記事提供:CIRCL

米ケース・ウェスタン・リザーブ大学などの研究によると、子どもの頃からスポーツの練習を始める早期教育など、いわゆるスポーツの計画的練習は、アスリートにとって実際に必要とされる能力にはあまり影響を与えないという。

アスリートに必要な条件のうち、練習で習得できるものは18%程度で、残りの82%は生まれ持った遺伝的性質など、他の要因だという。さらに、一流のアスリートほどこの傾向は強く、一流アスリートが練習により獲得し得るものは1%程度だとさえいわれている。

イチロー選手にみる、才能を光らせる努力

2016年6月、メジャーリーグ、マイアミ・マーリンズのイチロー選手が日米通算4257安打を達成し、世界記録を樹立した。彼は記者会見で、自分は小学生の頃から毎日野球の練習をしてきて、その練習の積み重ねが今の自分をつくったことを語った。

イチロー選手に限らず、一流アスリートは英才教育ともいうべきスポーツの練習を子どもの頃から積み重ねてきたということが、しばしばテレビ番組などでも取り上げられている。

したがって多くの人は、一流アスリートになるためには、当然才能も必要だが、それに加えて、才能を輝かせるだけの練習が必要だと考えていることだろう。

一流アスリートほど練習は無意味?

しかし、ケース・ウェスタン・リザーブ大学などの研究によると、スポーツのパフォーマンスにおいて、練習の影響はそれほど大きくはないそうだ。

練習による影響はわずか18%で、残りの82%は生まれつきの性質ともいうべき要因によるものだという。

例えば、遺伝的な要因によって決定する筋力や心肺能力、心理的・性格的な要因、知能的な要因などである。さらに、一流アスリートになればなるほど練習による影響は小さく、わずか1%程度というのだ。

練習の影響はスポーツの種類にもよる

この研究結果が正しければ、才能のない人はいくらがんばってもアスリートになることはできず、逆に、才能がある人は少しの努力でアスリートになれるということになるだろう。

考えようによってはある程度、正しいのかもしれない。例えばごく普通の日本人が、陸上100メートル走のオリンピック金メダリストになろうと、いくら練習しても達成できる可能性は低いだろう。

こういった身体能力が直に影響するスポーツにとっては、達成できるかどうかは遺伝的な要因が多くを占めることは否定できない

しかし、身体的な能力以外にも繊細な技術が必要とされるスポーツであれば違う。練習の影響が大きくなってくるだろう。

ただ練習するだけで一流アスリートにはなれない

今回の結果から判明したもっとも重要な点は、「努力は無駄」とか「一流アスリートは練習しなくて良い」ということではない。

もっとも重要なのは、一流アスリートになろうと思ったら、ただ習練するだけでは足りない。

それ以外にもたくさんやることがあるということではないだろうか?つらいときにめげずに立ち向かう精神力、常に上を目指す向上心、ささいな点も見逃さない洞察力などがそれだ。

これらの力は、今回の研究で、スポーツの練習以外でアスリートに必要な要因であると指摘されている。そしてこれらは鍛えることができるのである。

アスリートになるには総合的なトレーニングが必要で、これらを備えた者こそ一流アスリートと呼ばれるのかもしれない。

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