ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

8月も終りに近づいてきましたが、気温は全国的に30度を超しており、東京でも猛暑日が続いています。人間でさえ熱中症になりやすい環境…動物たちはもっと暑く感じているのではないでしょうか。

一緒に暮らす人にとって、彼らは家族です。大切な家族と夏を過ごすために気をつけるべきこととは?

この方に聞いてみました。

野村獣医科Vセンターの野村潤一郎先生

出典Spotlight編集部

「飼育したことがない動物は診察しない」というポリシーを持ち、先進医療にも取り組んでいる野村潤一郎先生。様々なメディアに登場しており、フェレットブームの火付け役としても知られています。

夏、特に気をつけるべき基本事項はこれ!

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ーー犬や猫と暮らす上で、夏に気をつけなければいけないことを教えてください。

野村:どちらかというと犬への注意点が多いですが、いくつか挙げていきますね。

まず、健康でご飯をしっかり食べているか、注意深く見てあげてください。これは夏に限らず、常に気をつけなきゃいけないことです。

それから、空調はケチらずちゃんと入れてあげてください。犬は特に暑さに弱いです。涼しくても死ぬリスクはありませんが、暑いと死んでしまいますから、普段は外で飼っているという場合でも、夏から秋は涼しい室内で過ごせるようにしましょう。

夜は窓を開けているというお宅もあると思いますが、犬の声が苦情に繋がることもあるので注意して欲しいですね。

あとは、日中の暑いさなかに外に連れ出さないでください。一緒に出かけるのは、明け方か日が落ちる夕方以降にしてあげましょう。

他にも、犬はフィラリア(蚊の媒介による寄生虫が起こす病気。感染すると死に至ることもある)の予防が必要です。しっかり受診して予防薬を飲ませるようにしてください。

雷や花火を怖がるのは遺伝

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ーー夏になると夕立が増えますし、花火大会も開催されます。雷や花火の音を怖がる犬がいるそうですね。

野村:それは「音響シャイ」という症状で、遺伝によるものなんです。ある日いきなり発症するので、いつから始まるのかは予測できません。

子犬のころは、雷や花火を怖がることはありませんが、ある年齢になると雷の音が気になり始めるんです。そして、音がするたびに驚いて逃げ回るようになってしまいます。

雷って空から音がしますよね?雷が怖くなると、花火も怖くなってしまうんですよ。また、花火は火薬の匂いがしますから、打ち上げ花火に限らず手持ち花火も怖くなってしまうんです。さらに恐怖心が強くなると、夏そのものが怖くなってしまうこともあります。

連鎖反応でどんどん恐怖が強まってしまう…これを治す方法はないんです。遺伝によるものなので、もし子犬から飼うのであればブリーダーに親犬の様子を聞いてみましょう。

飼い主がネガティブにならないように

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ーー夏という季節そのものが怖くなってしまうこともあるなんて、知りませんでした。もし、飼っている犬が音響シャイだった場合はどうすればいいですか?

野村:まず飼い主さんが「この子、また怖がるんだろうな」とネガティブに考えることをやめたほうがいいですよ。犬のほうでも「あ!パパやママが怖がってるから、雷が来るんだ…」と気づきますから。

僕も音響シャイの犬を飼ったことがあるんです。夕立が来そうな日は、家の窓を全部閉めて空調を入れ、テレビの音量を大きめにして、なるべく外の音が聞こえないようにしていました。

それでも雷が鳴れば聞こえます。僕の場合は、雷が鳴ったら犬におやつをあげ、遊んであげることで、楽しい思い出にするよう心がけていました。

一緒に楽しく過ごしているうちに、雷も鳴り止むでしょ?

怯えている犬に追い打ちをかけないで

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自身も愛犬家であり、犬以外の120種以上の動物たちを飼育した経験のある野村先生は、飼い主へ向けてこんなメッセージも話してくださいました。

野村:雷が鳴ると、お風呂場などに逃げ込む犬や、落ち着かずにウロウロする犬もいます。そんな行動に対して怒る飼い主さんがいるんですが…怯えている犬に、追い打ちをかけるようなことはしないで欲しいです。

人間でたとえるなら、失業した人に「ろくでなし」と言っているようなもの。追い打ちをかけちゃダメ!

飼い主さんも、愛犬が音響シャイであることに気づいているはず。犬は嫌な思い出を忘れませんから、雷や花火に怯える様子を見せたら、怒るのではなく楽しい思い出を増やしてあげて欲しいなと思います。

写真を撮るために野良猫を追いかけ回さないで

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ここまでは主に犬に関係するお話でした。しかし、昨今の猫ブームにより、SNSに猫の写真を載せたいがために、不適切な方法で撮影をする人もいます。

そこで、野村先生に猫の写真を撮る際の注意点もお聞きしました。

ーー猫についても伺いたいのですが、フラッシュ撮影などで猫の目に異常が起きる場合があると聞きました。

野村:野良猫の写真を撮る人が多いんですよね。野良猫の多くは、飼われていたのに主人から捨てられたり、生まれてから野良猫にされたというケースがほとんど。つまり野生じゃないんですよ。

本来、人間に庇護されるべき存在なのに、一人で生きていかなければならないから、生きるだけでも精一杯の状況なんです。なのに、SNSに載せたいがために執拗に追い回す…止めてほしいね。

ーー地域によっては、執拗な追い回しが深刻な問題になっているそうです。

野村:ただでさえ食べるのに苦労しているのに、追い回されるから冬になると亡くなる猫も多いんです。どうしても撮影したいなら、望遠レンズで遠くから撮らなきゃ。そして、地域猫の制度がある場所ならば、少しでも彼らのためになるよう寄付をすべきですよ。

人間だってモデルさんに撮影を頼めば、ギャラが発生するでしょ?それと同じです。

癒されるのではなく、癒やしてあげる

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インタビュー中に野村先生の愛犬・オスカーくんも遊びに来てくれました。

野村:よく「犬や猫が癒してくれるの」という人がいますが、逆ですよ。我々が動物たちを癒すんです。

愛には、「奪う愛」と「与える愛」の2種類がありますが、動物と暮らすならば「与える愛」を持つ人にならないとダメです。その与える行為こそが、愛犬家、愛猫家のやるべきことなんじゃないかな。

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個性的な先生として知られる野村先生ですが、インタビューを通して動物に対する強い敬意と愛を感じました。

開業以来1日も休むことなく診療を続け、自ら院内の清掃もこなすそうです。

野村先生の診察によって、これからも多くの動物たちと飼い主さんが幸せになるのではないでしょうか。

【次回予告】こんなものが動物病院に!?

野村:うちの病院、ちょっと変わったものもあるんですよ。よかったら見ていきませんか?

ーー変わったもの?気になるので、是非見せてください。

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!?

謎の槍と盾を手にした野村先生が、案内してくださった先には様々な水槽が…一体何があるのか、次回はただただ驚くばかりの野村獣医科Vセンターの施設を紹介します。

お楽しみに!

<取材・文/横田由起  撮影/長谷英史>

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