世の中で起こっている実に様々なニュースを目にする度に、「自分だったらこんな状況でどうするだろうか」ということをよく考えます。今回お伝えしたいニュースも、「もし自分がこの立場だったら…?」と考えずにはいられませんでした。

一組の仲良さそうなカップル。しかし…

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イギリスのダーラムに住むアンディ・ベルさん(26歳)は去年の12月に恋人のアナ・スワービーさん(24歳)にプロポーズしました。そのプロポーズは彼のアナさんへの献身的な深い愛の証明でした。

2015年の2月にデートアプリ「Tinder」を通して出会った二人。ネットで話していくうちに気が合うことを確認。是非一度会ってみたいと思うように。何度かやり取りをした後、アンディさんはアナさんを飲みに誘いました。「今度、一緒に飲みに行きませんか」そんなメッセージの返信は、アンディさんが思ってもいないものでした。

「実は…私、余命3年なんです」

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「まるで爆弾を落とされたような感じでした」と語るアンディさん。「Tinder」のプロフィールにはとても若くて美しく生き生きした表情の24歳の女性が載せられていました。「会ってみたいな」そう思ったアンディさんに、病気のアナさんは正直に全てを告白。それでも会ってみたいかどうかを尋ねたのです。

「私、末期の脳腫瘍を患っているんです。余命3年ほどと言われているんですが、それでも会ってみたいと思いますか?」現在も治療中だというアナさんのことを思うとアンディさんは激しく胸が打たれました。

もし、あなたが同じ状況に立ったらどう思いますか?筆者はアンディさんが「悪いけどそういう事情なら会わない」と言っても責められないと思います。真剣な交際に発展する人を探しているのであれば尚更。余命数年と聞いて無責任に付き合いを始めることは相手にとって酷だと思ってしまう人もいるでしょう。

「あなたが会わないって言っても理解できるから」

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アナさんはアンディさんの気持ちを察して「もし会わないって言ってもわかるから」と伝えました。これから会って互いに知って行こうという段階で、相手の末期の病がわかれば片方にとっては痛みと苦痛でしかなく、支えていくのはとても困難なこと。それでもアンディさんは決心を翻すことはありませんでした。

アナさんがまだ24歳だということで「こんなに若いのに、末期の脳腫瘍だなんて」という衝撃があったものの「いや、僕は君のことをもっと知りたい。君が病気でも会いたい気持ちは変わらないよ」と返信したのです。事実、アンディさんはアナさんを心から支えてあげたいと思うようになったのです。

それは同情でも何でもありませんでした。ただ、アナさんに「会いたい」という気持ちが強く、「自分が病気だから恋はできない」という彼女の心配をほぐしてあげたかったというアンディさん。そして初めて会った日から、二人には離れられないほどの絆が生まれました。まさに運命の出会いだったのでしょう。

アナさんの両親にも会ったアンディさん

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カップルが、互いの両親に紹介するということは欧米では結構カジュアルなもの。それでも初めて相手の親に会うということは少なからず緊張するものです。アンディさんの場合は、その緊張が倍でした。アナさんの両親からどのように思われているか、何を言われるか、とても心配しながら初の面会となりました。

案の定アナさんの両親は、アンディさんの真意を測りかねていました。アナさんは病気のために仕事も諦めなければならず、突然起こり得る発作のために車の運転もできない状態でした。

これ以上複雑なことで娘の気持ちをかき回し、心身ともに容態が悪化してしまうのは耐えられない…そう思うのは当たり前のことでしょう。そんな心情を知ったアンディさんは「自分は真剣に交際をしている。決していい加減な気持ちではない」と、どれだけアナさんをケアしているかを両親に伝えました。

そしてアンディさんは自分の両親にもアナさんを紹介しました。最初、両親は元気そうなアナさんを見てその病状に驚いていたそうです。「結婚も考えている」と息子から聞かされた両親は「あなたがそれを本当に望むなら」とサポートする姿勢を見せてくれました。

手術と化学治療コースを終えたアナさん

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去年、アナさんは腫瘍の手術をし化学治療の12回コースを終えました。それでも治る見込みはないと医師から宣告されているアナさん。厳しい状況のアナさんをアンディさんは傍でずっと支えてきました。常に前向きでいようと心がけているアナさんですが、やっぱり余命数年と宣告されては、どうにもならない歯がゆさが襲います。

時に心が折れて「死にたくない」とアンディさんの前で泣き崩れたこともあったそう。そんな姿を見てアンディさんは「精神が弱くなるとますます体調に差し支える」ことを知り、懸命に支え励まして来ました。

アンディさん自身も、病院から家に帰って一人になると激しい落ち込みが襲ってきます。傍にいるのに助けてやることができない自分が情けなく、これまでも何度も涙を流したと言います。

「3年後には、隣にもうアナはいない」そう思うとたまらなく恐怖を感じるというアンディさん。自分が30歳になる頃にはやもめになっているかも知れない。それでも今、自分の気持ちを精一杯アナさんに証明したいーそう思ったアンディさんは去年12月にアナさんにプロポーズしたのです。

今年の9月に挙式予定

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アナさんの中には、プロポーズを受ける時にもきっと葛藤があったことでしょう。それでもお互いの愛を信じ、受け入れたアナさん。9月には親族や友人160人ほどを招待して結婚式を挙げるそう。アンディさんは「たとえ短い結婚生活であったとしても、アナを『僕の妻です』ってみんなに紹介したいんだ。その日が待ちきれないよ」と嬉しそうに語りました。

リサーチのためにチャリティ活動をしているアナさんとサポーターたち

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今後の治療に役立って少しでも助かる人が増えてほしい。そんな願いでアナさんはチャリティ基金サイトを設立。友人ら多くのサポーターもアナさんを支えています。

「結婚式はきっと特別な一日となるよ。僕たちには結婚の日数は問題じゃない。結婚して一生相手に添い遂げるという気持ちの証明が大切なんだ。だからたとえ数年しか結婚生活が続かなくても、僕たちには大きな意味があるんだ」とアンディさん。

愛する相手がなんとか助かってほしい。そう思うのは当たり前でしょう。でもそれが叶わないと知った時、私たちにできることは何なのでしょうか。アンディさんは、アナさんへの献身的な愛を日々証明しながら生きています。ここまで深く愛されているアナさんはとても幸せですね。

これからも彼女には辛い治療と闘病生活が待っていることでしょう。でも、傍にはいつも自分を愛してくれる人がいてくれる。その気持ちは、きっとアナさんを何倍も強くするに違いありません。

これからの二人の人生が、どうか充実したハッピーなものでありますように。アナさんとアンディさんの幸せを心から願う筆者です。

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公式プラチナライター。イギリス在住22年目。いつも読んで下さる皆さんに感謝。Twitterアカウントは@mayonesque18です。よろしくお願いします。

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