出典 http://real.tsite.jp

記事提供:まぐまぐニュース!

家電量販店に行った時「価格が安いかチェックして、高ければ次の店に行く」という方が多いのではないでしょうか?

今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では、そんなありきたりの光景に革命を起こそうとしているTSUTAYAが始めた家電量販店「蔦屋家電」と人気焼肉店「矢澤」のインパクトを消費者目線で分析しています。

蔦屋家電と焼肉屋に学ぶ「値引き合戦」からの脱却

■TSUTAYAが展開する新しい業態の店「蔦屋家電」

まず入口からして、いわゆる「通常の」家電量販店とは全く違う。

まるで一流のアパレルのハイファッションショップのようで、大型家電を売っている店とは思えないのだ。

よくある家電量販店と最も違うのは、ずらっと並んだ商品に、価格がほとんど書かれていないことである。

「通常は29,800円が今だけ19,800円」

「他店より1円でも高かったら、店員に言って下さい」

というような価格中心のあおり文句は一切ない。

それどころか、価格表示さえほとんどされていないのだ。

では、何をどうディスプレイしているのか、というと、たとえばドライヤーはでいえば、同一製品を、各色10個くらいずらっと、きれいに並べている。

ただそれだけなのだ。

製品を売る、というよりも、「ライフスタイル」や「生活の向上」を提案している、いい生活、素敵な毎日の中に、思わず微笑んでしまうような家電を選んだらどうですか?というプレゼンテーションになっている。

なので、ここにきている人たちは、買いに来ているというよりも、遊びに来て楽しんでいる、という感じなのだ。

小売店ではなくエンタメ・パークに来ている感覚なのであろう。

そうすると、価格や値引きという土俵ではないところで、蔦屋家電は戦うことができるのだ。

■ミート矢澤 八重洲店に学ぶ飲食店が流行る理由

もう一つ、飲食店の事例をあげてみる。

先日、塾生さんに連れて行ってもらった、東京駅 八重洲北口にある焼肉屋「矢澤」さん。

この辺りは、サラリーマン層が多く利用するエリアで、どちらかと言えば居酒屋やバール、それもチェーン展開している店が多い。

また、焼肉屋も多くあるが、よくある古くからのオーソドックスな焼肉屋か韓国料理の店が多い。

その中でこの矢澤さん、Japanese BBQと店にある通り、焼き肉のテイストを残しながら、どことなく日本風な料理もあり、なにより店内が明るく、無煙の備え付けコンロ、

そして内装や中央にあるガラス張りのキッチン周りも銀色のステンレスなのだ。

メニューはオリジナルで創っているとのことで、最初のページに「今日の希少部位」、イチボとかミスジが最初に書かれているのが興味深い。

最初のページにあるということは、当たり前だけども、お客様が最初に見られるし、次回まで覚えてもらえる確率が一番高い。

だから、売りたいものはここに置くべきなのだ。

ボクたちが選んだのは「サーロインの矢澤焼き」。

ミート矢澤 八重洲店 薄切りのサーロインを、山芋と卵黄、鰹だしのタレでいただく。

極上のすき焼きをいただいている感じで食べられるこの矢澤焼きは、この八重洲店だけとのこと。

ボトルで頼んだカリフォルニア・ワインにぴったりだった。

もちろんこれ以外にも厚切りのタンなどどれも絶品。

さらに、店員さんが一枚ずつ丁寧に焼いてくれて、食べ方も教えてくれる。

ワインの合わせ方までアドバイスをくれるので、とても居心地のいい空間になっている。

お客様から見て、飲食店は美味しくて当たり前。

ホスピタリティ、他の店と違う独自性、ここだけでしか食べられない逸品などが絡まって、次に来店する理由になるし、クチコミをしたくなる。

■この2店から何を学ぶべきか?

では、中小企業や他業種は、何をどう見習えばいいのか?

BtoBの企業は、蔦屋家電のように顧客にライフスタイルは提案できないし、矢澤のように、店内を綺麗にするわけにもいかない。

蔦屋家電から学ぶべきことは、「顧客がどこに価値を感じるのかを見極めること」である。

暮らしをよくすることが、顧客が欲しいことであり、安い家電を買うことが顧客価値ではない。1円でも安い家電品は、量販店へどうぞ。快適な暮らしをしたい人は、蔦屋家電へ。と言っている。

顧客が本当に欲しいことを見極めて、それを提供する。

簡単に聞こえるが難しい。

が、ゆえに、それができたら市場で勝てるのだ。

その価値は、自社が扱っている商品だけではなく、お客様が自社に触れてから、出て行くまでの一連の「顧客体験全て」で、お客様は判断する、ということを矢澤から学ぶべきである。

この2社は、モノを売っているのではない、楽しい一時を売っているのである。

ソニーがウォークマンを売ったのではなく、「外で音楽を聞くライフスタイル」を売ったのと同じである。

これがコトを売る、ということである。

値引き合戦から脱却するための、一つのヒントになると言える。

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