・まもなく開催するリオデジャネイロ五輪

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2016年8月5日に開幕するリオデジャネイロ・オリンピック。都市・リオデジャネイロは日本から遠く離れたブラジルに位置します。選手たちも現地入りを始め、世界中が開幕を楽しみにしているところですが、ある一枚の写真がブラジルで物議をかもしています。

・それは美しく彩られた街中の写真だった

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話題の写真はオリンピックのため美しく整備された街の道路の写真だったと言います。赤に黄色に緑、華やかな看板が立ち並んだ明るい風景のはずが、そこに写っていたものは…。

・道路に横たわる一人の女性

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なんと、その写真に写っていたのは道路のわきの日陰で眠る女性でした。着ているものは汚れており、持っていた荷物を枕代わりにして地べたにぐったりと横たわっています。すぐそばには車がせまっており危険ですが、他に良い場所が見つからないためか、ここで疲れをとっていました。

・この写真を見て驚きと怒りが

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華やかなオリンピック、しかし現地に住む人たちに笑顔はあるのでしょうか。そんなことを考えさせられるこの写真は1万5千以上のシェアを集め、ブラジル国内からも多くの反響が寄せられました。

「これがブラジルの現実だ」

・「これがブラジルの現実だ」
・「街を飾れば一見はキレイになる。しかし、オリンピックが終われば川はもっと濁ってブラジルは恥をかく」

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この写真こそがブラジルの姿を現しているというコメントが数多く寄せられていました。オリンピックのために街の整備などに莫大なお金が使われますが、果たしてそれが正しい姿なのでしょうか。生活が苦しい国民のためにお金を使うことが優先されるべきなのではないか。と、疑問に思う方が出てきてもおかしくありません。

・写真を撮ったのは写真家のフェリップ・バルセロさん

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バルセロさんはこの女性をバスに乗っている時に発見したとFacebookにコメントしています。リオデジャネイロ西部のバーハ・ダ・チュジカの近くから出発したバスでした。彼女に声をかけようとしたバルセロさんですが、彼女は話したがりませんでした。彼女はただただ寝たかったということです。

詳細は不明ですが、道路に横たわっていた女性に他に安全に過ごせる場所がなかったということが伝わってきます。

・この写真は画像加工はしていない

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この写真に対して合成なのではないかと疑う人もいたようですが、色を微調整する以外の加工は一切行っていないとバルセロさんは提言しています。その証拠に動画もアップされました。

・動画はこちらから確認できます

・「五輪より医療を」

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このような現実から、オリンピックに使うお金はあるのに医療や教育に使うお金がないなんておかしいと訴えるブラジル国民は少なくありません。

ブラジルが抱える問題をもう少し具体的にご紹介します。

・ブラジルの抱える貧困問題

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ブラジルに住む多くの方が心を打たれた今回の写真。その大きな理由としてブラジルの貧困問題がありました。「オリンピックにお金をかけている余裕があるのか?」と疑問に思う人が多くいらっしゃるのはこの国に深く根付いている貧困問題にあります。

ブラジルには世界最大といわれる貧富の格差が存在します。その極度に進んだ所得の寡占下で、じつに国民の60%もの人々が、その所得が国民平均所得の2分の1にも満たない貧困層に属しており、さらには、毎月最低賃金(70ドル程度)の半分以下の収入で生活している極度の貧困者数は、国民の32.1%に相当する5400万人にのぼります。

出典 http://www.pantanal.rossa.cc

・生活のために麻薬売買に手を出す

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今回開催されるリオデジャネイロは麻薬密売の犯罪が目立つ犯罪多発地域です。しかし、その裏側にも生活に苦しむ人たちの背景がありました。

必要に足る衣食や教育機会が与えられない極度の貧困状態にある15歳以下の子供たちは2250万人にのぼると言われます。そして、国連の暴力実態調査では、多くの貧しい子供たちが麻薬密売を生存のため必要とみていることが明らかになっています。 こうした貧困状況が、ストリートチルドレンの増大や、犯罪被害者の人口比率44%のリオデジャネイロに代表されるような世界最悪の治安を作り出す主要な原因となっています。

出典 http://www.pantanal.rossa.cc

本当は犯罪に手を染めたくなくても、お金を得るために違法行為を行ってしまう子供たちがいる現実がそこにはありました。

・ブラジルの犯罪率の多さ

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さらにブラジルの犯罪率の多さも大きな問題となっています。

・世界的に見ても非常に高い発生率

 ブラジルは世界的に見ても非常に高い頻度で一般犯罪が発生しています。また,麻薬に絡む組織的な犯罪も多発しています。これらの犯罪の手口は凶悪で,多くの犯行に拳銃等が使用され,抵抗すると殺害される可能性があります。

出典 http://www2.anzen.mofa.go.jp

・強盗発生率は都市部で日本の480倍

殺人や強盗が非常に多く発生しています。強盗は1日に1,000件以上発生(都市部では日本の480倍)しており、最大都市サンパウロでは、1日に12.1人が殺人事件の被害者になっています。(2012年)、ちなみに日本の殺人事件被害者数は、2.8人/日です。

出典 http://www.teguchi.info

・リオデジャネイロの治安の悪さ

【リオデジャネイロ】
(1)犯罪発生状況
 治安状況は悪く,麻薬犯罪組織の抗争事件,銃器やナイフを使用した路上強盗,自動車強盗事件及び商店に対する強盗事件等が頻発しています。特に麻薬密売組織間の抗争に治安当局が介入した銃撃戦がスラム街で昼夜を問わず発生し,多くの一般市民が巻き添えになって死傷しています。
(2)犯罪被害多発地域
 従来は安全といわれていた観光名所及びその周辺についても,拳銃を使用した路上強盗や住居侵入強盗が頻発しています。また,観光地や高級住宅街の周辺には貧民街が密集しており,その周辺では,麻薬犯罪組織の抗争事件や治安当局の取締りによる銃撃戦等が頻発しています。

出典 http://www2.anzen.mofa.go.jp

・国の為に資金を使いたい

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皆様はどう思われましたか。
国内に深刻な問題を抱えるブラジル、オリンピックの資金の使われ方について疑問に思う声が聞こえてくるのもわかります。

・オリンピックが終わったら残るもの

8月に開幕を控えたリオデジャネイロ五輪の組織委員会が、4億─5億レアル(1億2100万─1億5100万ドル)の赤字を抱えていることがわかった。

出典 http://jp.reuters.com

赤字資金は市当局や州政府、連邦政府が穴埋めすることになっており、公的資金が使用されると想定されます。政治、治安が不安定な国で更なる財政難をオリンピックがもたらすかもしれません。

・2024年の開催国を巡っても…

出典 http://www.bbc.com

ボストンでは市民の反発に負け2024年五輪招致を取り消ししたというニュースがありました。「オリンピックより先にやることあるだろ!」世界中でオリンピックへの反発が強くなってきています。

・日本も他人事ではない

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2020年に開催が予定されている東京オリンピック、パラリンピックの資金の使われ方について東京都民を始めとした日本国民にとって重要な課題です。

・計画時の3000億円の6倍以上!?

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元々東京がオリンピックに名をあげたときは運営費の予算は3000億円で提示をしていました。しかし、現在すでに計画時よりも大幅に予算がオーバーすることが懸念されています。

「二兆円を超すかもしれない」

大会組織委員会の森喜朗会長は昨年七月、「全体の計画で当初の三倍ぐらい」かかり「最終的に二兆円を超すかもしれない」と発言。当初は整備費に四千三百億円、運営費に三千億円の計七千三百億円とされ、三倍すると二兆円超になる。

出典 http://www.tokyo-np.co.jp

リオデジャネイロでも同じくオリンピックの運営費資金不足が問題となっています。日本も他人事ではないということがハッキリとわかります。

・問題となった国立競技場だけで2500億円

・赤字を補うのは税金

大会運営予算は約3000億円を見積もり、IOC からの分配金やテレビ放映権料、チケット収入、スポンサー収入などで賄う。仮に大会運営に赤字が発生した場合には政府による財政保証も取り付けている。

出典 https://ja.wikipedia.org

もしオリンピックの運営費で赤字が発生した場合、それを補わなくてはいけないのは政府であり資金源は私たちの税金となることを忘れてはいけません。

・公的資金の使われ方

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東日本大震災や熊本地震が発生した日本では、これからまだまだ復興に向けての資金が必要です。オリンピックは確かに華やかな式典ですが、それが終わってしまったあと、日本はどうなるのか…などオリンピックがもたらす光と影について、私たちはこれからどうしていくべきか真剣に考えなければならないのかもしれません。

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