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医師が解説する医療・健康サイト「Doctors Me」編集部です。
古くから世界中に存在し、日本でも一時は恐れられた病気に「ハンセン病」があります。悪化すると鼻や手指が変形することから差別問題などもありました。
今回はこのハンセン病について、医師に詳しい話を聞いてみました。

ハンセン病とはどのような病気ですか?

ハンセン病は「らい菌」と呼ばれる細菌の感染によって生じる病気で、ノルウェー人医師であるハンセン氏が病原体を発見したことから「ハンセン氏病」とも呼ばれます。他にも「レプラ」と呼ばれたり、かつては「らい病」と呼ばたりしていました。

ハンセン病は聖書にも書かれているほど古い歴史を持つ病気です。らい菌は結核菌の仲間であり、細菌学的に似た特徴を持っています。

【ハンセン病の症状】

・皮膚にさまざまな形のできものができる
・神経細胞に感染することで、知覚障害や麻痺、痛みが生じる
・毛が抜ける
・顔面をコントロールする神経の麻痺で、まぶたが閉じにくくなる
・外見上問題があるほど、鼻や耳の軟骨が変形する
・手を動かす神経が麻痺すると手を動かしにくくなる
・骨も萎縮し感覚が鈍くなることもあり、けがややけどをしても気づきにくくなる

症状が梅毒などと類似している点があり、見分けがつきにくいことがあります。

ハンセン病の感染源や感染経路は?

治療を受けていない患者の鼻水や皮膚の浸出液に含まれた菌が、鼻や気道、傷口に付着することで感染すると言われています。昆虫などを介して感染するという説もありますがはっきりしていません。

感染力は非常に弱く、抵抗力の弱い子どもなどが患者と同居し、濃厚に接触するなどの状況以外では感染しないといわれています。

ハンセン病の治療内容は?

抗生物質を複数種類併用して内服する治療が行われ、ステロイドを使用することもあります。

皮膚症状や脱毛に対して、形成外科的な手術を行ったり、神経麻痺に対して炎症を抑える薬を使ったり手術を行うこともあります。

動かしにくくなった手足のリハビリも行われます。

日常生活における、ハンセン病の予防方法は?

らい菌には予防接種が存在せず、発症予防は困難です。
しかし、現在は日本において有病率は非常に低く(患者は10人以下とされている)、もともと感染力の非常に弱い菌であるため、特に日常生活においてハンセン病を意識して行動する必要はないと思われます。

ただし、インドやアフリカなど海外へ旅行に出る際には、現地の流行状況を把握するとよいでしょう。心配なことがある場合は、皮膚科で、海外渡航歴を申告して相談してください。

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最後に医師からアドバイス

ハンセン病は患者が末期になると顔面や手足に変形が生じることから、古くは忌み嫌われ差別や隔離の対象となったという歴史があります。

現代、日本ではほとんど患者はおらず、接する機会は小説の中などしかないのが現状です。それだけに理解が不十分でないことが原因で、患者がホテルへの宿泊を拒否されたなどの事件が起きています。

ハンセン病の正しい知識が広く知られるよう、まずはみなさん一人一人が関心を寄せてみてはいかがでしょうか。

(監修:Doctors Me 医師)

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