ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

昨今、日本を訪れる外国人観光客が増えています。爆買い観光客などのイメージが強いかもしれませんが、中には日本の文化を愛するが故に移住する人もいらっしゃるのです。

今回ご紹介するアメリカ出身のボビー・ジュードさんも、「禅」に興味を持ち日本に1年ほど滞在するはずが、日本に住み続けて10年目に。現在は、九州を拠点としたタレント活動や、YouTubeやブログ、SNSなどで独自の観点から日本のカルチャーを発信していらっしゃいます。

中でも「外国人にHelloと言ってはいけない理由」を説明した動画はネットで大きく話題になり、なんと再生数75万回超え!海外と日本のあいだのギャップを鋭くついた視点には定評があります。

そんなボビーさんは、現在奥様と双子のお嬢さんとの4人家族。パパでもあることから、Spotlight編集部では日本とアメリカの育児文化の違いや、日本に住んで感じたことなどをお聞きしました。

「里帰り出産の習慣に驚いた」

出典Spotlight編集部

ーー日本の育児習慣で驚いたことはありますか?

ボビー:アメリカは里帰り出産の習慣がないんです。だから、産後に実家でおばあちゃんやお母さんがお世話をすると聞いた時は、とても驚きました。

どんなに近所でも実家に戻るということが、まずないんですよ。「産後の身の回りのことは、自分の責任で」というのがアメリカの考え方なので。場合によっては見てもらうこともあるけど、1か月、2か月実家に滞在することは考えられません。

ーーボビーさんの奥さんが出産した時は、どうされたんでしょう?

ボビー:我が家も奥さんが、2ヶ月半くらい実家に戻ってましたね。双子で大変だったから、帰ってきてからも半年くらいおばあちゃん(奥さんの祖母)が、住み込みで面倒を見てくれました。

最初はすごく抵抗がありましたが、仕事をする側としては正直とても助かりました。もちろん僕もできることはやったけど、家族の助けがあるというのはすごく良かったです。

ーーボビーさん自身は、里帰り出産の習慣がアメリカにもあればいいと感じましたか?

ボビー:うーん…実家に完全に帰るわけではなく、適度な距離で家族のサポートが受けられる環境が理想だと感じました。

アメリカは結婚などで独立したら、血縁関係があっても実家とは別世帯と見なされるため、たとえ孫のサポートであってもお願いしにくい傾向があるんです。メインは自分たちで育児しつつも、何かあった時は家族が助けてくれる安心感がアメリカにもあるといいなと思います。

「高校生がベビーシッターをすることもある」

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ーー日本は実家のサポート以外に保育園に預けるのが主流ですが、アメリカではシッターさんに見てもらう家庭が多いそうですね。

ボビー:そうですね。シッターさんに見てもらうという文化が根強いんです。それこそ近所の高校生が、アルバイト的にシッターをすることも少なくありません。それが当たり前なので何の抵抗もないですし、彼らは頼れる存在です。日本ではシッターさんを頼む家庭が少ないですよね。

ーー数年前に無資格者による虐待事件が起きてから、シッターさんの利用を恐れる親御さんがいますし、そういった育児サービスを受けること自体が「母親が手抜きをしている」と思われがちな風潮がありますね。

ボビー:虐待に関してはアメリカでも敏感なので、事前にシッターさんをトライアルしたり、信頼できる知り合いに紹介してもらうなど頼む人を見極めることが多いです。

アメリカでは結婚、出産をしても、個人としてのアイデンティティを大切にする人が多いので、夫婦だけの時間、1人の時間を確保するために、シッターさんをお願いすることがあるんです。でも、日本では親がアイデンティティを持つことに対して、否定的な人もいますよね。

「“○○ちゃんママ”という呼び方に違和感」

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やはり、良くも悪くも日米の間には育児文化の違いがあるようです。そんな中で、ボビーさんが最も違和感を感じたのは、意外な部分でした。

ボビー:ママサークルやママ友同士の会話で「○○ちゃんママ」「○○くんパパ」という呼び方に、すごく違和感を感じました。

その人の名前があるのに、なぜ呼ばないんだろう?と思うんです。そういう呼び方は、ママ、パパとしての存在のみにさせられてしまっている印象があります。

ーー日本でも、まさにそういった内容のドラマが、かつて放送されていました。アメリカでは、そういった呼び方をされることはないんですね。

ボビー:マミー、ダディと呼ぶのは子どもだけで、それ以外の人は必ず名前で呼びます。

「ハーフに対する発言がモノ扱いのように感じる」

「その人自身を尊重して欲しい」という気持ちは、愛する我が子に対しても同様で、ボビーさんは周囲からの“ある言葉”を気にしていました。

ボビー:私たちは、国際結婚をしているので娘たちはハーフなんですけど、「やっぱりハーフは可愛い」「ハーフの子どもが欲しい」と言われることが気になります。私たちとしては、「私たちの子ども」であって…「ハーフが欲しい」と言われると、なんだかモノ扱いされているような気持ちになってしまうんです。

今、日本で「ハーフ」ではなく「ダブル」という呼び方もありますが、それも違うなという気がしています。「ハーフ」でも「ダブル」でも別物扱いだということに変わりはないなと感じるので。

普通に「子ども」「人間」でいいじゃないかと思うんです。

ーー確かに悪意はなくても、“ハーフ”ということでフィルターをかけている部分はあるかもしれません。でも、アメリカは様々な人種やルーツの方が多いですよね。日本で言うところの“ハーフ”のような言葉はあるのでしょうか?

ボビー:アメリカの場合も、mixedなど混血を指す言葉は存在しますが、強調することは社会的によろしくないとされています。だから、日本のように「ハーフは可愛い」といった会話はゼロではありませんが、希少です。

「子どもだけでなく、僕自身も人種をこえて勝負したい」

出典Spotlight編集部

ーーお子さんだけでなく、ボビーさんご自身も日本で仕事をしていて、人種のフィルターを感じることはありますか?

ボビー:日本はメディアに影響されやすいので、テレビに出るハーフの芸能人によって、ハーフのイメージが作られているような印象はあるかもしれません。

ネイティブレベルで日本語が話せる外国人も増えているし、面白い人もたくさんいるけど、外国人であることが前提になってしまっていて、本人の内面や特性ありきではない気がします。

ーー確かに外国人であることがブランドになっているかもしれません。「もっとこうなればいいのに」というイメージは、ありますか?

ボビー:外国人という理由ではなく、普通に起用する番組ができたらとても新鮮だと思います。

そういう意味ではソフトバンクの白戸家のCMは、何の違和感もなく外国人(長男役のダンテさん)が起用された良い例の1つだと感じました。

国籍を問わず、キャラクターだけで勝負できるように、私も頑張っていきたいです。

日本ではハーフであること、外国籍であることに対して否定的な意見は少ないように思えますが、最終的な理想は“フィルターすらかけない社会”を実現すること。そのためには個人それぞれだけではなく、メディアも変わることが必要です。

日本が好きで移住する人も増えているからこそ、彼らの活躍の場が広がる環境作りを実現したいですね。

<取材・文/横田由起>

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