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記事提供:まぐまぐニュース!

30年もの間、ブランドひとつで均一価格を貫き、東証一部上場も果たしている居酒屋チェーン「鳥貴族」。

その人気を支えるコストパフォーマンスの高さを長期間維持し続けるノウハウを、無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者・青山烈士さんが図表を用いつつ詳しく解説してくださいました。

コストパフォーマンスの追及

今回は右肩上がりの成長を続ける居酒屋を分析します。

鳥貴族(居酒屋)

◆戦略分析

■戦場・競合

・戦場(顧客視点での自社の事業領域):焼き鳥居酒屋
・競合(お客様の選択肢):居酒屋チェーン、コンビニ(家飲み)など
・状況:居酒屋離れもあり、市場規模は縮小傾向のようです。

■強み

1. 安い

280円均一の低価格
・料金を気にせず食べることができる

2. 美味い

・国産鶏肉を使用
・お店で串打ち
・独自ブレンドのタレ

3. 早い

・すぐに出てくるスピードメニュー

⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス

30年に渡る国産鶏肉・手作りへのこだわりと低価格で提供するノウハウ

・良質の国産鶏肉に限定して仕入れを行い、店舗で串打ちすることにこだわっています。

→牛肉や豚肉、魚などを扱わず、国産鶏肉に特化することで大量仕入れによる仕入れ値の抑制やスタッフの手間を省くことにより、「安い」を実現。

・セントラルキッチンを有しておらず、各店舗で仕込みを行い、調理からお客様へ提供するまでの時間を可能な限り短縮することで、より新鮮で「美味しい」ものを提供することを実現。

上記のような「こだわり」があるからこそ、強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

・メインターゲットは20代の若者
・女性客も多い

◆戦術分析

■売り物

焼き鳥が中心

・一串約90グラムある看板メニューの貴族焼
・名物トリキの唐揚げ
・名物とり釜飯
・焼きとりは約30種類と豊富だが、前菜、ご飯もの、デザートのサイドメニューは合計40品に満たない(競合と比較して5割程度)
・ドリンクはビールやワインなど約70種類(競合と比較して4割程度)
お通しなし

■売り値

・280円均一(国産鶏肉の焼き鳥、ドリンクを含めた全商品)
・「28とりパーティー」は2,800円
→8名以上なら予約できるお得なパーティープラン(2時間の飲み放題、食べ放題)

■売り方

・新規オープン割引
→オープンから2日間は「全品半額キャンペーン」などを開催

・割引クーポン
→各店舗の予約サイト「EPARK」に登録すると送られてくるメルマガに不定期でクーポンを掲載

・SNSで情報発信
→フェイスブックやツイッターで鳥貴族のオリジナルキャラクター「トリッキー」が情報発信しています

■売り場

・賃料を低く抑えるために駅から少し離れたところに出店
・店内は木の温もりを感じる非日常空間

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

まとめ(戦略ショートストーリー)

20代の若者をターゲットに「国産鶏肉へのこだわり」、「手作りへのこだわり」に支えられた「安い」「美味い」「早い」という強みで差別化を実現しています。

280円という安さにもかかわらず、味やボリュームにこだわった焼き鳥などのメニューを提供し、コスパ(コストパフォーマンス)の高さで顧客の支持を得ています。

■分析のポイント

「コストパフォーマンスの追及」

鳥貴族は30年もの間、鳥貴族の店舗ブランド一つで均一価格で勝負して、現在は東証一部上場企業となっています。

長年の経験の蓄積で、均一価格でもしっかり儲けを出すことができるノウハウを持っているということです。

一方で大手居酒屋チェーンも低価格の均一店舗を出店したもののうまくいかない店舗が多かったようです。

低価格均一という強みを短期的には真似ができても、長期的に真似をすることは難しいということです。

なぜ長期的に真似をすることが難しいかというとコア・コンピタンスに差があるためです。

30年間、同じブランドで均一価格のお店を運営している鳥貴族は出店場所の選定やメニューの絞り込み、スタッフの手間の削減など、低価格でも儲けを出すためのノウハウ(コア・コンピタンス)の蓄積があります。

しかし、低価格の均一店舗を出店したチェーン店には、鳥貴族のようなノウハウが蓄積されていないわけですから、儲けを出すことが難しく店舗を継続することも困難になったということでしょう。

そして、鳥貴族の強みは「安さ」だけではありません。鳥貴族のコンセプトは「280円均一の感動」であり、「安さ」に加えて、おいしさやボリュームなども強みになっています。つまり、安くすれば継続的に売れるというわけでないということです。

280円という価格で、この味(美味しさ)、このボリュームなど顧客が支払う金額よりも価値が高いと感じなければ、顧客は喜んでお金を支払うことはないでしょう。

安さと味を両立させ顧客を感動させる努力、要するにコストパフォーマンスを高めることを追及してきたからこそ業界全体として厳しい状況の中、右肩上がりの成長を続けることができているのです。

今後、どこまで鳥貴族の快進撃が続くのか楽しみですね。

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