ヴィーガ二ズムとは

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ベジタリアンよりも更にこだわったライフスタイルに「ヴィーガン」と呼ばれる人たちがいます。ヴィーガ二ズムとは、動物製品の使用を行わないライフスタイルのこと。つまり、ベジタリアンは卵やチーズを口にしても、ヴィーガンは動物が生み出した卵や牛乳、チーズやヨーグルトなども一切口にしません。

主な食べ物は野菜と果物、そして豆類と穀物類になります。肉や魚、卵を食べることがないために脂肪分やカロリーを抑えた生活ができるというメリットがありますが、B12など体に必要不可欠な栄養素が欠損してしまうというデメリットもあるために、それらの栄養素が含まれた代理食品やサプリメントを摂取することを薦められます。

ダイエットのバランスさえ取れれば理想的な食生活

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ヴィーガン生活をすると、心不全や高血圧、脳梗塞や大腸がんになりにくいといわれています。あくまでもバランスの摂れたヴィーガン生活であれば問題はないのですが、特に育ち盛りの子供や生後数か月の赤ちゃんなどは、どんどんいろんな栄養を摂るべきであり、両親がしているといっても、同じようにヴィーガン生活をすることは決して薦められていません。

筆者はイギリスに住んでいるので周りにたくさんベジタリアンやヴィーガンの知り合いがいます。筆者の相方もベジタリアンです。ただ、彼の場合は乳製品は食べるので食事の用意をするのも、面倒さがほんの少しマシなのですが、友人のヴィーガンの女性はあれもダメこれもダメということで、たまに「美味しいものを食べに行こう!」となっても限られたものしか口にできない彼女とでは、行けるレストランも限られるという始末…。

ヴィーガンの彼女には子供がいますが、5歳になる娘もヴィーガン生活です。生まれた時から生き物に対してのリスペクトを教え、ヘルシーな生活を心がけるように育てて来たのは立派ですが、時折、ベジタリアンがヴィーガンの子供を見ると「栄養が足りているのかな」と大きなお世話ながら思うこともあります。

小さい頃から野菜をたくさん食べる生活習慣をしていれば、子供も野菜嫌いにはならないでしょう。極端に偏食で野菜嫌いの子供よりもマシといえばマシですが、ヴィーガン生活が極端になってしまうと、子供にやはり悪影響となってしまうのです。

大人は大丈夫でも子供は新陳代謝も早く、栄養をどんどん体に取り込みます。故に両親と同じようにヴィーガン生活をさせていたら最悪のケース栄養失調になることもあるのだと今回のニュースで認識させられました。

イタリアのタスカンに住むヴィーガンの両親が、11か月の子供に生まれた時からヴィーガン生活をさせており、子供の様子が弱っていることに気付いた両親が慌てて病院へ連れて行くという出来事がありました。

乳児は座ることも這うこともできないほど弱っており、検査の結果、B12が著しく欠損していることも判明。この子供のケースは、野菜を食べるのを嫌がったために両親が母乳のみを与えていたのだとか。11か月で母乳のみしか与えられないというのは明らかに栄養不足。

乳児を病院へ連れて行った時に、共に30代の両親は我が子が深刻な栄養失調に陥っていると医師に宣告され、すぐさま肉や魚を食べさせることを約束したそう。病院の検査では、鉄分、ビタミンDが欠損していたことが判明しましたが、発育にどれほど影響が出るかは子供が3,4歳にならないと明確にはならないということです。

この乳児に関しては、回復の見込みはあるということだったのですが、ミラノで1歳になる子供が、厳しいヴィーガン生活を両親にさせられていたために生後3か月ほどの体重しかなく深刻な栄養失調状態であることから、今回裁判でこの両親から子供の親権を剥奪することになりました。

「親の食生活を子供に真似させるのは悪いことではないが、健康を損ねてしまうほどのライフスタイルは子供にとっては悪影響」と小児科医が言うのはもっともなこと。

祖父母によって病院へ連れていかれた1歳児は、わずか5kgしかなかったそう。検査ではカルシウムレベルが最低値となっており生死に関わるレベルだったために、緊急手術が行われたとか。

生まれた時から心臓が弱く、十分なケアが必要な1歳にはもちろん十分な栄養も必要。にも関わらず両親の厳しいヴィーガン生活を強いて子供の健康を損ねた事実は重く、このほど親権は祖父母に移されました。

2011年には米ジョージア州でヴィーガンの夫婦が生後6週間の我が子を餓死させてしまう事件もありました。生まれてからソヤミルクとアップルジュースしか与えなかった親は、子供への虐待として罪を科せられました。ところが、両親は「私たちは息子を愛していた。私たちはヴィーガンだから、子供もヴィーガンの生活をさせていただけ」と虐待の意思など全くなかったことを主張。

当時の事件の担当官は「どんなに自分たちがヴィーガンだ、ベジタリアンだと述べたところで、子供を栄養失調で死なせてしまった事実は事実。きちんと食事を与えていなかったからこのようなことになるのです」と厳しく批判しました。

この事件は極端な例で、どんなライフスタイルでも関係ないただの育児放棄とみなされましたが、イタリアで起こった2件の事件は、明らかに親のライフスタイルが子供の成長と健康に大きく影響を与えていることがわかります。

子供の健康が大切ならこそ

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子供を大切に思うなら、ライフスタイルよりもまず子供の健康を第一に考えるべきではないでしょうか。子供が成長して、どんなライフスタイルを送るかは子供に任せることができます。親はその時まで待つべきではないかと思う筆者。親のライフスタイルを子供に押し付けるのはただの押し売りではないでしょうか。

どんな食べ物も体に必要な栄養素をたっぷり含んでいます。親が気を付けていなければ幼い子供の健康は保たれません。人それぞれのライフスタイル。ヴィーガンであっても、お肉が大好き!という人であっても、子供は子供。きちんと栄養のある食事管理をして子育てしたいものですね。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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