記事提供:Doctors Me

医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
海外には、日本とはさまざまな環境の違いがあります。だからこそ、海外旅行は楽しいものですが、危険もつきものですね。

今回は、海外旅行先で気をつけたい、さまざまな感染症と、その症状について、医師に詳しい話を聞いてみました。

海外で気をつけたい「食べ物・水を介した感染症」とその症状とは?

海外で気をつけたい食べ物・水を介した感染症は、以下の2つです。

・感染性胃腸炎
・A型肝炎・E型肝炎

特に感染性胃腸炎には要注意です。

1.感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の症状は、下痢・腹痛・嘔吐等の消化器症状、そして発熱です。
特に気をつけたいのが、以下の強い症状です。

・便に血液が混じっている
・激痛である腹痛
・お腹を押した時より離した時の方が痛い
・痛みでお腹が硬くなる
・高熱

2.A型肝炎・E型肝炎
汚染された水から感染します。
両方とも、全身の倦怠感、食欲不振などの風邪に似た症状で、自然によくなることが多いです。

また、急性肝炎を発症すると、以下の症状がみられます。

・白眼が黄色くなる
・尿の色が濃くなる
・黄疸

こうなると「劇症肝炎」になることがありますので、受診した方が安全です。

海外で気をつけたい「蚊を介した感染症」とその症状とは?

海外では、蚊を媒介とする感染症には特に注意が必要です。

【蚊を媒介とする感染症】
・日本脳炎
・マラリア
・デング熱
・ジカウイルス感染症

1.日本脳炎
高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもあります。

2.マラリア
発熱と解熱とを繰り返し、肝機能障害も起こります。

3.デング熱
発熱、発疹、関節痛等の風邪のような症状を起こし、大部分は自然に解熱しますが、出血性デング熱になることがあります。

4.ジカウイルス感染症
蚊に刺されてから数日後に、軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛等の症状が起こります。
通常は自然に軽快しますが、妊婦が感染すると胎児に小頭症等の先天性障が起こることがあります。

海外で気をつけたい「寄生虫や植物を介した感染症」とその症状とは?

寄生虫はそれぞれ身体のどこに留まるかによって、さまざまな症状を起こします。
寄生虫の多くは、汚染された食べ物や水を経口摂取することによって感染しますが、によって媒介される寄生虫もあります。

毒クモの中では、セアカゴケグモに注意が必要です。
このクモに咬まれると激しい痛みととももに、咬まれた部位の腫れ、めまい、嘔吐、時には血圧の上昇、呼吸困難などの全身症状が現れることもあります。

植物を介した感染症はあまりありませんが、植物に付着しているダニやクモなどが、感染症の原因になる場合があります。

海外で気をつけたい「動物を介した感染症」とその症状とは?

海外で気をつけたい動物を介した感染症には、以下の2つがあります。

・狂犬病
・鳥インフルエンザウイルス感染症

1.狂犬病
イヌだけでなく、コウモリやネコなどに噛まれた場合にも、狂犬病ウイルスに感染する場合があります。
噛まれて10日目あたりから、以下の症状などを起こします。

・発熱
・頭痛
・全身倦怠
・嘔吐

狂犬病ウイルスは、末梢の神経からゆっくりと脳へ向かい「恐水症」と呼ばれる状態になります。
恐水症では、狂犬病ウイルスが脳に向かうことにより、何かを飲み込もうとすると、筋肉が痙攣してしまうので、水そのものを怖がるようになります。
そして昏睡状態となり、呼吸ができなくなって死に至ります。

狂犬病は発症してしまうと有効な治療方法はありません。とにかく、予防が大切です。

2.鳥インフルエンザウイルス感染症
感染した鳥、またはその排泄物に近づくことにより感染します。

感染してから2〜7日後に、高熱や咳などの症状があらわれ、急激に全身の多臓器不全になり、死亡することがあります。

海外で気をつけたい「人を介した感染症」とその症状とは?

海外で気をつけたい、人を介した感染症には、以下の2つがあります。

・HIV
・B型肝炎

ともに性行為や血液を介して感染します。

1.HIV
数週間の後に発熱、咽頭痛、発疹、筋肉痛とともにリンパ節が腫れます。

2.B型肝炎
水で感染するA型肝炎、E型肝炎と同様です。
全身の倦怠感、食欲不振などの風邪に似た症状で、自然によくなることが多いです。

また、急性肝炎を発症すると以下の症状がみられます。

・白眼が黄色くなる
・尿の色が濃くなる
・黄疸

こうなると「劇症肝炎」になることがありますので、受診した方が安全です。

そのほかに、海外で気をつけたい感染症とその症状とは?

その他に気をつけたいのは、破傷風です。

破傷風菌がいる土壌でケガをすることによって感染し、2日〜8週間後に痙攣が起こります。症状がひどくなると死亡することもあります。

海外へ行く前に、受けておくべき予防接種はありますか?

今回お伝えしている感染症の中で、予防接種で感染を予防することができるものは、以下の症状です。

・A型肝炎
・B型肝炎
・日本脳炎
・狂犬病
・破傷風

保健所やクリニック、病院で受けることができますが、それぞれ数回の接種が必要ですので、1カ月以上の余裕をもって受診して下さい。
また、入国に際し、必要な予防接種証明書の提示が求められる国もあるので、必ず事前に確認しておきましょう。

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最後に医師からアドバイス

海外旅行先で気をつけるべき感染症は多岐にわたります。危険を回避するためにも、出発前に感染症の流行情報は必ずチェックしておきましょう。

食べ物・水を介した感染症に対しては手洗いを励行し、信頼できるお店で食べ物を購入し、開封してあるものは食べないようにして下さい。
特に氷と生野菜には注意が必要です。

虫・動物・植物を介した感染症予防に、虫よけスプレーを持参しましょう。飛行機には、預け入れの荷物に入れれば、原則として持ち込みが可能です。
また、できるだけ、長袖などで防備して下さい。

人を介した感染症に対しては、性行為による感染に注意が必要です。

(監修:Doctors Me 医師)

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