「病院」を好きな人はいない

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恐らく誰も「病院」を好きな人はいないでしょう。白い壁に囲まれた白いリノリウムの廊下は、清潔感と共にその言いようのない簡素さから孤独感を象徴している風にも思えます。そして患者が着ている病衣も、一人一人の個性を奪った質素なもの。病院という箱の中の団体生活を強いられているのだから個性は問題ではないという人もいるでしょう。

でも、難しい年頃の10代の子供たちにとっては、「自分らしさ」を失ってしまうことはとてつもなく大きなことなのです。

病衣は「自分であること」を奪ってしまう…

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検査などで一時的に着用するのならまだ気にならないかも知れません。でも長期で入院となると病院内で限られた生活を強いられる上に、無地のそっけない病衣は10代の子供たちを精神的に更に落ち込ませてしまう要因となっているのです。

「自分は今病院にいるんだ、っていつも自覚させられる」

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病衣を着ていると、自分の病気や怪我という事実をそのまま受け止めなければならず、病院にいるという気持ちが暗くさせると子供たちは言います。

「決して気分のいいものではないよね」

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「病院にいると自分の個性が奪われた気持ちになる」と子供たち。

「他の人になっちゃったみたいだ」

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みんなと同じ個性のない病衣を着ることで、自分らしさが消え表情が暗くなりますます病院にいたくないという気持ちが湧くのは自然なことでしょう。「こんなところに長くいたくないと思う気持ちが励みになり、頑張ってリハビリなどができるようになる」という人もいますが、年頃の子供たちにとっては「今この瞬間」をどこにいても楽しみたいもの。

なかなか大人のように割り切って病院生活を過ごすということが難しいのではないでしょうか。

そこで、今回画期的なアイデアが開発されました。入院している子供たちに楽しいデザインの病衣を作るというプロジェクトがカナダで行われたのです。

プロのデザイナー数名とNPOのコラボで生まれた

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カナダのNPO(非利益団体)である「Starlight Children’s Foundation Canada」と、故デヴィッド・ボウイやハリウッドの有名女優メリル・ストリープなどの衣装デザインを手がけた経験を豊富に持つデザイナーがコラボし、病院にいる子供たちに「病衣の改革」をプレゼントしたのです。

「子供たちが病院でも自分らしくいられるため」への大きな挑戦

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これまでになかった「病衣の改革」はプロのデザイナーたちの心に響きました。「病院にいても自分らしくいるチャンスを」というテーマで次々とデザインされていく病衣。そのまま街のショップで売っていてもおかしくないようなものばかり。

「子供たちへパワーを与えるものであってほしい」

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誠心誠意心を込めてデザインされたたくさんの病衣が病院に運ばれました。「この病衣が、子供たちにパワーを与えるものであってほしい」そうデザイナーのインディアさんは語ります。

早速様々な病衣を手に取る子供たち

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なんだかお店に着たみたいで嬉しそうですね。既に子供たちの表情が生き生きと明るくなっています。

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「わー!こんなデザインもあるんだ!」興奮して喜ぶ少女。

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「どっちが似合うかな。」元気だった時のショッピングの光景を思い出すのでしょう。試着にワクワク。

みんなの嬉しそうな顔を見ていると、病衣という衣装たった一つにも心に暗い影を落としていたことがわかります。普段はおしゃれだってしたい年頃の子供たち。病院にいたって、自分らしくいたいと思うのは自然なことでしょう。このプロジェクトはそんな子供たちの願いを見事に叶え、笑顔をもたらしてくれました。

タグには「Ward+Robes」の文字が

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タグには「Ward(病棟)+Robes(部屋着)」の言葉が。「+」を付けることで質素な病衣がパワーアップ。

「君はとっても個性的」

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そんなメッセージが書かれたタグも。

「うん、ほんとその通りだと思う」

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「君は個性的だよ。いろんな病衣を着てみない?」と書かれたタグを見た少年は「うん、本当にその通りだと思う。」その言葉を噛みしめるように頷きました。

それぞれ好きな病衣を着た子供たち。「なんか自分って感じがする」「病院にいるっていう気がしない」「病院では味わえないワクワク感が戻った感じ」

「病院の外にいた自分が取り戻せた」

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自分らしさを取り戻した子供たちの表情は明るく、今向き合わなければいけない病気や怪我に対しても精神的にパワーを得たようです。そんな強さこそ、病院ではどの患者にも必要なのでしょう。

「自分らしさを感じることはどこにいても大切だけど、病院ではそんな気持ちになれなかった。でもこの服を着たらどこにいても自分の個性を感じることが大切だってわかるわ。」と少女の1人はコメント。

長く病院にいることで、自身の病気や怪我の具合を心配するのと同じように、子供たちは自分らしさがどんどん奪われていくことを一番気にしているのだということがよくわかります。

いろんな意味で、病院の子供たちに希望を与えるこのプロジェクト、とっても素敵だなと思います。子供たちが自分のパワーを信じて病気や怪我を克服できるようになってくれることほど嬉しいことはないでしょう。

素敵なデザインの病衣を着てキラキラと目を輝かせる子供たちをもっと応援したいですよね。このプロジェクトはカナダのオンタリオで始まりましたが、全カナダ、そして世界に広めていく計画をしているそうです。現在も作成のための寄付金を募っています。詳しくはサイトをご覧ください。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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