知られざるママの実態や本音を紹介するコーナー「ママのホント。」

「独身の頃は憧れだった“育児”。なんとなく、結婚して子供が出来て…というのが、女性のステイタスのように思っていました」30代で2歳と5歳の娘さんを育てるHさん。実際に結婚して妊娠をすると、楽しいと思っていた育児がつらく重いものに変わっていってしまったと言います。

ある日、2歳の娘の「ママ、抱っこ」という甘えを断ったことによって、娘の成長と自分の器の小ささを痛感することになったそうです。Hさんの後悔から、わたしたちも学べることがあるはずです。

思っていたよりも大変なことばかりの「育児」

“妊娠したとき、はじめて一人前の女性になれた気がした”というHさん。母親という存在になれることの喜びをかみしめて過ごした妊婦生活は充実していたそうです。マタニティフォトを撮ったり、ご主人と休みの日はドライブに行ったり、お酒は飲めなくなったけれど一緒に居酒屋さんに行ったり焼肉に行ったり…。しかし、そんな日常は、出産と共に激変してしまったのです。

「変な言い方ですけど、子供が産まれたら“大仕事は終わり”と思っていました。出産さえ乗り切れば、あとはいつも通りの生活に子供がプラスされるんだと。でも実際は、赤ちゃん中心の生活。思っていたよりも出産した後が大変でした」

今まで、大人だけの生活。出かけたいと思ったら出かけ、夜更かししたければ夜更かしをし、眠りたくなれば眠る。好きなときに好きなときに好きなものを食べて…楽しく自由だったそんな日々は、出産を期にどこか遠くへ行ってしまいました。

「出かけることが出来なくなって、イライラしていたのもありました。それで、食べ物くらいは好きなものを食べようと思って、チョコやアイスを食べていたら胸が強く痛んで…。“乳腺炎”になってしまい、高熱にうなされての日々に育児ノイローゼになりかけたのを覚えています」

医師からは野菜などバランス良い食事をとらないと母乳に影響が出ると指導され、好きな食べ物さえも食べられない、“自分が自分ではないような感覚”に嫌気がさしてしまったとHさんは振り返ります。

「ママ、抱っこ」を断ってしまった日

ママとしての毎日を楽しむというよりも、母親としての義務を果たす毎日に疲れてしまっていたHさんを尻目に、娘さんは大きく立派に成長を遂げました。ハイハイし、座れるようになり、つかまり立ちが精いっぱいだった娘は、気が付けば歩けるように。自分で歩くとはいっても、好きな方向へ自由に歩きまわる娘さん。歩き疲れたら抱っこをせがんでくる日々…Hさんは、もうウンザリでした。ある日、家の中で遊び疲れた娘さんがいつものように

「ママ、抱っこ」

特に急ぎの用事も家事もないけれど、Hさんは娘さんの“抱っこして”を拒否しました。

「ママ忙しいから」

娘さんは泣きました。でも、なぜかこの日Hさんは頑なに「抱っこしてあげないんだから…!」と意地を張って抱っこをしなかったそうです。

「もう抱っこ要らないよ」成長した娘を見て後悔

泣いている娘を見ても、なぜかイライラしてしまっていたその夜に、Hさんは妊娠検査薬で陽性の反応を確認しました。兄弟が欲しい、とずっと思っていて、やっと第2子を授かることができたのです。“娘を抱っこ”してあげられなかったのは、心に余裕がなかった証…もしかしたら、マタニティブルーのはじまりだったのかもしれませんね。

「長女が生まれる前に1度流産している経験もあって、重いものを持つことが怖くなっていました。わたし自身は出産ギリギリまで働いて、娘はその間保育園に通い、送り迎えの時娘には頑張って歩いてもらいました。気付いたら、長女の毎日の様子を写真やビデオに収めることなく、娘は3歳の誕生日を迎えたんです」

誕生日おめでとう!とプレゼントを渡し、ごちそうを食べ…お風呂へ促すときに久々に抱っこしょうとしたら娘さんが

「ママ、もう抱っこ要らないよ」

とひと言。言い放ったあと娘さんはお風呂のほうへ駆けていったそうです。妊娠しているということもあります。忙しい毎日に追われていたということもあります。でも、娘さんを抱っこした日はいつだったかな…とHさんは考えたそうです。そして、ハッとしました。たまたま余裕がなく、あの“抱っこを断った日”が、娘さんからの抱っこの最後のおねだりだったようでした。

一度しかない“今”をもっと楽しめばよかった

「育児は、もどかしい。娘は自分の子供でありながら、自分とは違う人格を持った立派な人間でこっちの都合なんてお構いなしにドンドン育っていってしまう。成長は嬉しいけれど、赤ちゃんだったころを思い出すとなんだか寂しい気もします。抱っこ、もっとしておけばよかったな、って今になって思うんです。だって、“あの日の抱っこ”はあの日のわたしにしか出来なかったことですから」

一生懸命に愛情を注いでも、愛おしく思っても、子供が思った通りの行動をしてくれるとは限りませんよね。抱っこしてあげたいときに、お子さんは歩きたいかもしれない。こっちが疲れてヘトヘトのときに、お子さんは抱っこしてほしいと思うかもしれない。“育児は、もどかしい”とおっしゃったHさんの気持ち、子育て経験のある方なら共感できるのではないでしょうか。

Hさんは無事に第2子を出産し、今では2歳と5歳の女の子のママさんになっています。上のお子さんからの“抱っこ”を断ってしまったことから後悔して学び、次女のことはいっぱい抱いてあげているんだとか。

「2歳児って、本当に重たいんです。買い物袋片手に、娘片手に…って。でも、この重みが幸せの重みなんですよね。上の子のときは余裕がなくて、育児を楽しめていなかったなと思います。この子達の命の重みを感じられるうちに、いっぱい触れ合っていたいと思います」


育児の大変さ、家事や仕事の多忙さで、お子さんの成長に真っすぐ目を向けるヒマもないママさん、大勢いらっしゃることでしょう。お子さんからの些細な「ママ、抱っこ」のおねだりを、素直に受け止めてあげられない日を経験済みだという方もいるかもしれませんね。

そんなときは、一度深呼吸。今お子さんの「ママ、抱っこ」を叶えてあげられるのは、この世でママただ1人。つらいときも悲しいときも、ちょっと疲れているときも、”我が子に必要とされること“を思い出してみてください。

独身の頃とは違い、なにもかもが思い通りにならない“不自由さ”。それをも楽しみ、しっかりと噛みしめながら、毎日愛しい家族と暮らしていける…母親としての喜びは、後悔から思い知らされるのだと思います。

この記事を書いたユーザー

Spotlight編集部 コンテンツハートKIE このユーザーの他の記事を見る

代表を務めるのは元船舶料理士、フリーライターとして活動し6年目になるKIE。仕事、育児、家庭、家事…”なにも諦めない生き方”の実現を目指し、やる気に溢れたママさん達とライター集団を結成。心にそっと寄り添う、日常に彩りを添える記事の執筆を目指し活動しています。

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