動物と人間の触れ合いの場、サーカス

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その昔、欧米では「街にサーカスがやって来る」と聞くと子供たちははしゃいで両親に「サーカスに連れて行って!」とねだった時代がありました。日本でも海外から有名なサーカス団の来日宣伝広告を見かけることもあるかと思います。

「動物と間近で触れ合える場」「動物たちの夢のようなパフォーマンス」と言えば聞こえはいいですが、今やそれらは言葉を返せば「人間による残酷な虐待」でしかありません。最近ではサーカスに動物を使わないようにという抗議も多く、実際に非営利団体はその運動を広めています。

サーカスが良くないとされる5つの理由

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世界的に有名な非営利団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)やLCA(Last Chance for Animals)は、動物の悲惨な現状を毎回訴えています。その様子はYouTubeなどの動画でも見ることができ、ある動画でLCAは「サーカスが良くない5つの理由」を挙げています。

●残酷な訓練方法
動物たちを従順にさせるために、訓練と称して棒で殴ったり引っ張り回したり、鎖につないで立たせたりとその方法は見るのも辛いほど。

●無理やりさせられるパフォーマンス
演じることに慣れていない動物を、人間の身勝手な私利私欲のために無理やりパフォーマンスさせるのは虐待以外のなにものでもありません。

●狭い檻の中で飼育
普段野生で伸び伸びするべき動物たちを、狭い檻に入れて飼育。飼育というと「世話をするのか」と思いますが放ったらかしにしているために檻の中は不衛生で、動物たちも栄養が摂れず毛並みも悪いといった悲惨な状態。感染症などの病気にもなりやすい動物たち。でも死ねばそのまま捨てるという残虐行為も行われているのです。

●暑い場所や寒い場所での飼い殺し
サーカスで飼われている動物たちは、寒い場所で生息する動物や暑い場所でしか生きられない動物たちがいます。そんな動物たちの環境など考えずに、ラクダを雪の降る土地に連れて行き何か月も屋外で飼育したり、人間でも参るような暑さの中放ったらかしにしているといった現状は決して見過ごしにはできません。

●1年を通して11か月もの間旅から旅をさせられるサーカスの動物
11か月ということは、ほぼ1年中です。100時間ぶっ通しでトラックの中に狭い檻に押し込められた動物たちは次の移動地へと向かいます。人間ならサービスエリアで休憩もできますが、檻に閉じ込められた動物たちはそのまま。これが彼らにとってとてつもないストレスとなるのは想像に難くありません。

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このほど、「The Dodo」が報じた中国のサーカスで飼われている動物たちの様子がPETAによって明らかになりました。今回は中国のサーカスがフォーカスされていますがこの状況は世界中のサーカス団で起こっていることだと言ってもいいでしょう。動物たちに強いる無慈悲で理不尽な「訓練」に思わず胸が詰まります。

二本足で立たせる訓練をさせられる子熊

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熊は普通4本の四肢で歩くもの。ところがサーカスの熊は無理やり二本足で歩くことを覚えさせられます。その方法はあまりにも惨いもの。首に上から鎖を繋げ、首が詰まってしまうのではないかと思うほどきつく引っ張り上げるのです。そうすると二本足で立たずにはいられません。

もちろん狭い範囲で数歩動くことしかできません。まさに首を引っ張り上げられて苦しい状態の子熊の傍でサーカスのスタッフたちは何の罪も感じずに、訓練として当然のことをしているまでだと言わんばかりに立っています。

麻酔無しで鼻に穴をあける非常さ

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繋いでおくためというよりも、抵抗する気力を失わせるために鼻に麻酔無しで穴を開けます。これはタイで観光客を乗せている象にも共通していることですが、人間は動物たちの強い「気」をくじくために、故意に非常なやり方で征服を試みているのです。これが虐待でなくてなんなのでしょうか。

暴力で持って教え込む

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「言うことを聞かないと酷いぞ」という言葉の暴力と実際に棒や手足を使って動物を突いたり蹴ったりする身体的暴力の二重の仕打ちを受ける子熊たち。せいいっぱい鳴いて抵抗しようとしますが、人間の強さには勝てません。彼らは生まれた時からこのような非道な環境で生きているのです。抵抗したところで自由を得られるわけでもありません。

狭い檻はストレスを与えるだけ

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ライオンやトラなどの大型の動物でも狭い檻の中での生活を強いられています。ショーと厳しい訓練以外は、ずっとこの檻の中。そしてコンクリートの地面で横たわるしかないのです。自然のあの土の匂いや温かさを生涯知ることもなく、ひっそりと息絶える動物も少なくありません。

残酷な訓練でも、動物たちにとれば狭い檻の外へ出られるだけでもマシなのでしょうか。こうした動画を「辛くて見ていられない」という人は大勢います。どうして動物虐待はなくならないのでしょう。

個人的に誰かが動物を苛めることも、サーカスで動物をこのように扱うこともいわば公の虐待に変わりはありません。時代は移り変わっているために、全てのサーカスで動物を使うということを止めるべきではないでしょうか。動物は人間の「もの」ではないのです。

スタッフに棒で突かれ怒るライオン

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ライオンが抵抗すればするほど「生意気な!」と更に打たれます。「言われる通りにしてればいいんだよ!」と聞こえてきそうな訓練の光景。百獣の王ライオンのプライドも凛々しい勇姿もサーカスでは見る影もないのが残念でなりません。

毛並みも悪く栄養も行き届いていないライオンの子供

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貧相な表情で震えるライオンの子供。この子はこれからサーカスで一生を飼い殺しの運命を辿るのでしょうか。サーカスにいる動物たちは不衛生な環境で餌も十分には与えられないことも多く、ストレスばかりが募る毎日を過ごしています。

めいいっぱい威嚇する子ライオンが痛々しい…

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歯がボロボロに欠けたトラ

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出番もなく不衛生な檻の中で暮らす子豚…

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「ここから出して」…檻の中の子熊はそう訴えているのか

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PETAが捉えた子熊たちの目には虐待を受けているのが明らかな怯えの色しかありません。人間に対して恐怖感しかもっていないおどおどした表情を狭い檻の中から投げかけます。それでも「ここから出して。お願い」と訴えているような気がするのは筆者だけでしょうか。

国によってはサーカスで動物を扱うことを禁止している

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欧米、オセアニア、アジアの一部ではサーカスやその他のイベントで動物の使用が禁止されている国もあります。でもそのほとんどは「全ての動物」ではなく「一部の動物」となっています。まだまだ動物を使っているサーカスが存在するということがわかります。

また、サーカスの中には暴力的な犯罪をおかした前科者がサーカス団員として働いているというケースもあるようで、サーカスの表には見えない裏側がいかに酷いものかということも認識できるでしょう。

動物虐待を止めることはとても簡単なことなのです。「自分が同じようにされたらどう思うか」それを考えることで答えが出るのではないでしょうか。PETAの活動は時に過激的だとも言われています。でもそこまでしても後を絶たない動物虐待の社会に問題があるのではないでしょうか。

この記事を読んで、今一度動物虐待を考えるきっかけをみなさんにも持って頂ければ嬉しいです。

出典 YouTube

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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