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記事提供:ダ・ヴィンチニュース

会社やアルバイト先であなたが人の上に立つことになった場合、後輩や部下に対してあなたはどう接するだろうか?

それまで人へ何かを教えたことがなかった人はきっと戸惑うことだろう。なにせ「人への教え方」は多くの人が誰にも教わらないのだから。

そもそも「教える」とはどういうことなのだろうか。それは「相手から望ましい行動を引き出す行為」であると『マンガでよくわかる 教える技術』(石田 淳/かんき出版)では解説されており、半分マンガ半分解説の非常に読みやすい構成でまとめられている。

「行動科学マネジメント」というワードが本書のベースになっているが、これは「いつ・誰が・どこで」やっても同じ結果が得られることを目的としている。

これは結果ではなく人間の行動に焦点を当てることで、望ましい結果を導き出す行動分析学に基づくアメリカ生まれのマネジメント・メソッドだ。

相手から望ましい行動を引き出すのには2つの方法がある。

1. 相手が望ましい行動を身に付けていない場合→望ましい行動をできるようにする。
2. 相手が間違った行動をしている場合→望ましい行動へと変える。

仕事の覚えが悪い部下は「やる気がないから」と一蹴してしまう上司も少なくないが、「心」のせいにしてしまうのではなく「行動」に注目するのが大切だ。

そしてもうひとつ必ずやっておくべきことがある。それは教える内容を「知識」と「技術」に分けることだ。

「知識」とは、聞かれたら答えられること。

「技術」とは、やろうとすればできること。


事前に分けておくことで教えるのも理解するのも簡単になり、不足しているものも把握しやすくなる。チェックシートを用意し、部下のできることや知っていることを確認するのも大切となるだろう。

「知識」の確認は一問一答形式のテストが最適で、「技術」はまず実際にやってもらう他ない。仕事ができる部下の行動を分析し、何が成果に結びついているのかを見極めるのも効果的だ。

また、部下の言う「わかりました!」をアテにしてはいけないと著者は述べる。

・実はわかっていないけれど、「わかりません」とは言いづらい
・本人はわかったつもりになっているが、実は間違った理解をしている
・わかったのか、わかっていないのか、本人がわかっていない

もし自分が「仕事のできない部下」で、プレッシャーを感じながら仕事をしていたら上記のようになってしまうのも多少理解できるのではないだろうか。

本書ではこうなった場合は「教え方が悪い」ということであり、教育が失敗したと定義している。

これらを回避するためには復唱させたりレポートを書かせたり、成功失敗のパターンを考えさせることが大切である。

日本語の曖昧な表現は外国人はもちろん仕事に慣れていない人も理解しにくく、指示も指導も「具体的な行動」で表すのが大切になってくる。そこで出てくるのがMORSの法則だ。

・Measured 計測できる(数値化できる)
・Observable 観察できる(誰の目にもどんな行動かわかる)
・Reliable 信頼できる(誰の目にもそれが同じ行動だと認識できる)
・Specific 明確化されている(何をどうするか明確になっている)

これらを満たしていないものは行動とは呼べず、結果は期待できない。指示内容や目標を具体的に書き出すことで、社員それぞれが実行できているかを把握することが可能になる。

求める結果に到達するまでにいくつも小さな目標「スモールゴール」を設定して達成感を味わわせるのも大切だ。

ビジネスはこういった行動の集積で成り立っている。しかし、昨今の社会は即戦力を求めたり結果至上主義であったりと、新人や部下の教育を軽んじる傾向が強い。

そんな環境では社員のやる気や能力を引き出すのは難しく、本書で語られているメソッドを実行している上司は多くはないだろう。

指導や教育は言葉の意味合いとしては一方的なものだが、実はそうではない。教える側も同時に教わることが多いのだ。

本書で語られている行動メソッドはあくまで基礎であり、その会社や部下に応じて最適化してカタチを変える必要がある。

教え方に共通の正解などなく、その人その人で何が正しい指導法なのかは当然変わる。それらは実際に教えることで培われる技能であり、それこそ本当の「教える技術」である。

本書の行動メソッドは教えることだけでなく、あらゆる対人関係で応用がきく基礎技術だ。職場関係で悩んでいる方などは是非参考にしてほしい。

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