名前は知らなくてもこんなイラスト、どこかで見たことありませんか?

オードリー・ヘップバーン?
美少女?美少年?
レトロでコケティッシュなこのイラスト。

少し前まで、日東紅茶さんの宣伝にも使用されていたので
見覚えのある方も多いのでは?

マルチな才能で戦中・戦後の混乱期に「美しく生きる」事を提唱した、乙女のカリスマ。

このイラストを描いたのは、中原淳一先生。

イラストレーターなの?

いえいえ、淳一先生は画家であり、人形作家であり、編集者であり、
ファッションデザイナーであり、ヘアメイクやスタイリングも手がけ、
インテリアや雑貨にも造詣が深く、
時には作詞や舞台の演出、その衣装までトータルでプロデュースしてみたり…

書ききれない程マルチな才能の持ち主です。

戦中・戦後の混乱期。
日々、ごはんを食べる事だけでも精一杯、形振り構っていられない…

そんな少女たちに「美しく生きること」を提唱し、
一躍 昭和を生きる乙女たちのカリスマ的存在となった淳一先生。

乙女たちはやがて大人になります。
現代社会を生きる、仕事や恋愛、結婚、子育て等にあくせくし、
ちょっとお疲れ気味「元・乙女」の皆様…

淳一先生の美意識に、ちょっとだけ触れてみませんか?
きっと貴女の毎日に少しだけ潤いを持たせてくれるはずです。

先生の美意識に触れる前に、略歴をご紹介。

淳一先生は1913年、香川県でお産まれになります。
2人の姉に囲まれ、小さな頃からお人形作りがお好きだったそう。

1925年に家族で上京、1928年には美術学校に入学し西洋画を学びます。
美大生時代、お得意だったフランス人形作りが評価され、
銀座松屋で個展を開くなど脚光を浴びますが
戦争が始まり、西洋風の作品は世に出せなくなってしまいます。

前述した通り、淳一先生の才能は大変マルチ。
戦争が終わるまでは自身がプロデュースした品を扱う雑貨店を営んだり、
お着物の着こなし方の絵本(現代のファッション誌やスタイルブックのようなもの)を出版したりと活動を続けます。

この間に元宝塚のトップスター葦原邦子さんとご結婚。子宝にも恵まれます。

ちなみに上の写真は先生ご本人、1949年頃のもの…
1949年って、まだ戦後たった数年ですよ?とってもおしゃれ!

あの美輪明宏も、中原淳一に憧れていた?

1946年、雑貨店「ヒマワリ」を再開された淳一先生。
同年に伝説の雑誌「それいゆ」を創刊します。

おしゃれや美に飢えていた女性たちはこの雑誌の登場に歓喜!
瞬く間に売り切れてしまい、次号への問い合わせも殺到。
1号のみ発行予定だった「それいゆ」は2号、3号と続号を発行することになります。

「それいゆ」はどちらかと言うとちょっと大人の女性向けの雑誌、
翌1947年には少女向けの「ひまわり」を創刊。

この「ひまわり」の登場に当時の少女たちは熱狂、雑誌は飛ぶように売れていきました。

この「それいゆ」と「ひまわり」の愛読者だったのが美輪明宏さん。
当時の美輪さんのお写真…お美しいの一言ですね。

元々読者だった10代の美輪さん、
やがて「絶世の美少年」として「それいゆ」や「ひまわり」に掲載されるようになります。

ちなみに「それいゆ」の妹版「ジュニアそれいゆ」には、
オーディションに受かると紙面に掲載されるという、今で言う「読モ」的なシステムがすでに存在していました。
美輪さんも「読モ」出身だった?と思うと、なんだか新鮮ですね。

後に美輪さんが有名になってから、近年出版された本の表紙。
淳一先生のイラストが使用されており、今でもお好きなことがわかります。

美輪さんのあの美意識の根底は、淳一先生の教えなんです。

「それいゆ」や「ひまわり」…どんな記事が掲載されていたの?

当時の女性たちがこぞって買い求めた「それいゆ」や「ひまわり」、
じゃあどんな記事が載っていたの?って、気になりますよね。

5,000円札で有名な樋口一葉さんの小説などの読み物のほか、
美空ひばりさんなど当時の流行歌手へのインタビュー記事等も掲載されていましたが…

一番の特徴は淳一先生自身が発信する、毎日の生活をより良くするためのアイディア集。

例えば…当時のお掃除道具のメインはほうき。
必需品とはいえ、女の子の部屋にニュっとほうきが立てかけてあったら、
なんだか生活感丸出しで格好悪いですよね。

そんな無粋なほうきにも、毛の部分に手作りのカバーをつけたら…

あら、とっても可愛いらしい!

貧しくてお洋服を買えなくても、
大判のハンカチーフがあればスカーフ代わりにできたり、印象を変えられますよ…
髪型を変えるだけでこんなにおしゃれになりますよ…

つけまつげだって、頑張れば作れちゃう!

たった3畳しかないお部屋だって、工夫すればこんなに女の子らしく!

時にはこんな、お料理本も出版してみたり…

エプロンだって、こんなに素敵に!

生活のすべてに散りばめた美意識…中原淳一はライフハック術の先駆者。

数々の先生のお仕事をご紹介しましたが…

これってつまり、現代で言うところの「ライフハック」ですよね。
淳一先生はこれを「美しく生きるため」の「身だしなみ」として発信していました。

日本中が貧しい時代、だけどボロを纏ったり、汚いお部屋に居ては心まで荒みます。

古いお洋服だって、ちゃんとお洗濯をしてキレイに着ましょうね。
狭くて古いお部屋だって、きれいにお掃除して工夫を凝らして、女性らしく過ごしましょうね。

こういった「生活すべてに彩りを持たせる事」が、淳一先生の美意識なんです。

だから、中原淳一の作品や教えは色あせない。

当時の淳一先生のデザイン画を元に再現されたお洋服。
モダンでエレガントで、全く古さを感じさせないですよね。

先生の教えは現代にも生き続けています。
先に紹介した美輪明宏さんの他にデザイナーの高田賢三さんや丸山敬太さん、
ファッション評論家のピーコさん、作家の嶽本のばらさんも先生に影響されたと公言していらっしゃいます。

現代の「元・乙女」の皆様にこそ、中原淳一の教えは響くはず。

忙しく毎日の生活に追われている、現代の「元・乙女」の皆様。

仕事から帰ったらベッドに直行…
疲れたからごはんもカップめんでいいや…

だけどお箸やグラスはお気に入りのとびきり可愛いものを使ってみたり、
シーツや枕カバーはちゃんとお洗濯したてのキレイなものに換えてみたり。

お給料前だから節約!お洋服は買わないぞ!

買わなくたっていいんです、だけど見るだけ見に出かけましょう。
可愛いものやおしゃれなものに触れること、流行や美しさがわかる目を養うことが大切なんです。

たったそれだけのこと?
そう、それだけのこと。でもそれだけで女の子の生活は大きく変わるはず。

日々の生活に淳一先生の「身だしなみ」、取り入れてみませんか?

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お酒と音楽とサッカー、美味しいもの、お着物や昭和レトロをこよなく愛するアラサーおなご。

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