ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

「老害」という言葉があふれる昨今。

中高年に対する若い世代の目が厳しくなっています。特に受給できる年金の格差に対する不満や金銭観の相違など、世代間の溝がたびたび見られるようになりました。

若い世代が困窮していることは事実ですし、未来を担うはずの子育て支援が手厚くないという声もあります。しかし、高齢者の方も給付金や年金で全ての問題が解決するわけではないので、一概にどちらが大変であるかを比較することが難しい問題でもあります。

そこで71歳になった現在も精力的に活動し、仕事も恋愛も楽しんでいる高須クリニック院長・高須克弥さんに「老い」をテーマにお話を伺ってきました。

「若い人が、老人に辛辣な発言をするのは“愚か”」

出典Spotlight編集部

ーー「老害」という言葉に代表されるように、若い世代が高齢者にたいして辛辣な発言をする場面が増えていますが、それについてどう思いますか?

高須院長(以下高須):僕もしょっちゅうそういうことは言うけど、老人が老人のことを言うのは仲間内だから傷付かないの。でも、若い人が言うのは愚かだなって思う。もうすぐ自分の番が来るのに、そんなことを言っては「天に唾(つば)する」ように、必ず自分に返ってくるから。

自分は老人にならず、ずっと若いままだと思っているから、そういうことを言うんでしょうね。老人に対して不満を抱えるのはいい。でも、言うのは失礼だよ。誰だって最期は何かしらの問題が出てくるわけだから。

死ぬことは怖くありませんか?

出典Spotlight編集部

ーー誰でもいつかは死を迎えますからね。高須さんは今年で71歳になられますが「死」は怖くありませんか?

高須:怖くはありません。僕はね、人間は2回死ぬと考えているんです。1回目は肉体が死んだ時、2回目は人々の記憶から無くなった時。みんなに忘れられた時が、本当に死ぬ時です。だから、自分の存在をどれだけ記憶に残せるかというのは大事なことだと思いますよ。

よく冗談で言ってるんだけど、自分が死んだ後もクリスマスカードや年賀状なんかを送り続けてもらえば、ずっと生きてることになるでしょ?

人の記憶に残るという点で言えば、お札になった福澤諭吉はずっと生きてますよ。もし道端で見かけたら、声をかけたくなるもの。

肉体の死というのは限界があって、100歳まで生きるのは至難のわざだし、110歳なんてギネスものだから。それを考えると、僕は人の記憶に残り続ける“記憶寿命”を延ばそうと思ってるんです。

「教育のサポートをさせてもらえるのが1番嬉しい」

出典Spotlight編集部

ーー人の記憶に残るといっても、社会の記憶と身近な人の記憶に分かれると思いますが、高須先生はどちらの記憶に残りたいですか?

高須:身近な人の記憶寿命は、肉体の寿命とさほど変わらないと思いますよ。仲間内の寿命だから、たかが知れているでしょう。それも大事な記憶だけど、孫やひ孫の世代になったらやはり世代をまたいでいる分、僕のことをどこまで覚えているかわからないもの。

僕が1番期待しているのは、チベット亡命政府の子ども達の中で医者を目指す子が出てくること。もし、医学部に入る子がいたら、僕が全額費用を負担するという契約を亡命政府としているんですよ。

こういったサポートをすれば、学生さんは一生僕のことを忘れないでいてくれるからね。いろんな社会貢献をしていますけど、教育のサポートをさせてもらえるのが1番嬉しいんです。

老いてからの恋は、アリですか?

出典Spotlight編集部

ーー高須院長は漫画家の西原理恵子氏との交際も話題ですよね。老いてからの恋愛というのは珍しいものでしょうか?

高須:決して珍しいものではないですよ。ただ、感情のコントロールは上手くいかないかもしれない。おじいちゃんとおばあちゃんが恋愛で揉めて、刺したり、刺されたりなんてニュースもあったしね…。

もちろん、外見はすごく老けるのよ。でも、内面は少年・少女のまま。

だから僕は、おばあちゃまが「若返りたい」とシワを取りにいらっしゃった時にも、こうささやいてあげるの。

本当はあなたの中に、可愛いお嬢さんが入っているんでしょ? 今、掘り出してあげますからね」って。

「結婚はしなくてもいいけど、繁殖はした方がいい」

出典Spotlight編集部

ーーエイジレスな生活を送っている高須先生ですが、ズバリ年老いても恋愛をした方がいいと思われますか?

高須:恋愛ってね、した方がいいというものではないと思いますよ。いくら周りが食べろと言っても、本人が空腹でなければ食べたいと思わないのと一緒で、恋愛自体を面倒に思う人もいるでしょうしね。

それに、下手に「独り身ではいかん」と紹介されても、財産目当てだったというケースもあるからね。連れ合いに先立たれた資産家は、狙われますよ。

ーー恋愛するもしないも自由となると、若い世代の結婚についても同様でしょうか?

高須:だけどね、子どもを産まないと子孫が絶えちゃうから。人口減少は、今の日本で一番深刻な問題だと思いますよ。

若い人はみな時間もお金もないというけど、発展途上国の人たちは子沢山ですよ。それにお金がない時代の方が、むしろ子どもがたくさん生まれてました。団塊の世代が生まれた時期なんて戦後だから、今より経済的に苦しかったはずだもの。

僕としては遊ばなくてもいいから、繁殖行為だけはして欲しいね。さもなくば、日本人がトキのように絶滅危惧種になってしまいますから。

結婚が面倒くさいという人もいるけど、今はライフスタイルも多様化しています。そういった新しいスタイルも尊重しなきゃ。それこそイノベーションだよ。

ーー御年71歳でありながらも、精力的な活動を続ける高須院長。その言葉からは若い世代に寄り添う温かいまなざしと、人としての器の大きさを感じました。

「社会の記憶に残り続けたい」と語る高須院長の挑戦は、これからも続くことでしょう。

【番外編】数えきれない賞状に震える

出典Spotlight編集部

今回、高須クリニックでインタビューをさせていただいたのですが、壁一面に高須先生への感謝状、資格証の数々が飾られており驚嘆するばかりでした。

中には中国政府が特別に作った切手や、僧侶の資格証もあり、改めて高須先生の活動の幅広さを再認識しました。

<取材・文/横田由起  撮影/長谷英史>

この記事を書いたユーザー

Spotlight編集部 このユーザーの他の記事を見る

Spotlight編集部の公式アカウントです。

権利侵害申告はこちら

Spotlightのライターなら1記事最大3000円もらえる!日本最大級メディアでライターデビューのチャンス