仏教の国、タイ

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by Aaron T. Goodman

国民の90%以上が仏教徒であり、存在するタイ寺院は約3万、そこには約40万人の僧侶がいるといわれています。そんな仏教国タイで、「生きとし生けるもの」へのリスペクトを示すどころか虐待同然に動物を扱っている実態が話題になっており、欧米でも度々メディアで取り上げられています。

先日、筆者もこちらで「タイの観光客用の象乗りがいかに虐待に繋がるか」という記事を書かせて頂きました。

人間の利益のために犠牲になっているのは象だけではない

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みなさんも既にご存知かと思います。有名な観光スポットの一つとなっている「タイガー・テンプル」として知られているタイ西部カンチャナブリの仏教寺院「Wat Pa luang Ta Bua」では、瓶詰にされ冷凍庫に入れられた虎の赤ちゃん40頭の死骸と、違法に飼われていた137頭の虎を保護したというニュースが5月に報じられ、この「動物虐待」のニュースは世界的に話題となりました。

敬虔な仏教国であるはずのタイで、しかも神に仕える身であるべきはずの僧侶が違法に虎の闇取引に加担し、毛皮や牙、肉などを国内外で売りさばこうとしていたことも強制捜査で判明しています。

虎が飼育されている真上をライフルで撃つゲームも…

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一部の施設では、虎をタイのマスコットキャラクターのように飼育し観光客に飼育場の真上にロープで吊るした餌をライフルで撃ち、当たれば地面に落ちた餌を虎が食べそれを写真に収めることができるという、施設関係者の利益以外には考えられないようなアクティビティも存在。

撃てば「パン!」と音がするためにストレスにもなるであろうこの「ゲーム」と称した行為を楽しむ観光客。更には子虎と一緒にセルフィーというのが現在タイでは最も人気のようで、列を作って虎とのセルフィーを撮りたがる人も少なくないのだそう。

子虎にミルクを飲ませる観光客の姿を写真に収めるスタッフたち

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この一枚の光景からは想像がつきにくいのですが、飼育されている虎の子供たちは生後すぐに親から引き離されます。そしてまたすぐ交尾ができるようにすればどんどん子虎が増え、観光客目当てのいい商売になるというまことに身勝手な理由で、母虎は子虎を奪われるという繰り返し。

動物が自然に交尾し繁殖し子供を飼育する機会を人間に奪われるということは、十分虐待に値するのではないでしょうか。

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World Animal Protection(WAPー世界動物保護)は、1年以上かけてタイの17か所の虎が飼育されているエンターテイメント施設を調査してきました。そこでは10%以上の虎が同じような動作を繰り返していたといいます。ストレスが原因により自分の尻尾を齧ったり、歩き方が独特になる虎が多く見られるそうです。子虎も狭い檻の中で飼育され、人間に完全に気をくじかれてしまうという現状。

「タイに行ったら虎とセルフィー」が一般的

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悲しい虐待の事実が、観光客の前では楽しさにすり替えられてしまうという現実。子虎の赤ちゃんとのセルフィーも、観光客が座る前に子虎にミルクを飲ませて気持ちを落ち着かせようとしているのでしょう。スタッフが掴んだミルクボトルをそのまま握るように言われる観光客。そして大人しく子虎がミルクを飲んでいるところをセルフィー。

終われば足を無下に掴んで観光客から子虎を引きずり下ろす…そんな痛ましい光景が「子虎とのセルフィー」なのです。見ているとまるでモノのように扱われている子虎。彼らは施設スタッフたちにとって商品以外のなにものでもありません。

タイを中心に広がる虎への虐待

出典 https://www.facebook.com

タイでは象乗りや虎とのセルフィーがまるで観光の主要目的のように思う人もいます。でもこの虎への虐待はタイに限ったことではなく、アジアの他の地域やオーストラリア、メキシコ、アルゼンチンといった国でも行われているのです。

WAPの調査では、タイの17の施設で登録されている虎の数は830頭だったにも関わらず、実際には535頭しかいなかったと報告。病気により死んでいる虎もいるのでしょうが、そのほとんどが違法で闇取引に使用されているということも明らかになっています。

なぜ、そこまで虎を触ったりセルフィーを撮ったりしたいのでしょうか。なぜ、動物の毛皮や牙を集めたいのでしょうか。人間のエゴが大きくなればなるほど、闇に命を奪われていく野生動物が増え、地球上の貴重な動物は絶滅の危機に反することになるのです。

サーカスで動物を使うのも虐待と同じ

出典 https://www.facebook.com

先日も、サーカスで虐待同様に扱われている動物たちを記事にしました。

みなさんは先日、中国のあるサファリパークで虎が車から降りた女性を襲い噛み殺すというショッキングなニュースが起こったことをご存知でしょうか。この事件は、野生動物を飼い殺しにしている人間への反撃、復讐だと考えている人も少なくないようです。

出典 YouTube

動物と共存していくことこそ私たち人間には大切。どちらの恩恵も受け与えて行きながら地球を守るということが、この地球上に存在する私たちの大きな役目ではないでしょうか。動物を利益の為だけに飼育し、虐待し、不必要になれば処分する…こうした悲劇が少しでも社会から減ってくれることを願わずにはいられません。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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