学校で日常的に我が子が苛められているのを知った親なら、きっと学校へもそれを伝え苛めを取り締まるように願うでしょう。エスカレートすれば警察へも相談することになります。ところが、ここイギリスで一人の父親が我が子のためにしたことが逆効果となり、全く持って不公平な結果を引き起こすこととなってしまったのです。

子供たちのために立ち向かった父なのに…

カンブリア地方に住むクリストファー・クーパーさん(37歳)は、1年以上も続いている子供たち二人への壮絶な苛めにずっと悩んでいました。このほど、Facebookに悲痛な胸の内を明かしたクーパーさん。

1年ちょっと前にある学校へ引っ越した子供たち。ミリーちゃん(11歳)とブレイダン君(9歳)が新しい学校に1日も早く慣れてくれるようにと願っていたクーパーさん。ところがすぐに二人が苛められていることが発覚したのです。

楽しいはずの学校生活は地獄と化した…

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二人にとって新しい学校生活は苦痛以外のなにものでもなくなってしまいました。ミリーちゃんは苛めっ子たちに床に突き飛ばされ、踏みつけられたりと身体的な暴力を受け涙を拭くために眼鏡を外すと、その眼鏡を取り上げ踏みつけて壊すという何とも陰湿で残酷な苛めを受けたのです。

9歳のブレイダンくんも身体的暴力を受けていた

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姉のミリーちゃんだけでなく、ブレイダン君も酷い苛めを受けていました。学校が休みに入る前には、苛めっ子たちは「今から2週間会わないからその分余分に苛めてやるよ」と学校帰りのブレイダン君を捉まえて殴る蹴るの暴力。その光景を見ていた人から連絡を受けたクーパーさん。息子に問いただしてみると、目に涙をいっぱい貯めながら父に苛めを告白したのです。

学校へ訴えたクーパーさんに、学校側は…

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日常的に繰り返される我が子への苛めを何とかしてほしいとクーパーさんは学校側へ相談。ところが学校の対応は冷たいものでした。「学校の敷地内で起こっている苛めではなく、外で起こっていることなので学校はそこまでは対応できかねる」と言われたのです。更には「息子さんを学校帰りにショップに立ち寄らせるのが悪い」という、まるでこちらに非があるから苛められるのだといわんばかりの態度だったそう。

たまりかねて警察に相談したクーパーさんに、警察側も「生徒同士の苛めは、学校で解決させるべきだ。学校の外で、明らかな被害が出ない限りは対応しようがない」と言われました。学校も警察も何もしてくれず、ただ苛めは続くばかり…。そしてブレイダン君はその翌月に腕を折られ、手術をするという事態になってしまったのです。

入院しなければならないほどの苛めを受けたブレイダン君

出典 https://www.facebook.com

苛めっ子の一人がブレイダン君の腕を外側にねじあげ、他の苛めっ子たちがお腹を殴る蹴るの暴行を与えました。そしてミリーちゃんも学校のパーティーでもドレスの上から飲み物をかけられて殴られたりと言葉と身体的暴力が相次いで、摂食障害を起こしてしまうまでに。

ブレイダン君も学校へ行こうとすると吐き気に襲われるという精神疾患に陥ってしまうようになったのです。何もしてくれない警察と学校。学校側は「苛めっ子の親に電話をして注意をしておいた」と答えたそうですが、何も変わっていないのは明らかでした。

あなたなら、どうする?

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我が子が壮絶な苛めにあっていると知ったら、あなたならどうしますか。筆者もクーパーさんと同じように、まず学校に相談するでしょう。苛めの現場を見ていない親は、どういう状況で苛めが起こっているのかという詳細を判断することは非常に難しいもの。変に親が真ん中に立ってしまうと、かえって子供たちの状況を悪化させてしまうのではという怖さもあります。

でも、度重なる悪質な苛めは絶対に見過ごせません。クーパーさんの子供たちはこの苛めにより、以前は楽しんでいた学校生活が転校したために地獄と化し、精神的なダメージも大きく性格さえも変わってしまったのです。そしてブレイダン君が入院している間にも、ミリーちゃんは苛められていました。

でも、彼女はそれを父親には話しませんでした。クラスメートの一人が先生に言ったことで先生がクーパーさんに連絡して来たのです。「どうして話さないのか」と聞いたクーパーさんにミリーちゃんは「話したって何も変わらないでしょう。意味ないじゃない」と言ったそう。あまりにも悲しすぎる苛めの事実。子供たちを守るのはやっぱり親でしかないのです。

だから、クーパーさんは立ち上がった

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1年以上も続いた壮絶な苛め。愛する我が子の辛い様子を見ているのはもううんざりだ。そう思ったクーパーさんは、ある日、いじめっ子たちに「これ以上子供たちを苛め続けるならただじゃおかない」と怒ったのです。

そしてその結果、クーパーさんは警察の取り調べを受けることになってしまいました。

子供を守るために立ち向かっただけなのに

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クーパーさんの気持ちももっともではないでしょうか。我が子が苛められている。学校も警察も何もしない。だったら親が出るしかないでしょう。苛めっ子たちに「ただじゃおかない」と言ったことが脅迫発言とみなされ、苛めっ子側が警察に通報。そしてクーパーさんは被害者から一気に加害者の立場になってしまったのです。

こんな不公平なことがあるでしょうか。「子供たち二人に手を出すな」と言うのは親として当然のこと。「それ以外に何の選択方法があるというんだ⁉」とクーパーさんは警察や学校、そして苛めっ子たちに失望と怒りを隠せません。

親が子供の味方になるのは当たり前。だからこそ見て見ぬふりはできないと思ったクーパーさんは苛めっ子たちにもの申したのです。それなのに警察側から苛めっ子たち被害者(!)への脅迫に対して罰金支払いを命じられ、助産師というキャリアまで失ってしまう可能性もあるということで「なんてことだ。ジョークにもならない」とFacebookに悲痛な胸の内を語っています。

「学校や警察は子供たちを守るためのものではないのか」

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「学校は子供を、そして警察は市民を守るために存在するのではないのか」とクーパーさん。現在、二人の子供たちの安全のために学校を休ませているクーパーさんですが今後の対応について学校側からは何の連絡もないそうです。

クーパーさんは「どうやら苛められている被害者よりも、苛めっ子たちの方が学校での権利が主張されるようだ」と怒りを隠せません。苛められ続けている娘に「いじめっ子を蹴り返してやれ!」と励ましたクーパーさんは苛めっ子に罰金を支払って、仕事を失わなければいけないほど酷いことをしたのでしょうか。筆者にはそうは思えません。

クーパーさんの心情を察したユーザーたちからは同情の声が寄せられています。「MP(市議会議員)に相談してみたらどうかな」「そんな不公平信じられない」「親としてあなたの心が痛いほどわかる」「オンラインで署名運動してみたらどうかしら」などと励ましのコメントと共に、このメッセージのシェア数は21万以上にものぼっています。

法律は必ずしも弱者の味方ではない

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クーパーさんたちは明らかに被害者側。愛する我が子二人が受けている壮絶な苛めを目にして、親として大きなショックを受けたことは言うまでもありません。親としての責任と子供を守るという親の愛を果たしたまでのこと。それなのに立場が逆転してしまうという理不尽な結果にあなたはどう思いますか?

クーパーさんは、苛めっ子たちにを怪我させたわけでもないのです。あくまでも「大人が子供に脅迫まがいの言葉を投げかけた」として罰せられているのです。でも、苛めっ子は数倍もの酷いことをクーパーさんの子供たちにしています。そこのところの公平性はどうなっているのかと疑問を抱かずにはいられません。

もしこれが原因で、クーパーさんが仕事をクビになるようなら不公平以外なにものでもないのではないのでしょうか。学校側は早急にクーパーさんの子供たちへの対応をすべきだし、苛め対策も取るべきです。

クーパーさんはFacebookで「全ての親が望むことは、自分の子供たちに楽しんで学校生活を送ってもらうことではないのだろうか」という言葉で締めくくっています。苛めという過酷な試練を与えられたことでこの先、ミリーちゃんとブレイダン君にはカウンセリングも必要になるでしょう。彼らがトラウマを抱えて生きていくのを見るほど親にとっても辛いことはありません。

立ち向かったクーパーさんを筆者は親として当たり前のことをしただけだと思います。みなさんはどう思いますか。いじめは、絶対に許してはならないのです。見て見ぬふりをして子供を傷つけて取り返しのつかないことになるよりも、絶対に許してはならないという気持ちで対応するべきではないでしょうか。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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