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舛添要一前都知事の辞任に伴う東京都知事選挙が7月14日に告示、7月31日の投開票日に向けて、激しい選挙戦が続いています。

今回の都知事選には史上最多の21人が立候補。メディアの話題は主要の3候補、鳥越俊太郎候補、増田寛也候補、小池百合子候補に集まりますが、残りの18候補についてはクローズアップされることも少なく…。

そんな中、インディーズ候補の一人・後藤輝樹氏が初めて行った政見放送が「削除されすぎ」と、話題になりました。1983年に東郷健氏が起こした「政見放送削除事件」とともにご覧ください。

■後藤輝樹都知事候補の政見放送が話題に

出典 http://gototeruki.web.fc2.com

奇抜な選挙ポスターでもたびたび話題となる後藤輝樹氏。2013年の千代田区長選ではヴィジュアル系、2015年の千代田区議選では全裸に日本刀、今回の東京都知事選では旧日本陸軍の軍服で登場しました。

20歳で政治家を志し、28歳で出馬した神奈川県議選以来、何でも屋さんのアルバイトでコツコツお金を貯めながら6回の選挙を経験。今回の都知事選の公約には「東京オリンピックパラリンピックの中止と築地市場の移転中止」を掲げています。

さて。そんな後藤氏。今回の都知事選では初となる政見放送にも登場しましたが、性器の名前など「放送禁止」ワードを連呼し、NHKでは音声の大部分を削除される事態となってしまいました。

2016年東京都知事選。問題の政見放送がこちら

出典 YouTube

「後藤輝樹の…の時間です!今から皆さんには…し合ってもらいます!私の戦闘力は53万です!アイセイ…ユーセイ…。この番組は…の…による…のための番組、…を健全に…と言える社会を目指して放送しております」

消され過ぎて言いたいことが謎すぎ…。各地の方言で女性器の名称を叫ぶ場面では20秒近くも消されています。当然、この後藤氏の政見放送は大きく話題となりました。

全文を読みたい方は(後藤輝樹様のオフィシャルブログ)よりご覧ください。

■削除された理由は?

まず、政見放送は「候補者などにより録画・録音された内容は原則として編集禁止で、録画したものをそのまま放送しなければならない」と法で定められています。

インディーズ候補については黙認の傾向

出典 https://twitter.com

このために、どんな奇抜な格好をしても、対立候補を挑発しても、放送局はそのまま放送しなければなりませんし、放送局はそれについて責任を問われません。

当選する見込みが薄いとされる泡沫候補(インディーズ候補)については特に黙認傾向にあり、動画サイト「You Tube」での動画再生回数が20万回を上回るものもありますし、話題となったり、愛好する好事家も多いのが現状です。

ただし!!

出典 https://youtu.be

いくらテレビ局側が編集出来ないと言っても規定はあります。

それが、公職選挙法第150条の2。

「その責任を自覚し、他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない

つまり、基本的にはどんな格好をしてもOKだけど、政見放送の品質を損なうものはNG。後藤氏の政見放送はこの規定のために削除されたというわけですね。

■過去には差別用語が原因で削除され、事件化したことも…

前述のように原則としては編集禁止の政見放送ですが、過去には、雑民党の東郷健氏が行った政見放送の一部を、放送局が勝手に編集・削除し、「政見放送削除事件」として事件化したこともありました。

事件の主役は「雑民党・東郷健」

出典 http://togoken.web.fc2.com

当時としては極めて珍しく同性愛者であることをカミングアウトし、自ら立ち上げた『雑民党』から衆参院選や東京都知事選に立候補した「伝説のおかま」こと東郷健氏

関西学院大卒、銀行員を経てゲイバーやゲイの診療所を経営、ゲイ雑誌編集長も務め、ゲイのカリスマとしても広く知られています。

同性愛や障害者問題、性病やエイズ問題など30年に渡り一貫した主張を訴え続けましたが、東郷氏の行う政見放送では「ゲイ」「ホモ」「同性愛」「おかま」「射精」などのタブー発言を連発。では、「政見放送削除事件」では一体どの言葉が削除されてしまったのでしょうか。

「政見放送削除事件」

Licensed by gettyimages ®

「政見放送削除事件」は、1983年の参議院選での政見放送で起こりました。

政見放送中、雑民党党首の東郷健は、視覚障害者の竜鉄也や、足の不自由な八代英太らと協力して「太陽はいらない」というコンサートを挙行した時のエピソードとして、「『メカンチ、チンバの切符なんか、だれが買うかいな』と言われて、あまり売れませんでした。このような差別がある限り、この世に幸福はありません」と主張した。

出典 https://ja.wikipedia.org

東郷氏はコンサートを挙行した時の話を用いて障害者差別の解消を訴えましたが、NHKは「メカンチ、チンバ」が差別用語で放送禁止用語に当ると判断。ちなみに「メカンチ」とは片目が不自由な方を、「チンバ」は片足が不自由な方をさす差別用語です。

選挙管轄の自治省に問い合わせたところ「削除して差し支えなし」との回答を受けたため、東郷氏側に無断で該当部分の音声を削除して放送しました。

東郷氏は「NHKの行為は公職選挙法違反である」として提訴

出典 https://ja.wikipedia.org

東郷氏は「NHKの行為は公職選挙法違反である」として提訴しましたが、東京地裁の一審判決では主張を認められたものの、東京高裁では逆転敗訴、最高裁は「差別用語を使用した点で他人の名誉を傷つけ善良な風俗を害する」(公職選挙法150条の2)として削除を正当とし、敗訴となりました。

この問題は大きな論議を呼び、参議院の政見放送に手話通訳が導入されるきっかけともなりましたが、使い方によっては差別用語ではない「メカンチ、チンバ」を、聞く側が障害者差別と受け取って名誉を傷つけるかどうかが焦点ですので、前述の後藤氏とは結果は同じでも違う理由でNGとなりました。

■では最後に、政見放送のトリビア3つ

テレビでの政見放送、生みの親は青島幸男

出典 https://www.amazon.co.jp

戦後初の総選挙が行われた1946年からラジオで放送されていた政見放送。1968年、当時参議院議員だった青島幸男氏が、内閣総理大臣・佐藤栄作氏から「全国を巡り50万人の方々とお話をした」と自慢され、「自分はテレビでの知名度のおかげで当選できた。選挙の立候補者演説もテレビを通じて行われるようにしたらいかがですか」と提案し、実施されることに。

本番は一発勝負!撮り直しNG

Licensed by gettyimages ®

政見放送の収録は一度っきりのリハーサルを経ての本番。もし失敗した場合は撮り直せるのは1回だけで、そう決めた時点で最初のものは削除となり、比較して良い方を選ぶことは出来ません。これは緊張しそうです!

臨時ニュースなどのテロップは基本NG

出典 http://www.nhk.or.jp

政見放送中は、法により、映像内へのテロップの挿入や中断しての臨時ニュースなどが放送できず、NHKの場合はEテレで臨時ニュースを伝えるなどの対応となります。ただし「震度6弱以上の観測」や「津波警報発令」など、大規模災害時や災害が予想される場合は例外に。

出典 https://youtu.be

放送局がどこまで政権内容を編集するか。公職選挙法150条の2の基準が明確ではない点があいまい過ぎるのも問題です。そして、主要候補以外の候補者の方達は多少は過激に作らないと注目を集められないかもしれませんが、公約など伝えるところはきちんと伝えてほしいものです。

さてさて。舛添要一前都知事の辞任に伴う東京都知事選挙は明日、投開票日を迎えます。どなたが東京を導く都知事となるのか。結果が待たれます。

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