今や空前の社会現象となっている「ポケモンGO」。日本でもその人気はますますヒートアップ。ところが夢中になるあまりに悲劇の事故も多発。海外ではプラットフォームから落ちたり、交通事故に遭ったり、崖から転落したり…車の運転中もゲームをしているという人もいるぐらいで、非常に危ない事態となっております。

そんな中、カナダのオンタリオ州から痛ましいニュースが入って来ました。バーリントンのある場所に設置された2歳の男児の慰霊プレートが、最近騒々しくなっているのです。というのも、そこがどうも「ポケストップ」となっているようで、多くのゲーマーが慰霊プレートの周りに集まっているのだとか。

レアキャラが出るポケストップには慰霊プレートが…

出典 http://www.metronews.ca

ピカチュウレベルのレアキャラと言われているキャラがこのポケストップに現れるということで、ゲーマーたちは大興奮。家族が写真を撮ってきたことによりわかった男児の母、ジェニー・ラティマーさん。彼女の息子ケヴィン君は、2歳になったばかりの2004年に不運にも建物の3階の窓から転落し、亡くなったのです。

10年以上の月日が流れたとはいえ、可愛い盛りの愛する息子を失った母の心は悲しみに溢れています。不慮の事故で子供を突然失うことほど、親にとって耐え難いことはないでしょう。今でもケヴィン君の面影と共に日々暮らしているジェニーさんにとって、この慰霊プレートは息子の存在を示すただ一つのものなのです。

「息子の死へのリスペクトなど更々ない…」

Licensed by gettyimages ®

ケヴィン君の慰霊プレートの周りが騒がしくなってから、ジェニーさんのFacebookには多くのゲーマーからの写真付きのコメントが寄せられたそう。そのほとんどが、息子の死をまるでリスペクトしていないものであったために、ジェニーさんはその写真を見るなり号泣し、無慈悲な人々の配慮のない態度に悲しみを隠せません。

ケヴィン君が生きていれば、ひょっとしてゲームに夢中になっている子供たちと同い年というところでしょう。息子の存在はこの世から消え、慰霊プレートだけがその存在を示しているというジェニーさんにとってはかけがえのない場所にも関わらず、多くの人が写真を撮り、騒々しくすることに対し「どうか息子をそっとしておいてほしい。私はこの状況に耐えられない」と悲痛な思いをメディアに訴えました。

また、ジェニーさんはポケモンGOのアプリの創始社であるアメリカのソフトウェアカンパニー「Niantic」に直接連絡し、慰霊プレートのポケストップを移動させてもらうように依頼。また、ウェブサイトのオンラインフォームからも同じようにポケストップの移動をリクエストしましたが、まだ何の返信もないそうです。

ポケモンGOを使用してはいけない場所というのはこれまでにも設定されており、9.11のテロがあったニューヨークの記念碑エリアやポーランドのアウシュビッツ博物館エリアでは、過去に亡くなった人々の死をリスペクトすべきだという意向でポケモンGOで遊ぶことは禁止されています。

ならばどうして息子の慰霊プレートの周りはいいのか…そうジェニーさんが思うのはもっともなこと。たった一人の死者の慰霊プレートでも家族にとってはそこは大切な場所なのです。むやみやたらに土足で踏み込まれるのは誰だって不適切で不愉快だと感じることでしょう。

ポケモンGOによる社会現象は「自閉症の子供たちにも楽しみと希望を与えた」「ポケモンGOをしていたら捨て犬を保護した」などとポジティブなニュースもあり、それは非常に嬉しいこと。でもありとあらゆるところに人が押し寄せるのは如何なものかと懸念する筆者。いくら社会現象だとはいえ、ズカズカといろんな所に大勢の人が足を踏み入れてしまうのは、やはり人として考えなければならないことではないでしょうか。

ジェニーさんの願いは届くのでしょうか。ケヴィン君がこれからも安らかに眠れるように、慰霊プレートの周りからポケストップをどうか移動させてほしいと筆者も願います。こうした事件や事故は恐らくこれからもどんどん増えて行くでしょう。歯止めが効かなくなるまで続いていくポケモンGOという社会現象。

みんながやっているからとすぐにアプリをダウンロードするよりも、果たして私たちにとって本当にいいことなのだろうか…とほんの少しでも考えてみるのもいいかも知れません。そして何より、皆さんにはマナーを守ってゲームを楽しんでもらいたいものです。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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