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学生やファミリーに人気のサイゼリヤが、新たに展開する本格パスタ専門店「スパゲッティマリアーノ」。

サイゼリヤでも定番メニューとして人気のパスタですが、なぜ新たにそのパスタに特化した業態を?お客の取り合いにはならないのでしょうか。

しかしそこには、無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者・青山烈士さんを「非常に整合性がとれている」とうならせた戦略がありました。

カニバリゼーション

節約志向を追い風に業績好調なサイゼリヤが新たに展開する店舗を分析します。

サイゼリヤ(ファミリーレストラン)

◆戦略分析

■戦場・競合

・戦場(顧客視点での自社の事業領域):パスタのファーストフード

・競合(お客様の選択肢):コンビニ、ファーストフード、イタリアンレストラン、冷凍食品など

・状況:イタリアンレストランは年々増加傾向にあるようです。

■強み

1. 本格スパゲッティを楽しめる

・作り置きでなく、オープンキッチンで調理されたできたてのスパケッティが食べられます。

2. 早い

注文して3分以内にスパケッティが運ばれてきます。

3. サイゼリヤの配送網

・サイゼリヤの仕入れ及び配送網を活用することで、食材の調達・配送コストを抑えています。

⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス

・「独自のレシピ」や「簡素化したオペレーション」、サイゼリヤの「仕入れ力・配送網」

・スパゲッティ専門店として、サイゼリヤを超える味わいを目指しています。
・スパゲッティに絞ったことによりオペレーションの簡素化を図り、提供時間の短縮を実現しています。
・サイゼリヤの仕入れ及び配送網を活用することで、食材の調達・配送コストを抑えています。

→上記のようにコア・コンピタンスを磨いているからこそ強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

働く女性(時間がない方)

◆戦術分析

■売り物、売り値

スパゲッティ

・ポモドーロ、ボロネーゼ、チキンクリームソース、クリーミーカルボナーラ、ペスカトーレ、キノコのクリームソース、茄子のポモドーロ、アーリオ・オーリオ(ペペロンチーノ)など14種類のスパゲッティを展開。

片手で持てる縦型のオリジナルのカップ型容器を採用し、持ち帰りもできます。

・スパゲッティ、サラダ、ドリンクバーをセットにしたランチセットは税込500円(スパゲッティは+100円でグランデサイズに変更できます)

→サイゼリヤでも、500円のランチセット(スパゲッティ、サラダ、スープ)を提供していますがドリンクバー(110円)は別売り、しかもスパゲッティは3種類のみとなっています。

■売り方

・オープンキッチンで本格的な調理をしていることを訴求しています。

■売り場

・オフィス街を中心に出店予定。席数は30席程度の小型店。
テイクアウト専用レジを設置。今後、券売機を設置することで、精算業務の効率化も図る予定。

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

まとめ(戦略ショートストーリー)

働く女性をターゲットに「独自のレシピ」や「簡素化したオペレーション」、「サイゼリヤの仕入れ力・配送網」に支えられた『気軽に本格スパゲッティを楽しめる』という強みで差別化しています。

オープンキッチンで本格的な調理をしていることを訴求しつつ、低価格で14種類ものスパゲッティを展開(持ち帰りも可)することで顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

「カニバリゼーション」

サイゼリヤは「スパゲッティ マリアーノ」を第二の柱に育ててく方針のようですが、既存のサイゼリヤと「スパゲッティ マリアーノ」の関係を考えてみましょう。

サイゼリヤでもスパゲッティは扱っていますし、安さを売りにしている点も共通しています。

気になるのは、店舗の売り、メニュー、立地も近いとお互いの店が競合関係にならないのか、つまり、お客さんを取り合うこと(カニバリゼーション)にならないのかということです。

そこで、重要となるのが、共通点がある一方で、異なる点もあることです。

まず、顧客ターゲットが異なります。「スパゲッティ マリアーノ」が働く女性をターゲットにしているのに対して、サイゼリヤは若年層やファミリー層をターゲットにしています。

ここがポイントです。つまり、いままでサイゼリヤでは取り込めていなかった顧客ターゲットをカバーすることが、「スパゲッティ マリアーノ」の役割といえそうです。

既存のサイゼリヤの近くにも出店するのですから棲み分けができる(カニバリゼーションしない)と見込んでいるわけですね。

そして、顧客ターゲットが異なるからこそですが、「スパゲッティ マリアーノ」は持ち帰り需要を取り込むことに注力しています。

例えば、提供の早さはもちろん、テイクアウト専用レジ設置やオリジナルのカップ型容器、席数の少なさなどは、その表れですね。

また、当たり前ですが、顧客ターゲットが異なるため競合もサイゼリヤとは異なります。

持ち帰りに注力していることからわかるように「スパゲッティ マリアーノ」の競合はレストランよりもコンビニやファーストフードが想定されます。

だからこそ、コンビニやファーストフードに対する差別化になるオープンキッチンで作るできたて本格スパゲッティという強みがあるわけです。

非常に整合性のとれた戦略となっていますね。

今後、「スパゲッティ マリアーノ」がサイゼリヤの第二の柱に成長していくのか注目していきたいです。

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