記事提供:日刊サイゾー

摘発された偽造団のメンバー。

電子マネーやモバイル決済など、日本よりも大幅にキャッシュレス化が進んでいる中国だが、それに「待った」をかけるような事件が発生した。

すでに市民生活に欠かせないほど浸透している非接触ICカードが、大量に偽造されていた事実が発覚したのだ。

「南方都市報」(7月7日付)によると、広東省広州市の警察が先月、同市の地下鉄やバス・タクシーの運賃支払のほか、コンビニなどでの支払いにも利用できる交通系ICカード「羊城通」を偽造・販売していた一団を摘発。

メンバー5人の身柄を確保し、400枚以上の偽造カードやICカード読み取り機、パソコンなどを押収した。ちなみに、身柄を確保されたメンバーの男女らは皆、きょうだいだったという。

一団が偽造していたのは、羊城通の中でも地下鉄・バスの職員や、高齢者、身体障害者に発行される「特殊無料カード」だ。

まず最初にメンバーの知人が持っていた特殊無料カードをだまし取り、非接触ICカードの最新技術を駆使してセキュリティを突破したのち、大量にコピーした偽造カードを1枚約6,000円で密売していた。

この偽造カードさえあれば市内の公共交通機関を無料で利用できるとあって、闇市場では飛ぶように売れたという。

こうして世に出回った偽造カードは、問題なく利用できていた。しかし、限られた数しか発行されていない特殊無料カードの利用頻度が、あまりにも多いことを不審に思った地下鉄職員が警察に通報。警察が利用者の追跡を行い、一団の摘発に至った。

偽造カードの使用により、広州市の地下鉄やバスが被った被害額は6,000万円以上に上るとみられている。

このほかにも中国では、交通系ICカードをめぐり、偽造やスキミングなどの犯罪が多発している。中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は話す。

一団のアジトに踏み込んだ警察。偽造カードはじめ、大量の証拠品を押収する。

「闇市場では、他人のICカードをポケットやかばんの外側からコピーできる装置が15万円ほどで売られており、混雑した場所での“電子スリ”に悪用されているとみられる。

実際、ネット上には『身の覚えのない支払いに使われていた』という訴えが散見されますが、発行事業者や警察も『ICカードはコピーできない』という建前なので、泣き寝入りするしかない」

さらに同様の犯罪は、日本に上陸している可能性もあるという。

中国の交通系ICカードも日本のSuicaやPASMOも、同じRFID(Radio Frequency IDentification)という技術が使われている。技術的には同じ手口が日本でも通用するはず」(同)

過去には、デジタル放送受信機に使用するICカード「B‐CASカード」の改造品が大量に出回り、BS/CS有料放送が無料で視聴されていたことが明らかとなっている。これらの改造カードの一部は、中国や台湾から持ち込まれたものだという…。

金融ITを組み合わせたフィンテック産業の拡大により、世界のキャッシュレス比率は今後、飛躍的高まっていくものとみられているが、資産に限っては、まだまだ現金主義が一番安全!?

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