記事提供:日刊SPA!

こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。今回、最新刊「中国が絶対に日本に勝てない理由」(扶桑社刊)が発売されるにあたり、短期集中ながら連載させていただくことになりました。

第一回の今回のテーマは「参院選で改憲勢力3分の2が占める」を、中国人漫画家の僕がどう見るか、です。

2016年7月10日に行われた第24回参議院総選挙の結果、衆参両議院ともに改憲勢力が2/3以上を占める結果となったことを受け、現在、憲法改正の必要性が各地で取りざたされています。

中国の民主化を望む僕は、毎日テレビやネットのニュースを閲覧して、日本の民主的な政治体制を学んでいます。

今回、民進党をはじめとする各野党が「護憲」を掲げて選挙に取り組んだにもかかわらず、与党が圧勝したのは、現在の日本は改憲を望む層が多数派という証拠だと思います。

しかし投票で明確な結果が表れている中、メディアで報道される憲法改正の世論調査を視聴するたびに違和感が生じます。

NHKが行った世論調査によると、「憲法改正が必要」と答えた人の割合は、2007年度は41%と「必要ない」と答えた人の割合(24%)を大きく上回っていたにもかかわらず、

2016年5月に行われた調査では「必要ない」(31%)が「必要」(27%)を上回ったという結果が発表されたのです。

対中関係の悪化などから、2007年度と比較すると、より憲法改正の必要性が高まっている中、このような結果が出たのは、世間の風潮と乖離していると感じました。

今回の世論調査は「どちらともいえない」と答えた人数が最多数(38%)だったようです。

これは僕の憶測に過ぎませんが、今回の世論調査はNHK側が人々の意識を護憲派に誘導するために、「将来的に改正すべき」「憲法のごく一部を変えるべき」などといった回答を全て「どちらともいえない」に組み込んでしまったのではないでしょうか。

僕は前々から日本の大多数のメディアは左派・リベラル的な傾向があると思っているのですが、公共放送であるNHKにも当てはまるようです。僕は中立的な報道体制をメディアに求めます。

◆中国人の僕が憲法9条を削除すべきと考える理由

今回の議席獲得をきっかけに、ぜひ僕は国会が憲法改正手続きを行うことを望んでいます。

与党側の改憲草案は十分に把握していませんが、僕自身は「憲法9条削除、それにともなう自衛隊の国防軍化」「共産党禁止法の制定」を盛り込んで欲しいと思います。

このような意見を述べると反対される方は多いでしょうが、世界的な基準から見れば現行の日本国憲法は欠陥だらけの異常なものです。

日本国憲法は、当時日本を占領したGHQ主導のもと短期間のうちに作られた、いわば「急ごしらえ品」であり、法律学者など専門家による推敲が十分に行われていないものです。

さらに「戦力不保持」、「武力行使の否定」をうたった憲法9条は、日本が再び侵略行為を繰り返さないように連合国側の「ご都合」で盛り込まれたものなのです。

僕はこのような矛盾だらけの憲法をなぜ多くの日本人が絶対視しているか疑問に感じます。

憲法9条の存在こそが戦後71年にわたる日本の平和を守ってきたという意見もあります。日本のある平和団体は「憲法9条にノーベル平和賞を与えよう」と、毎年ノーベル委員会に働きかけています。

しかし実際には自衛隊や在日米軍の存在、日米安保の制定など「武力」の存在こそが平和の重要な要因となったのです。

日本以外の国々の憲法には9条と同意義の条文が存在しないこと、上述の平和団体の活動が却下され続けていること、

「永世中立」をうたうスイスやオーストリアは徴兵制を採用しているといった事実を見れば、憲法9条が無意味なものであることは明らかでしょう。

また、共産主義の最終目標とは「宗教を否定し、世界中の文化を均一化する」というものです。天皇という宗教的統治者が存在し、古来より固有の文化・習慣を多く持つ日本にとって、共産主義は絶対に不必要な思想です。

僕は世界各国が団結して共産主義という「害悪」を徹底的に弾圧・排除するべきだと思います。

日本の憲法に関する僕の見解は、2016年7月31日発売予定の拙著「中国が絶対に日本に勝てない理由」(扶桑社)内の中国人風刺漫画家・王立銘(変態唐辛子)氏の対談上で詳細が記されていますので、興味のある方は一読お願いします。

◆日本を「独裁国家」という中国人の愚劣さ

さて、日本の憲法改正に関する中国の反応をネットで見てみると、

「日本は戦争の準備を進めている」

「日本は韓国などとともに、中国を攻撃するつもりだ!」

「SEALDsがデモを起こしたはずなのに、なぜ改憲派が議席を獲得したの?」

などと、改正にともなう日本脅威論を唱える声が多数存在しました。これら反日的な中国人の感想が、日本の野党や左派・リベラル層のものとほぼ同一のものであることが印象的でした。

一方「今の中国はナチス・ドイツのように武力で領土を拡大している、日本は防衛力を高めるべきだ」と改正を肯定する声も散見されましたが、「お前は漢奸売国奴だ!」「日本人のなりすましだろ!」といった反論が寄せられていました。

今回の参議院選挙期間中、僕は人為的に破られている安倍晋三首相のポスターを見かけました。もし独裁国家でこのようなことを行えば、その人物はただちに逮捕されるでしょう。

僕は破られたポスターは現政権の民主制の高さをある意味体現していると同時に、護憲派の偏執性を示していると思います。

製品の故障箇所を修理し、より高度なものに仕上げることは日本人の得意分野です。僕は日本国憲法という「欠陥品」は、一刻も早く修理するべきだと考えます。

【孫向文(そん・こうぶん)】

中華人民共和国浙江省杭州市出身、漢族の33歳。2013年に来日以降、雑誌やインターネットを中心に漫画やコラムを執筆している。最新刊に「中国が絶対に日本に勝てない理由」(扶桑社)。

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