。しかし、通っているうちに不思議なことに気づき始めたそうです。

知人は毎回、遅い時間に着いて朝まで釣っていたようです。皆、いつどのタイミングで帰るのか?気づけば毎回一人だったそうです。そしてもっと謎がありました。

筆者が子供の頃に行っていた港と違い、民家や商業施設なども周囲にまったく見えない、灯り一つない闇夜の岩場だというのに、車が付近に停まっているのを見たことが無いのです・・・。近所の住人にしても、民家は見えません。

勿論、知人は毎回車で通っていました。岩場近くの空き地に停めているのはいつも知人の車で、何処か他に地元なら知っている駐車場があるのかと思って気にも留めなかったようです。

(しかし、そんな所は何処にあるんだろうか?)

ある時、その日はいつもより早めに上がろうと考えた知人は、釣り道具を片付けると、車に向かう途中で見かけた岩場の釣り人に声をかけてみたそうです。車の駐車場所の疑問も解決したかったのもありますが、他の人はどんなものが釣れているかも気になります。

「釣れますか?」

そう問いかけると、釣り人はゆっくりこちらを向いてくれたそうです。しかし、知人がそこへ釣りに行ったのはそれで最後になりました。かすかな月明りに照らされ、振り向いたその人は、向こう側の顔が半分無かったそうです。

第2話 「これ、なに?」

さて、これは別の友人の話です。筆者は一時良くこの友人と一緒にご飯を食べたり別の知人宅を訪問したりと、妙に気の合う仲間という感じで遊んでいた時期があります。その為、主に結婚前の一時はどちらかが面白いことを発見するとひんぱんに電話をし合っていました。

その日も、いつものそんな何でもない電話だと思っていたんです。深夜に友人から携帯に着信があり、特に何の違和感もなく出ました。しかし、友人は非常におびえているんです。説明を聞くと、こんなことが起こっていたそうです。

友人は、海岸に沿って続く湾岸道路を車で走っていたそうです。同乗者はなく一人だけ。別の友人宅へ向かう途中か何かだったそうです。

突然、車の調子が悪くなり、仕方なく道路の端に停車。状況は良く分からないものの、とにかく電話しようと気づいたら携帯電話がありません。持って出ていなかったようです。困っていると、車からあまり離れていない港の方に公衆電話のボックスがあるのを見つけました。

そこで、車をその場に起き、取りあえず公衆電話に入り、頭に出てきた筆者の携帯にかけてみた、というのが流れでした。とにかく知り合いに繋がって安心したという感じです。

しかし、次の瞬間、友人は恐怖に襲われます。何処から来たのか?男性が電話ボックスの周囲をうろついており、独り言を言い始めたそうです。

「これ、なに?これ、何かな?」

何やら自分の手の平を見ながらぶつぶつ言い続け、うつむきながらぐるぐる廻っているそうです。そして、そのタイミングで筆者が電話に出たのでした。しかし、実は筆者にはまったくそんな声は聞こえなかったんです。

とにかく、車のことどころでは無くなってしまいました。友人は怖くてそこから出られないと言います。男性は友人を見るわけでもないようで、ひたすら自分の手の平を見ながら相変わらず

「これ、なに?これ、なに?」

と言いながらぐるぐる廻っている・・・。警察を呼んであげたらいいのか?筆者も何をどうしてあげたらいいか分からず、友人の希望通りに暫く話し相手になるしかありませんでした。

話しながら合間に、まだいるかどうか確認しているうち、どれぐらい経ったのか、何処かへ歩いて行ったようです。友人はその合間に急いで車に戻ると言い、電話は切れました。

後で友人から電話が来ましたが、車は難なく動き、そのまま自宅に戻ったようでした。一体何だったのか?筆者は見てもいませんし、声を聞いてもいませんが、状況を聞くだけでも十分気味の悪い話です。

夏の深夜に飲酒してふらついていた人なのか、正体は分かりません。酔っぱらいでも厄介ですが、正気を失っている人や異常者かも知れません。

しかし、人通りの無い、電話ボックスとかすかな街灯程度しか灯りが無いような場所にそんな人が1人でうろついているなんて、まともな感覚の人が1人で遭遇したら本当に怖い話です。ボックスに押し入って来なかったのは幸いです。

生きている人であれば、ですが・・・。

いつもと違う場所に入ってしまう怖さ

今回のちょっと怖い話はかなり以前に筆者が直接聞いたものです。どちらも自分だったら?と考えるとゾッとします。誰もいない場所や他との連絡手段がつかない状態で1人で遭遇する怖い体験は男性もやはり怖いようです。

特に釣りの場合は、1人で夜いろいろな場所を訪れていると、この話以外にも何となく気味の悪い経験はそれなりにあると、知人は話していました。

恐怖体験に限らず、夜間や日中でも、いつもと違う場所に入り込んでしまうのは怖いですね。筆者も良くありますが、何かに引き込まれていることもあるかも知れません。

また、心霊的なことではなくても、知らない寂しい場所に1人で行くことは思わぬ事件も多いので、気をつけて欲しいものです。

この記事を書いたユーザー

石井ロージー このユーザーの他の記事を見る

音楽業界を経て、フリーのデザイナー兼ライターを生業にしております。ポジティブに解決したトラブルや実体験ネタを中心に書いています。8歳下の夫と愛犬の気ままな3人暮らし。音楽好きのゴシック好きの和服好き。オカルトも大好きでございます。好きな作家は芥川龍之介、詩人は中原中也☆

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