ネットやテレビで話題のニュースに関して、編集部が独自の切り口で取材調査をする「ソコ行く!?ソレ聞く!?取材班」のコーナー。今回も興味深いお話を伺ってきました!

2016年6月22日に公示され、7月10日に投開票が行われた第24回参議院議員選挙。公職選挙法改正により今回から選挙権年齢が高校生も含む18歳まで引き下げられてからの初めての国政選挙となりました。総務省はこれから1ヶ月間をかけて18・19歳の投票率を調査するとしています。

選挙公示前から総務省をはじめとして各政党・団体が、彼らに向けて「選挙に行こう」という内容の啓発キャンペーンを実施していました。しかし、それが当事者たちにはどのように受け取られているのでしょうか。また、そもそも「選挙」について、どのようなことを考えているのでしょうか。

Spotlight編集部は実際に高校生3年生に集めて、選挙についてどのように考えているのか、どうすれば選挙に関心を持つことができるのか、聞いてみました。

話を聞くことができたのは、ミキさん、アサコさん、ユウキくんの3人(いずれも仮名)。みんな17歳ということで、今回の選挙に投票権はありませんでしたが、意外なことに政治への関心は高め。

「なんでドローンを使えないの!?」から政治に興味

出典編集部撮影

ーーまずは普段はどういう高校生活を送っていて、どういうきっかけで政治に関心をもつようになったのか教えて下さい。

ミキさん:政治に興味を持ったきっかけは、部活動のあるシーンです。所属しているアーチェリー部で主務をやっている関係でパソコンを触るんですよ。事務作業のために必要だから触っているのに、そのことを何も言わなかったら通りがかった友人に単なるサボりだと疑われてしまった。主体的に意見や考えを言っていかないと普通に生活もできないと感じて、政治など発信することに興味を持ちました。

アサコさん:私、スマホ中毒でずっと触っていて(笑)。部活はスキー部に所属しているのですが、もともと理系でロボットが好き。今ドローンに興味があるんですけど、事件などもあり日本の都心では飛ばせるようになるまで法律的に何十年もかかりそうじゃないですか。そこから、新しい技術があるのに使えないのってどうなんだろう、と政治の領域にも興味を持つようになりました。

ユウキくん:自分の学校では学級委員以外は部活動扱いで、図書部で部長をしています。政治に興味をもったきっかけは中学2年生の時の公民の授業です。選挙の仕組みの話があったことで「選挙って自分にも関係あるんだ」と思いました。日本のこれからとして、原発の再稼働や、若者に向けた政策を増やしたり、赤字国債が増大しているので消費税を上げるといったことについて議論しなければならないと考えています。

とはいえ、高校三年生で受験を控える身。部活にも忙しく、どのように政治の情報と触れているのでしょうか。

出典編集部撮影


ーーテレビとインターネット、どちらを見ることが多いですか?

アサコさん:新聞やテレビよりもネットメディアばかり見ていますね。テレビは朝10分見るくらい。受験生なのでご飯食べながら『報道ステーション』を見ることはある。

ミキさん:テレビはぜんぜん見ないです。インターネットの方が面白い情報がたくさんあるし、自分の好きな分野にすぐに飛べるので。

ユウキくん:あまりテレビを見ない家庭なので、ニュースを軽く流しているくらいです。

出典編集部撮影

ーーテレビでは学ぶ機会がないとしたら、18歳選挙について学校ではどのように教わっているんですか?

ユウキくん:政治経済の授業でニュースを生徒が取り上げて先生が解説するということをやっていて、自然と18歳選挙の話になりました。学校全体では一度朝礼で話があったくらいです。

ミキさん:授業で選挙に興味のある先生が話して下さったというのはありますが、先生たちもデリケートなことだと分かっているみたいで、ご自分の意見ということではなく、「見方をきちんとしないと政策が多すぎて分からなくなるよ」と教えて頂きました。

アサコさん:私の学校では、実際に区から投票箱を借りてきて高3の生徒全体で模擬投票をします。AKB48のメンバーを候補者の代理として立てていました。また、先生が選挙公報をもらってきて、図書室で調べる時間があります。

18歳選挙の啓発動画に「ただの脅迫ですよね?」

出典編集部撮影

政治に関心のある彼らに、総務省などの18歳選挙に関する啓発コンテンツを見てもらい、意見を聞きました。

出典 YouTube

アサコさん:私たちへのアプローチの方法をなんか勘違いしている気がする。勝手にふたりで選挙に行ってください、という感じ。

出典 YouTube

ユウキくん:マンガやアニメとかいろいろな要素をぶっこみすぎ。選挙に行くということで政策のことを触れずに終わっているし。リアルなことを実感できれば選挙に行く気になるかもしれないけれど。

出典 YouTube

ミキさん:(動画の壁ドンするシーンを見て)流行っていると言われているけれど、してもらいたいと思えない。ただの脅迫ですよね?

ーーこれらの動画やマンガを見てどう思いますか?

アサコさん:頑張って紹介しているけれど、実生活との違いを感じますね。これからAR(拡張現実)の技術なんかが発達すれば、より身近なものシーンとして実感できるようなものができるのかも。

ユウキくん:実際にこのようなシチュエーションはないでしょう。大人から見た高校生はまだ子供でやんちゃなイメージがあるんだな、と思いました。

ミキさん:もっと下の世代に見せるような内容なのではと思いますね。せっかく選挙権を預けてくれるんだったら、もっと私達のことを信用してほしいです。

おおむね散々な評価。啓発コンテンツの大半は、高校生たちの心を掴むことはできなかったようです。

「ちゃんと調べてから投票に行きたい」

ーーズバリ、18歳になったなら選挙に必ず行きますか?

ミキさん:私は行きますね。どう?

アサコさん:選挙権を持っている友達は、受験勉強が忙しくて、あまり政策を知らないのに投票にするのはよくないから投票しない、と言っていました。

ユウキくん:最低条件として各党が何を言っているか理解した上で投票したいです。日本に悪い影響が及ぼさないようにしないと。

出典編集部撮影

ーーもっと皆さんに政治や選挙に関心を持ってもらうためには、どんなことが必要だと思いますか?

アサコさん:同級生には17歳の人と18歳の人がいるという状況で、選挙権をもっている子の選挙運動のツイートをRTすると違反になるってネットで見たんですけれど、そういう身近で具体的なことをもっと教えてほしいです。

ミキさん:大人が投票とかの話をしてくれないから、政治のことがタブーのようになっているように感じますね。デリケート感がある。子ども扱いしないで、もっと大人の一員のように扱ってほしいです。

アサコさん:18歳選挙権の授業でも、先生はどう思うのかと聞いてもはぐらかされてしまうし、親とかもどこの党に入れるのか、理由を話してくれないんです。だから自分で調べるしかないのですけれど、友達と話ていても「よくわからない」となるし、もっと大人の視点も知りたいです。

ユウキさん:自分の学校も先生が政治に関する意見を言ってくれなくて、「大人の意見を聞いても無駄だよね」という空気がありますね。大人との距離が遠いので、そのギャップを埋めないといけないのでは。「選挙に行こう」というだけはなく、そこよりも掘り下げた意見についてより深く知りたい。

最後に

このように高校生たちは想像しているよりもずっと様々なことを考えていることが分かりました。大人たちはそのことをもっと知った上で、政治のことを世代問わずに話し合えるような社会にすることが、若年層を政治に関心をもってもらえるカギになりそうです。

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社会派無頼系乙女男子。好物は女性ファッション誌とホットケーキですが、社会問題にも切り込む無謀さも持ちあわせています。

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