記事提供:LITALICO 発達ナビ

絵本は言葉の力を伸ばすだけではありません。コミュニケーションツールにもなるし、人の気持ちを知る手助けもしてくれるのです。

1歳前から読み聞かせの日々

娘がアスペルガー症候群と診断されたのは小4のとき。

幼児期は全く気付かずに接していましたが、発達障害の親の会で話していたときに思い出したことがあります。

それは、「何気なくやっていた毎日の読み聞かせで娘は大きく成長し、たくさんの安心感を得られていた」ということでした。

子どもが生まれてから、本好きの私は絵本の研究本を読んだり、絵本とおもちゃの専門家の講演を聴きに行ったりと、絵本とおもちゃのマニアになりました。

そして、古本市に出かけていって古くからのベストセラーの絵本を買いあさったり、月間絵本を出している店に足を運んでアドバイスしてもらったりしているうちに、コレクションは500冊を超えるように。

子どもには1歳前から読み聞かせを始めました。

最初は勝手にどんどんめくられたり、かじられたり、絵本の角で頭を叩かれたりと散々でした。

それでも危険なこと以外は叱らず好きなようにさせ、童謡絵本を歌い聞かせたり、食べものの絵本を見せて「あーん。おいしいね」という感じで楽しんでいました。

いつの間にか簡単なストーリーのあるものや、五味太郎さんの「きんぎょがにげた」というような絵探しを楽しむように。

それから年齢を追うごとに長い絵本や物語絵本も楽しめるようになったのです。

6歳になり、「もういい」と自分で読むようになるまで読み聞かせは続きました。

繰り返し同じ絵本を求めるには理由があります

多くのお母さんたちが体験しているのではないかと思いますが、1度気に入ると、毎晩同じ絵本を持ってきて閉口してしまうことがあります。

親も飽きちゃいますからね。

でも、同じ絵本を繰り返し楽しむのも、とても大切なことだと気付きます。

昔からベストセラーになっている本をよく見るとわかりますが、優れた絵本は絵を見るだけでストーリーを楽しむことができます。

何度も読んでもらっているうちに、より絵本の世界を深く楽しめるようになるのです。

また、子どもには「結末が分かっているからこそ安心して楽しめる」という行為が精神の安定に大きく役立つと感じています。

読み慣れた絵本、遊び慣れたおもちゃ、何度も見ているDVD、こうしたものは定型発達の子どもにも、きっとあると思います。

絵本を通して感情を知る

絵本にはいろいろな世界があり、楽しみながら「人を喜ばせようとする気持ち」や「うれしい気持ち」、「さみしい気持ち」、「怒った気持ち」などいろいろな感情があること、その感情はどうして湧いてくるのかを教えてくれます。

そして素晴らしいことにみんなハッピーエンドが待っています。

親のそばで安心していろいろな気持ちに触れることができるのも、絵本のすばらしさだと思います。

子どもから、「どうして?」など問いかけがあればストーリーについて話し合うも楽しいですね。

ですが、親から「どう思った?」「何が出てきた?」と聞くことはやめてあげたほうがいいかもしれません。

読んだ後の気持ちをじっくり味わう時間も子どもには必要だと思います。

絵本が教育の時間になってしまっては楽しむことはできません。

伝える喜びも学んでいた

絵本のおかげで娘は物語を読む喜びを知りました。

読み聞かせを卒業してからもいろいろな本を読んでいました。

いつの間にか文字を覚え、私に手紙をくれたことがありました。

絵本を通じて「伝える喜び」も知ったのですね。

なによりも、絵本の時間が娘に与えたのは

不登校になってからしばらく、娘は文字を遠ざけるようになり、紙に書かれた本を読まない時期が続きました。

ですが、絵本を片付けようとしたら「ダメ」といいます。

だいぶたってから分かったのですが、娘は1人本棚の絵本を読み返し、絵本の世界に帰って心を休めていたようです。

絵本が娘にくれたもの、それは「愛された記憶」なのかもしれませんね。

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