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先日行われた東京都知事選挙で圧勝、初の女性都知事となった小池百合子氏。この結果に、近隣諸国はどのような反応を見せているのでしょうか。

メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんは、小池氏と台湾の知られざる関係を紹介、今後ますます日台の絆は深まるだろうとし、

鳥越俊太郎氏を推した野党の共闘を「時代錯誤の野合でしかない」とバッサリ切り捨てています。

【日本】小池百合子新都知事と台湾の意外に深い関係

東京都知事が決まりましたが、中国も韓国もこれを大きく報じています。やはり世界的な都市であるだけに、両国とも関心が高いのでしょう。

中国は、当選した小池百合子氏のことを「以前は初の女性防衛大臣だった」という見出しで紹介していることが多いようです。

首位女性当选东京都知事 曾任防卫大臣

東京はかつて石原都知事時代に尖閣諸島を都で買い上げようとしたことがありますし、そのときの購入資金を国民から募った寄付金を、現在も「尖閣諸島基金」として管理しています。

そうした尖閣をめぐる東京都のかかわりから、元防衛大臣が都知事になったということがクローズアップされているのではないかと思います。

一方の韓国は、舛添前都知事が朴槿恵大統領の要請で進めようとしていた第2韓国学校の設立計画が撤回されるのではないかということを中心に報じています。小池氏は計画を白紙に戻すと明言してきたからです。

・パリ・ローマに続いて東京都に女性知事…東京第2韓国学校の設立計画はどうなるか
(http://japanese.joins.com/article/908/218908.html?servcode=A00&sectcode=A10&cloc=jp|main|top_news)

その他、東亜日報は小池氏がかつて「韓国が竹島を不法占拠している」と発言したり(日本の国会議員ですからこう言うのは当然のことですが)、河野談話の見直しを求めてきたことがあると紹介、

韓国日報も「代表的な保守・右翼政治家」と警戒感をにじませているそうです。

「東京も女性首長時代に」=学校白紙化を懸念-韓国紙

「在日韓国人へのヘイトスピーチを行う極右団体『在特会』で何度も講演したこともある」と報じる韓国紙もあるそうで、韓国では敵意を剥きだしたような報道も見受けられるようです。

小池百合子氏は「日本の代表的な右翼政治家」韓国メディアが詳報【都知事選】

小池氏と台湾の意外なつながりとは

一方で、台湾の蔡英文総統は今後の台湾各都市と東京の交流がますますさかんになることを期待して、小池氏に祝意を表明しました。昨年8月に蔡氏と小池氏は台湾で会談しています。

台湾・蔡英文総統が小池百合子氏に祝意

じつは小池氏は、台湾とはかなり関係の深い人で、何度も訪台したことがあります。ことに李登輝氏に対しては「トウちゃん」と呼ぶほどの親交があります。

女性政治家としてかなり気配りがあり、心も強く、夢がある人です。もちろん自民党内では彼女に対しては毀誉褒貶が激しく評価が二分していますが、政治のほうでは「アイデアウーマン」です。

今回、与党は分裂選挙でしたが、それでも小池氏が増田氏に対して接戦どころか大差をつけて勝利したのも、彼女のさまざまな選挙戦略が功を奏した結果でしょう。

小池氏のアイデアウーマンぶりといえば、たとえば紛争が続く中近東に対してメッカからエルサレムまで「人間の鎖」をつくることを提唱したことがありました。

いかにも女性らしいアイデアですが、これは2004年2月28日、李登輝元総統の呼びかけで行われた、「100万人の人間の鎖」運動に触発されたのではないかと思っています。

この運動は、2・28事件(1947年2月28日に起きた、その後の国民党軍による台湾人大量虐殺の発端となった殴打事件)を忘れず、台湾人自らで台湾を守ろうという決意を示すものでした。

憲法9条があれば平和が守れると思い込んでいる護憲派以上に、小池氏と安倍首相には共有の積極的平和主義の構想があると思います。外野席の人々は、席は遠くても視野が広いのです。

台湾の「聯合報」によれば、小池氏とは10年来の知人である台中市長の林佳龍は、台湾と日本の関係が爆発的に発展すると期待しています。こうしてみると、台湾ではかなり歓迎ムードだと言えるでしょう。

鳥越氏当選なら東京はどうなっていたか

ところで、今回の都知事選では、野党統一候補であった鳥越俊太郎氏について週刊文春や週刊新潮で「淫行疑惑」が報じられ、鳥越陣営が両誌を刑事告発するという一幕がありました。台湾でもこのスキャンダルは大きく報じられています。

東京都知事候選人 被爆性醜聞

鳥越氏は都知事選でなぜか「護憲」を訴え、「都政とは関係がないではないか」という批判を浴びていました。

また、過去に「中国が日本に攻めてくるなどというのは虚妄だ」「尖閣諸島など中国にあげてしまえばいい」といった発言もあり、日本の保守層からは反日日本人の代表格として非難されてきました。

実際、石原慎太郎氏が今回の選挙戦で、鳥越氏のことを「売国奴」だと批判しています。

私自身、鳥越氏がもしも東京都知事になれば、きわめて由々しき事態になると懸念していました。

しかし、蓋を開けてみれば、トップとはダブルスコア以上、1位2位を保守派として合算すれば、リベラルは350万票もの大差をつけられたことになります。

スキャンダルが打撃となったのは確かですが、政策が都民にまったく届かなかったことのほうが大きいでしょう。

私はここ約40年で地球を40周まわり、世界各国と比べて日本は「万邦無比」な安全・安心・安定社会だと確信していました。

しかし2014年にオーストラリアの「経済と平和研究所」が発表した平和ランキングでは、台湾が2位だったかわりに日本は7位まで転落していました。

とくに日本と台湾の両国をよく知る私からすれば、それはありえないことでしたが、再検証してみると、2011年の東日本大震災へのお粗末な対応はもちろん、犯罪統計では2012年にはこれまで下降を続けていた重要犯罪や粗暴犯罪が増加に転じるなど、

民主党政権下で社会混乱や治安悪化が進んでいたことが明らかになり、そうしたことが影響したのだと思います。

鳥越都知事が誕生すれば、再びそうした事態になりかねないのではないかと心配したわけです。鳥越氏はかつて著書で「東京が嫌い」と書いていたそうですが、東京嫌いの人が、東京のことを本気で考えるとは思えません。

しかし中国にしてみれば有り難い人材であり、いわゆる「友好人士」ということになります。

鳥越氏が都知事になり「護憲」の声が日本に広がっていけば、日本の憲法改正を警戒している中国の利益になります。それに首都東京の機能が低下すれば、それはそれで中国のメリットになります。

鳥越氏の落選を見越していた中国が取った行動とは

ところがその中国では、新華社が投票日間近の29日に、「日本の候補者が『尖閣諸島は中国にあげてしまえ、そうしないと自衛隊員が死ぬ』と言っている」という見出しの記事を掲載しました。

記事の内容は、前述したように、かつて鳥越氏が「もしも(尖閣に)自衛隊が出動したら死人が出る。そうなるくらいなら尖閣諸島は中国にあげたほうがいい」という発言に対して、石原氏が「あいつは売国奴だ」と批判したことを取り上げたものです。

日政客声称把钓鱼岛“给中国”:否则自卫队会死人

当然、中国でこうした記事が掲載されれば、日本でも報じられます。そのことは、中国もわかっていたはずです。

実際、日本の各メディアでも「中国が鳥越氏のかつての『尖閣をあげてしまえ』発言を報じた」と話題になりました。

日本の中国への親近感は過去最低レベルですから、「日本人候補者が中国の主張にかなった発言をしている」と報じられることは、日本ではマイナスにしかならないはずです。

中国の報道は、反鳥越陣営や鳥越氏の「売国的発言」を知らない日本人に、格好の攻撃・反発材料を与えてしまった形になってしまったわけですから、鳥越陣営にとっても痛かったと思います。

しかし、中国側もこうした反響を予測しないわけがありません。ではなぜあえて投票日の直前にこのような記事を掲載したのでしょうか。

推測になりますが、中国政府も鳥越氏の落選を見越しており、ニュース価値がある間に報じてしまおうと考えたのではないかということです。

中国として理想的なのは、鳥越氏が当選した後で、「『尖閣を中国にあげてしまえ』と主張している人物が新都知事になった」と紹介することでしょう。

しかしそれが叶わないならば、ニュースバリューがあるうちに報じて中国国内の世論を喚起することに利用したほうがいい。落選して「ただの人」になる前に、有力候補者であるうちに報じたほうがいいと判断したのではないかと思います。

もっとも、中国人からは鳥越氏を称える声よりも、「釣魚島(尖閣)はもともと中国のものだ、『あげる』などと寝ぼけたことを言うな!」といった反発が大きかったようですが。

鳥越氏は「中国韓国との連携」も提唱していましたが、いくら相互信頼といっても、最後には味方すら利用して捨てるのが中国です。だから「人間不信の国」なのです。そして中国ではニュースとは、事実の報道ではなく政治利用するものです。

現在の中国ではネットの世論調査すら政府がカネで買うようになっています。かつては鬱憤をネットでぶつける「憤青」が主流でしたが、

現在では政府の意向に支持を打ち出すことで5セントもらえるという「五毛党」が主流、しかもその役を担っているのは、アメリカ政府の情報機関の調査によると、99%が国家や党、政府の公務員だということです。

一方で、イギリスのEU離脱やトランプ旋風を見てもそうですが、先進国でもメディアの言うことを信じない人が多くなってきています。

とくに左派メディアの予測や主張とはことごとく異なる結果になることが多くなっています。これは多文化共生やコスモポリタニズム、グローバリズムから距離を置き、ナショナリズムや地域主義を目指すという傾向とも一致します。

前回の参議院選挙、そして今回の東京都知事選挙も、大きな意味ではこうした世界的な潮流と軌を一にしたものだったと思います。

新聞やテレビといったメディアへの懐疑、「左派ジャーナリズム」への不信、多文化共生への不安といったものが背景にあり、いくら「護憲」を訴えても国民に響かなくなっている。現実から乖離した野党の野合は、単に時代錯誤でしかないのです。

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